1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

ベテラン投資家もビックリ!米株式市場をにぎわす「ミレニアルズ投資家」の予想外な行動

LIMO / 2020年9月12日 18時45分

ベテラン投資家もビックリ!米株式市場をにぎわす「ミレニアルズ投資家」の予想外な行動

ベテラン投資家もビックリ!米株式市場をにぎわす「ミレニアルズ投資家」の予想外な行動

最近は500円程の少額から始められる株式投資アプリが増え、若者や資金の少ない人からも投資への関心が高まっているようです。

アメリカでは3月のコロナ禍の株価暴落をきっかけに、40歳以下のミレニアルズを中心とした投資家が急増しています。彼/彼女らは予想外の行動をとっては従来の株式投資家や専門家を驚かせているようです。

今回は、増えるミレニアルズ投資家の実態について探ってみます。

投資アプリの影響

アメリカでは投資への敷居が日本よりもさらに低くなり、ここ数年でミレニアルズや彼/彼女らよりもさらに若い投資家が増えています。

そのきっかけとなったのが、2013年に設立されたフィンテックスタートアップ”Robinhood Markets Inc.”が提供する「ロビンフッド」という、手数料など費用無料で少額投資が出来るアプリです。その後、大手投資会社でも同様のアプリを提供するところも現れ、株式投資がより簡単で手頃になりました。

そのロビンフッドの利用者がこのコロナ禍で急増しているというのです。米投資家向け情報サイトBARRON’S(※1)(https://www.barrons.com/articles/young-adults-turn-to-stock-trading-in-the-wake-of-the-markets-march-meltdown-51592001988)によると、利用者数が2020年に入って6月までに 300万人以上増加し、合計で1,300万人を上回る勢いだということです。

刺激を求めて投資を始める若者も

ロビンフッドの顧客平均年齢は31歳。このような若い人達が株式投資をはじめた理由はいくつかあるようです。

まずは、前述しているように手数料など費用が手頃になり、アプリの簡単な操作で売買ができることでゲーム感覚になったことが挙げられます。コロナ禍で株価が下がった事もあり、特に自粛に入ってからは時間を持て余したり、単調な毎日に飽きてスリルを味わいたいとデイトレードを始める人も多いようです。

またBARRON’Sでは、元々スポーツ賭博などのギャンブル好きの人々が、自粛でそういった賭け事が出来なくなってしまい、その代わりに投資を始めたという人も中にはいるようだと指摘しています。

どちらにしても、昔から若い人(とくに男性)は長い将来の間に取り戻せるだろうと、ハイリスクトレードの快感を味わう傾向があるため、気をつけないと大失敗を招く人も出てくるだろうとも警告しています(※1)(https://www.barrons.com/articles/young-adults-turn-to-stock-trading-in-the-wake-of-the-markets-march-meltdown-51592001988)。

今度こそチャンスを逃さない

また、何度も経済危機を経験しているミレ二アルズの中には、コロナ禍の株価暴落を「チャンス」と捉えて真剣に投資を始める人もいるようです。

米CNBCビジネスレポーターのコートニー・レーガン氏はCNBCに寄稿した記事(※2)(https://www.cnbc.com/2020/06/11/op-ed-why-millennials-are-investing-during-this-crisis-we-arent-going-to-miss-it-this-time.html)の中で、自らがそのミレニアルズグループの1人として、いま投資を始める背景について述べています。

レーガン氏の年代は2001年に大学入学するや否や起った9・11テロ事件の大混乱や、テックバブル崩壊、サブプライム金融危機など、経済危機を何度も経験してきました。そんな中で彼女たちは、アメリカ株式市場はいくら暴落しても必ず跳ね上がる強さがあることを学びました。

でも当時は、一晩で大企業さえもが潰れる程の経済危機への恐怖の方が強く、アメリカ経済の回復力の強さを信じられず、株式投資のチャンスを逃したとレーガン氏は述べています。

例えば彼女らが20代の時には、アマゾンはまだ古本のオンラインセールを始めたばかり、株価は10ドル以下でした。それが今や約3,000ドル。

彼女らにとっては、「コロナ禍の株価暴落こそ買いのチャンス」「今度こそはチャンスを見逃さない」という気持ちが株式投資の動機になっているようです。

航空株が買い時!?

このような新しい投資家の投資パターンはベテラン投資家とは違うようです。

例えば、多くの投資家から崇拝されるウォーレン・バフェット氏が航空株をすべて手放したというのに、それにつられて売りが増えて安くなった航空株をミレ二アルズは”買い時”と喜んで買っているというのです。

BARRON’S によれば、ロビンフッドでアメリカ航空株の保有者は3月に1万5, 000人でしたが、6月には60万人以上に増加したということです。株価は約2倍になっているというのだから驚きです。

とくに「モノより経験」を重視する旅行好きなミレニアルズにとって、航空会社には「馴染み」があるし、いずれまた自由に旅行出来るようになるだろうという期待と応援の気持ちが背景にあるようです。「馴染みのある会社から投資を」という意味では、初心者の基本に沿っているのかもしれませんが、専門家たちは予想外の行動に戸惑っているようです。

また、バフェット氏の判断さえ無視する彼/彼女らの投資情報収集は、ウォールストリートジャーナルや他の投資情報サイトなど定番の方法ではないのだそうです。TikTokやInstagramで見つけた面白そうなニュースや情報をSNSを通して交換したり、好きな業界専門情報サイトからトレンドを追うというやり方のようです。

コロナ禍の不景気でありながらも、ミレニアルズを中心に株式投資を始める人が増えるアメリカ。市場が好調なのもこのせいなのかという声もありますが、今のところはっきりとした証拠はないようです。それにしても、彼/彼女らの行動は従来の投資家や専門家達の調子を狂わせてしまうのではないでしょうか。今後の動きに注目したいです。

参考

(※1)BARRON’S “The Under-40 Set Discovers Day Trading”(https://www.barrons.com/articles/young-adults-turn-to-stock-trading-in-the-wake-of-the-markets-march-meltdown-51592001988)
(※2)CNBC “Why millennials are investing during this crisis — ‘We aren’t going to miss it this time’”(https://www.cnbc.com/2020/06/11/op-ed-why-millennials-are-investing-during-this-crisis-we-arent-going-to-miss-it-this-time.html)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください