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サラリーマンの年収1000万円と年収2000万円、手取り額の違いは?生活はどう変わる?

LIMO / 2020年9月11日 19時15分

サラリーマンの年収1000万円と年収2000万円、手取り額の違いは?生活はどう変わる?

サラリーマンの年収1000万円と年収2000万円、手取り額の違いは?生活はどう変わる?

「年収1000万円」、これは平均的所得の人であれば誰しもが憧れる「勝ち組」の収入。その響きはある種のステータスともなっています。また、「玉の輿に乗る」の基準として「年収1000万円以上」と回答する女性も多く、結婚相手としても引く手あまたな存在となっています。

そんな憧れの的ともいえる「年収1000万円」。どんな職種の人にこの金額を達成する人が多いのでしょうか。

令和元年9月に発表された国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/001.pdf)」の業種別の平均給与のトップ3を見てみると、平均給与額第一位は電気・ガス・熱供給・水道業で年収約759.0万円。第二位は金融業・保険業の631.3万円、そして第三位は情報通信業の622.4万円ということが分かります。

また同統計によると、年齢階層別の平均給与は55~59 歳の階層が686万円と最も高くなっています。いずれも非正規職員を含む平均年収ですので、これらの業種で年齢が上がり、また昇進なども順調にしていくと年収1000万円が見えてくる可能性が高いといえるでしょう。

さて、今回はその「年収1000万円」とその倍額となる「年収2000万円」について、実際の手取り額、そしてそれほどの年収を得ている人たちの暮らしぶりは一体どのようなものなのか、ということについて見ていきます。

年収1000万円の人ってどれくらいいるの? 

さて、この「年収1000万円」という金額を稼ぐ人は一体どのくらいいるのでしょうか。国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/001.pdf)」によると、1年を通じて勤務した給与所得者 5,026万人について、その給与階級別分布をみると1,000万円超1,500万円以下の年収の人は1,804千人で全体の約3.6%、そして1,500万円超 2,000万円以下の年収の人は393千人で全体の約0.8%です。

さらにその上となる、2,000万円超 2,500万円以下の人はわずか128千人で全体の約0.3%、そして超高所得者といえる2,500万円超の人は164千人で、全体の約0.3%しかいないことが分かります。

これらをまとめると、1000万円以上を稼ぐ人はわずか5%しか存在しないということが明らかになります。もちろん給与所得者のみでの計算になるため、個人で起業されている方や芸能人などを除外した結果ですが、思いのほか年収1000万円以上稼いでいる人が少ないことが分かりますよね。改めて年収1000万円を稼ぐことの難しさを思い知らされます。

年収1000万円と年収2000万円の手取り額はいくら? 

先ほど年収1000万円を超えているのは約5%だとお伝えしましたが、さらにその上となる年収2000万円を超えている人は、全体の約0.6%しかいません。出会えたら奇跡というくらい、レアな存在だということが分かります。

さて、そもそも年収というのは社会保険料や所得税などが引かれる前の額面をいうため、一体手取り額はいくらになるのか気になりませんか。奥さんが扶養範囲内か否か、子どもがいるか否かなどでも変わってくる手取り額ですが、各年収のおおよその手取り額について解説していきます。

年収1000万円の場合、社会保険料と住民税が年間約180万円、さらに所得税が100万円ほど引かれ、手取り額に換算すると700~780万円ほどになるといわれています。月収で計算すると約60万円という手取り額です。

次に年収2000万円の場合、社会保険料と住民税が年間約300万円、所得税に関しては350万円ほどが引かれ、手取り額に換算すると約1250~1350万円といわれています。月収で換算すると約110万円ということになりますね。

年収1000万円と年収2000万円で生活はどう変わる? 

先ほど説明した通り、年収1000万円と年収2000万円の手取り額を月換算すると約50万円の差があります。50万円ほどの余力があると、その生活レベルはグッと上がり、貯蓄もかなり増えるように思えますが、果たして本当にそうなのでしょうか。

まず住宅環境についてですが、例えば年収2000万世帯が月々40万円家賃の都心のタワーマンションに住み、年収1000万円世帯が月々15万円の郊外のアパートに住んでいるとします。それだけで約25万円の差が埋まることになりますよね。

次に教育費について、年収2000万円世帯がお子様の習い事や塾代に月々10万円ほどかけていたり、幼稚園からずっと私立に通わせたりしているうちに残りの25万円の差はいとも簡単に埋まっていくと想像できます。また、高収入であればあるほどお付き合いする方も高収入な方が多く、それなりに日々の交際費もかかってくると予想されます。

最初はかなりの差のように思えた50万円も、その年収相応の生活水準によってあっという間に埋まっていきます。一度あげた生活水準を元に戻すのは難しく、2000万円世帯がハイレベルな生活をしている一方で1000万円世帯が節約しながら生活を送っていたとすると、最終的な貯蓄額については逆転する可能性も出てきます。

年収1000万円だからといって油断してはいけない 

「年収1000万円」という年収は誰しもが憧れる年収です。しかしながら、年収1000万円だからといって、油断して派手な生活を送ると後で痛い目を見ることになります。

例えば年収1000万円ともなると、所得税も一気にあがっているのをご存じでしょうか。所得税額で比較してみると、年収1000万円世帯の所得税は約100万円なのに対し、年収600万円世帯はたった20万円です。1000万円と600万円は額面だけで見ると400万円ほどの差があるにも関わらず、手取り額で見ると250万円程度の差まで縮まってしまうのです。

またお子様が居る家庭においては、年収1000万円以上だと児童手当が満額貰えない、高等学校の授業料無償化が対象外などさまざまな国の制度を満足に使えなくなってきます。そのようなことを考慮すると、たとえ年収1000万円だからといって高級車にのったりタワーマンションに住んだりなど暮らしを派手にしてしまうと、後で痛い目を見るおそれも十分にあるのです。

誰しもが憧れる「年収1000万円」。その響きに踊らされることなく、油断せずに地に足の着いた生活を考えていく必要がありそうですね。


【参照】
国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2018/pdf/001.pdf)」

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