「パラレルキャリア&複業」2つの新しい働き方の違い・メリットとは
LIMO / 2020年9月13日 12時35分
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「パラレルキャリア&複業」2つの新しい働き方の違い・メリットとは
働き方の多様化が少しずつ進み、副業を認める企業も増えてきました。そんな中、複数の仕事に携わる「パラレルキャリア」や「複業」という新しい働き方が注目されています。
筆者もそんな働き方を実践する一人です。平日週2日は正社員として勤務し、残り3日はフリーランスの編集者・ライターとして活動しています。
今回は、自身の経験談も交えつつ、パラレルキャリアや複業とはどんなものか、そしてどんなメリットがあるのかを順に解説していきます。
パラレルキャリア・複業とは?
「パラレル」とは英語で「平行・並行・並列」を意味する言葉です。つまり、パラレルキャリアとは複数の活動に並行して携わり、キャリアを築くことを指します。
実はこの言葉、経営学者のピーター・ドラッカー氏が著書『明日を支配するもの(https://www.diamond.co.jp/book/9784478372630.html)』の中で提唱したものです。彼は、一つの組織に依存して働くのではなく“第二のキャリア”にも時間や労力を費やすべきだと述べています。
パラレルキャリアにおいては、無償のボランティアや社会貢献活動など、必ずしも直接的な収入の有無を問いません。一方、複業の場合は「複数の仕事」という意味合いが強くなり、いくつかの収入源がある状態を指します。
このように、二つの言葉にはやや違いがあるものの、実際には同じような意味で使われることが多いでしょう。なお、複業は基本的にすべてが本業であり、本業+副収入のための仕事を行う「副業」とはその点で異なります。
では、パラレルキャリア・複業の具体的なメリットを見ていきましょう。
メリット①収入を守り、収入を増やせる
パラレルキャリア・複業の大きなメリットと言えば、収入源のリスク分散ができることではないでしょうか。先行き不透明な時代、どんな会社に勤めていても、どんな事業を手がけていても、安定・安泰が約束されることはありません。
投資の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。これは、一つのカゴにすべての卵を盛ると落とした時にすべて割れてしまうリスクを指していますが、働き方にも同じことが言えるでしょう。
複数の収入源を持っておけば、仮に一つの仕事を失った場合にも、いきなり収入がゼロになることはありません。
筆者自身も、コロナ禍の影響でフリーランスの仕事が減った時期があり、会社員としての安定的な収入のありがたみを痛感しました。リスク分散をしておけば、いざという時に家計的にも精神的にも助けられます。
そして収入源が増える分、収入を増やすこともできます。一つの会社で給料を上げるのは大変ですが、仕事の数を増やせば積み上げ式で収入も上がっていきます。自分が頑張っただけ収入アップに反映されることは、大きな手応えとモチベーションになるでしょう。
メリット②相乗効果が得られる
複数の仕事をしていると、一つの環境では得られないスキルが身につき、それぞれの仕事に相乗効果をもたらします。
筆者の場合、会社では紙媒体の編集、個人ではwebライティングの仕事が中心です。類似の仕事ではあるものの、この二つの視点の掛け合わせがとても有効で、それぞれに良い還元ができています。また、組織の中で得る経験と個人で得る経験は全く違うため、自分自身の総合的なスキルアップになっています。
この相乗効果は、どんな仕事を組み合わせても得られるものです。自分の関わる場が増えることで、思わぬ知識やスキルが別の仕事に活かせることも多く、それが面白いところかもしれません。
また、会社員とフリーランスを掛け持つ場合は、実質的なメリットもあります。会社員として社会保険・厚生年金などの利点を活かしつつ、個人での業務に必要なもの(書籍やセミナー代、通信費、家賃など)は「経費」として計上できるので、節税対策にもなります。確定申告の手間は必要ですが、いいとこ取りの賢い働き方と言えるでしょう。
メリット③人生が豊かに、自由になる
パラレルキャリアや複業なら「好きを仕事に」も叶えられます。週末だけのお店を開いてみる、アーティスト活動を始めてみる、地域のコミュニティを立ち上げてみる…。自分の夢を、小さな一歩から挑戦できるのです。
もし失敗しても、それほど恐れることはありません。なぜなら自分の「場」は一つではないからです。「これでは食べていけないから」と諦めていた夢も、「食べていくための仕事」と両立すれば、十分実現できる可能性があります。
あるいは、趣味や得意なことを少しずつ発信するうちに仕事に発展した!というように、才能が大きく花開くこともあるでしょう。
また、新たな人との出会いも増えます。関わる環境が増えれば、当然関わる人たちも増えるので、自然とご縁が広がっていきます。後に意外なところでつながったり、協力し合ったり、そんなところもパラレルキャリア・複業の魅力ですね。
最後に大切な点を一つ。それは「働く」を自分でコントロールできるようになることです。複数の仕事を掛け合わせ、会社だけに頼らない、オリジナルの生き方を選ぶことができます。
パラレルキャリア・複業にルールはなく、働く時間も内容も自由に調整できます。自分のペースに合わせて融通が利くため、時間を最大限使って収入アップを図るのもよし、ワークライフバランスを重視した生活をするのもよし。筆者はゆとりを持った今の働き方にシフトしてから、ようやく仕事と子育ての両立ができるようになりました。
「会社に行かなくてはいけない」という感覚から「自分が仕事を組み立てている」という感覚に変わることで、長い人生の幸福度が変わってくるのではないでしょうか。
さいごに
今回は大きく3つのメリットをご紹介しましたが、パラレルキャリア・複業という働き方には、他にも多くのメリットがあります。
もちろん仕事の数が増えれば大変なこともありますし、自己管理能力も求められます。ですが、それを上回るだけのメリットや魅力を感じて実践する人も増えています。
人生100年時代、一つの仕事で生きていく価値観が変わりつつあるのかもしれません。キャリアの築き方に正解はありませんが、新しい働き方の選択肢としてぜひ考えてみてはいかがでしょうか。
【参考】
『明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命(https://www.diamond.co.jp/book/9784478372630.html)』P・F・ドラッカー著、上田惇生訳 ダイヤモンド社
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