「知りたい!みんなのおこづかい事情」子どものマネー感覚をどう育てる?
LIMO / 2020年9月14日 11時45分
「知りたい!みんなのおこづかい事情」子どものマネー感覚をどう育てる?
子どもの頃、「自分のおこづかい」で好きなものを買うのがとても嬉しかった!という記憶は、多くの人が持っているのではないでしょうか。
同時に、親の立場になった今、おこづかいの渡し方や使い方のしつけに迷ったことある人も多いと思います。
おこづかいは子どもの金銭感覚を堅実に育てるための有効な手段です。お金は「与えられるもの」として過ごしていく子ども時代。お金の計画的な使い方を学んでおくことは、将来の堅実な金銭感覚が育むことにつながるでしょう。
「みんなはいくらもらってる?」イマドキのおこづかい事情。
子どもたちの大切な収入源おこづかい」。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/hist.html)」では、その金額の推移をみることができます。2019年のおこづかい金額の平均をみると、小学生で約1000円、中学生で約2500円、高校生で約6000円となりました。
みんなは何に使ってる?
次に、少々古めのデータとなりますが、2015年の「子どものくらしとお金に関する調査(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/pdf/15kodomo.pdf)」のアンケート結果もみてみましょう。金額以外の視点から、子どもたちのおこづかい事情をみることができます。
「おこづかい、何に使う?」
おこづかいの使い方は、小学生低~中学年ではお菓子やジュース、ゲームソフトやおもちゃ類が上位に挙がっています。小学生高学年になると、まんがや本・雑誌などが上位に続きます。中・高校生になると、友達との外食代や休日の交通費など、交友関係におこづかいを使うことが増えている印象です。
「おこづかいをもらえる“条件”ってある?」
また、おこづかいをもらう条件についてよく耳にするのは「成績が良かったらおこづかいをもらえる」という話。「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)では、中・高校生のおこづかいをもらう前提条件についても調査しています。
その結果「おこづかいをもらうのに何の前提条件もない」割合は中学生で74.2%、高校生約82.7%で、ほとんどが条件なくおこづかいをもらっていることがわかりました。
小・中・高校生はやはり学業がメイン。お金に触れる機会が少ないからこそ、金銭感覚を上手に育てていきたいですよね。
おこづかい制度から「子どもの金銭感覚」を育てる
子どもがお金の価値に気づいたとき、それは金銭感覚が育つよいきっかけとなるでしょう。彼らにとって、お金は「稼ぐもの」ではなく「与えられるもの」です。この段階で「なくなっらどうなるか」を味わっておくことは、「お金と品物を天秤にかける力」を育むことににつながります。
おこづかいが足りないときってどうしてる?
前述の「子どものくらしとお金に関する調査(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/pdf/15kodomo.pdf)」によると、「おこづかいが不足した経験がある」と回答した子どもは小学生で約40~50%、中・高校生で約50~65%。半数以上の子どもが「おこづかいの不足」を経験しているという結果でした。
そこで、同調査の「おこづかいが不足したときの対応」についてみてみると、小学生では「買いたいものをがまんする」が約50~60%と最も多く、次に「お手伝いをしておこづかいをもらう」が約20%でした。一方で中・高校生では「次のおこづかいまでがまんし、節約する」が約40%、次に「貯めていたおこづかいやお年玉などのお金を使う」が約20%という結果でした。
やりくりが上手くいかず、お金が足らなくなることも、ときにはあるでしょう。そこで「次からは使い方を工夫しよう」「無駄遣いが多かったかも?」といった振り返りは、大人同様、子どもにとっても必要なステップだと考えられます。おこづかい制度は、親がマネー教育を行ううえで、とても有効な手段でしょう。
「お金の見える化」
キャッシュレス化が進む今、子どもたちが「お金の価値」を上手にイメージできる機会が減少してきている、と感じる人も多いのではないかと思います。
お金の流れが目に見えづらくなっています。「使うと減る」といった実感や、「自分が買い物をしている」といった当事者意識がさらに薄れていくことも考えられますよね。
我が子を金銭感覚が未熟な大人しないために、おこづかい制度や、日頃の親の消費行動を通じて、「お金の見える化」を心がけてみることをオススメします。
「金銭感覚を育てる」家族の会話
「お金の見える化」の一つとして、家族間でお金の考え方を共有することも。前述の「子どものくらしとお金に関する調査」では、家族間の会話との関係についても調査しています。たとえば、将来の夢や仕事、お金に関する話題について家の人と「ほぼ毎日話をする」回答者は、堅実な金銭感覚をもつ傾向がある、という結果がでています。
また、定期的な貯蓄と「おこづかいの使い方について計画を立てている」「おつりをもらったら確認している」「レシートをもらったら、金額を確認し、持ち帰っている」割合の高さとの関係もありました。一方で「お金はもらっているが、貯めていない」人は、「『欲しい』と思ったものすぐに買ってしまう」割合が高いという結果が出ています。
つまり、子どもと将来やお金の話題を共有したりお金の使い道についての計画を立てたり、イメージをもって「お金の見える化」を日常的に行うことは、貯蓄にも関係しているということでした。「将来の夢」や「将来つきたい仕事」の話題が、堅実な金銭感覚を育てるきっかけになることが考えられます。
将来を見据えた金銭感覚を育てるために
「お菓子やおもちゃを買いたいから」「友達と遊ぶから」など、子どもたちがおこづかいを楽しみに待つ理由はたくさんあります。
親の側は「いくら渡すか」だけではなく、「何に使っているのか」「不足したらどんな工夫をしているのか」までを意識していくことが大切なのかもしれません。
おこづかいの渡し方や管理の工夫、そして、家庭内でのコミュニケーションを通じて、我が子の将来につながる金銭感覚を育てていきたいですね。
【参考】
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/hist.html)」金融中央広報委員会
「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/pdf/15kodomo.pdf)」金融中央広報委員会
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