受験生にはコロナで異例ずくめの年、何を頼りに志望校を決めればいい?
LIMO / 2020年9月14日 20時0分
受験生にはコロナで異例ずくめの年、何を頼りに志望校を決めればいい?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で観光業や飲食業の売上落ち込み、テレワークの増加などさまざまな変化が起こりました。今ではGoToキャンペーンなどによって新しい生活様式が定着し、大人たちは日常を取り戻しつつあります。
しかし、緊急事態宣言に先立っていち早く一斉休校となった学校現場では、多くの問題が生じています。最たるものが、学習の遅れや来年の受験。子どもたちが置いてきぼりになっているため、早急に手立てを打たなければならない現状です。
コロナ禍で受験生が困っていることは?
株式会社ベネッセコーポレーションが全国の中学3年生、高校3年生、昨年度現役合格した高校1年生、大学1年生の本人と保護者それぞれに実施した調査によると、今年8月の1カ月あたりの校外学習費用がそれぞれ約8000円減少したことがわかりました。新型コロナの影響による塾の休校や世帯収入の減少が原因として考えられます。
また中学3年生の69.7%、高校3年生の73.0%が現在、受験勉強や志望校選びに支障が出ていると回答。特に多かったのが「授業時間の減少」「模試の減少」「オープンキャンパスへ行けない」といった回答でした。
まず、授業時間の減少によって、受験に必要な科目を十分に教わることができていない状況を生んでいます。また、密を避けるためとして恒例のオープンキャンパスや模試などの各種イベントも軒並み中止という事態に。
さらに、コロナ禍で困っていることを聞いてみると、全体の43%が「休校による学習の遅れ」に言及し、26%が「オープンキャンパス・学校見学ができない」と回答しています。
筆者の親せきの子どもも現在高校3年生ですが、志望校についてはオープンキャンパスに行ったり学校や塾の先生に相談したりして決めようと思っていたそう。
しかしコロナ禍においてオープンキャンパスはもちろん、学校や塾で先生たちにも気軽に会えなくなったことで志望校そのものだけでなく、その前段階である志望校の決め方自体を変えざるを得ない状況になっているとのことでした。
文部科学省や各企業による受験生支援の動き
コロナの影響で必要な勉強や情報収集を満足にできない状況では、中学校や高校側の対応にも限界があります。そんな中、文部科学省や各企業も受験生支援に乗り出す動きが見られています。
8月27日には、文部科学省が「2021年度(令和3年度)大学入学者選抜での新型コロナウイルス感染症対策に伴う各大学等の試験期日および試験実施上の配慮等の対応状況について」をWEB上に掲載。全国の各大学における試験期日や試験実施上の措置、受験機会確保のための追試験実施情報などを取りまとめるとともに、各大学への公式HPへ誘導して簡単に詳細を見られるようにしています。
また、合同会社OnTechは7月、先生の研究内容から大学選びができるマッチング診断サービス「SENCO」をリリース。コロナで失われた大学との接点を取り戻し、受験生の進路選びをサポートする仕組みを作りました。
さらに、株式会社ベネッセコーポレーションも9月2日には、最新入試情報・受験セミナーや受験対策教材を無償提供するアプリ「ベネッセ 教育情報フォーラム」をスタート。コロナ禍における受験生たちの情報不足や勉強の遅れに寄り添う形です。
コロナに対応する大学が人気になる時代に?
また、各大学側も続々と新たな試みに取り組み始めました。
たとえば大正大学では、10月実施の総合型選抜(旧AO入試)と11月実施の学校推薦型選抜(旧推薦入試)においてオンライン入試の導入を決定。受験生の受験機会の均等化のため、対面入試も同時に開催するとのことです。
また、YouTubeライブ映像を使ったオープンキャンパスや学園祭の実施を決定した大学も増えてきました。他にも、オンライン授業が中心になっている状況での学費の問題など、コロナ禍における学校としての考え方や今後の可能性を感染状況に応じて積極的に発信する大学も多くあります。
このように新型コロナの状況に柔軟に対応する姿勢を持つ高校や大学が、大学選びに悩んでいる受験生にとってポジティブに映っていることは間違いないはず。
ウィズコロナの中では、カリキュラムや偏差値などはもちろんですが、いかにコロナに向き合った対策をしてくれているのか、コロナ禍でどういった考え方をしているのかという部分も今年の受験生本人とその親にとっては考慮したい項目になっていくのではないでしょうか。
例年と違う状況を過ごさなければいけない今年の受験生。受験生の子どもを抱える親にとっても悩ましいポイントはたくさんありますが、さまざまな救済策や情報を積極的に取り入れることで見えてくる光はきっとあるはず。これからの学びや学校生活を諦めず、なんとか受験を乗り越えてほしいと思います。
【参考資料】
「2021年度(令和3年度)大学入学者選抜での新型コロナウイルス感染症対策に伴う各大学等の試験期日および試験実施上の配慮等の対応状況について(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/mext_00060.html)」(文部科学省)
学問マッチング診断サービス「SENCOβ版」ニュースリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000058062.html)(合同会社OnTeck)
「ベネッセ 教育情報フォーラム」ニュースリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000836.000000120.html)(株式会社ベネッセコーポレーション)
大正大学「オンライン入試の導入」ニュースリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000054969.html)(大正大学)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
旺文社の大学受験生向け情報誌、月刊『螢雪時代10月号』および2025年進路選びデータベース『螢雪時代10月臨時増刊 全国 看護・医療・福祉系 大学・短大・専門学校 受験ガイド』を刊行!
PR TIMES / 2024年9月13日 13時45分
-
Z世代の情報収集動向が見える!エクスクリエが 「大学・専門学校の選択やメディア利用に関する調査結果」(全15項目)を発表
@Press / 2024年9月12日 11時0分
-
点数アップと大学受験に強いフリーステップが、中学・高校入試の最旬情報を提供するオンラインイベントを開催!
PR TIMES / 2024年9月4日 11時15分
-
先着10名限定!総合型選抜(AO入試)専門塾「KOSSUN教育ラボ」が「上智大学合格プロジェクト」を9月2日より開講
@Press / 2024年9月3日 10時30分
-
国公立大至上主義の「自称進学校」はいよいよ衰退か。公立高校は地域トップ「超進学校」との二極化へ?
オールアバウト / 2024年8月29日 21時50分
ランキング
-
1昭和に大ヒット「青春という名のラーメン」令和に復活! 熱湯1分、タイパ志向に応える 明星食品
食品新聞 / 2024年9月24日 9時2分
-
2ノースボルト、国内で1600人削減 電池増産計画撤回
ロイター / 2024年9月24日 11時19分
-
3「ピクトグラム」では良さが伝わらない…… ワークマン、機能の「格付け」を始めた背景 対ユニクロも意識か
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月24日 6時15分
-
4ぬるま湯につかったJTCサラリーマンへの鉄槌…「ジョブ型人事」で年収激減。「湾岸タワマン」で金利上昇に怯え暮らす、40代・大手企業勤務の男性を襲った悲劇
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月24日 10時45分
-
5管理職の社員・元社員が評価する企業ランキング 1位は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月24日 10時56分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください