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経済力がなく離婚できなかった母〜いがみ合って年老いた両親を見て思う夫婦のあり方

LIMO / 2020年9月16日 11時0分

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経済力がなく離婚できなかった母〜いがみ合って年老いた両親を見て思う夫婦のあり方

来週の月曜日は敬老の日。翌日の秋分の日も含め土日祝日の4連休になります。何事もなければ手土産などを持って親に会いに行く家庭も多かったと思いますが、今年は気軽に訪問できない状況です。

実家から遠く離れた街に住んでいると「もう何回も会えないのではないか」と思う一方、足を運ばない期間が長くなるにつれ、実家の父母の夫婦としての道のりや老後のあり方に思い巡らせることはないでしょうか。

ケンカばかりの父と母を見て膨らんだ結婚への疑問

結婚すると自分の両親をお手本にすることがあると思いますが、筆者の場合は完全に反面教師にしています。それぞれの親類が持ち込んだお見合いで結婚した父と母ですが、何もかも合わない夫婦でした。

意気地がないのに家では亭主関白な父と、それに言葉で歯向かう母は連日連夜ケンカばかり。父が暴力をふるい母が言葉で言い返すと、父は包丁を持ち出して脅すこともありました。「子どもが穏やかに過ごせるのは父がいない時」という、お世辞にも幸せな雰囲気の家庭とは言えませんでした。

母はよく「後先考えずお見合いなんてするんじゃなかった」と、親類に騙されたアピールをしていました。そういう中で育つと、幼少期から結婚への疑問が湧き上がってきます。

「なぜ結婚したのだろうか」「どうして2人はここまでいがみ合っているのだろうか」…。居心地が悪いまま結婚生活を続ける両親に不信感が募り、結婚に対してネガティブなイメージを抱くように。大人になってから分かりましたが、筆者だけではなく兄弟姉妹も同じような感情を抱いていたようです。

経済的な理由や世間体を気にして離婚に踏み切れない母

筆者が子どもの頃は、世間体を気にして離婚に踏み切ることのできない人が多かった時代ですが、実の両親のいがみ合いを見ていて「どうしてお父さんと別れないの」と母に問いかけたことがあります。

母の実家は田舎ということもあり「出戻りは恥」と考えている節はありました。それ以上に問題だったのは経済力です。そこまで稼ぎが多くはない父でしたが「誰のおかげで生活できていると思っているのか」とパート勤務の母を罵倒することもありました。

今思い出しても情けないくらい心の小さな父ですが、子どもを養うだけの経済力が母にはなかったのです。泣き寝入りする状態で夫婦生活を続けていくのを見ると「なぜあんな男と結婚したのだろうか」と思うと同時に、いざとなった時に自由を手に入れるためには経済的に自立できることが必要だと子供ながらに学びました。

しかし、そうこうするうちに父の家庭内での位置づけが徐々に下降していったのです。

父の暴力も加齢とともに効果をなくし立場逆転

筆者達が成長し、父と母のケンカの仲裁に入ることが増えると立場は逆転。力で敵わなくなってきたと感じた父の暴力は激減し、代わりに積年の恨みを晴らすべく母の言葉攻めが増えていきます。

長い年月の中で家庭内の立ち位置が変わっていくのを目の当たりにし、力で制圧させることの限界と力に頼るとまともな夫婦関係を築くことはできないことを痛感しました。母の気持ちも分からないではありませんが、嫌味の連続は聞いている周りの人間にとって喜ばしいものではありません。

現在、父は延ばしに延ばした退職後、全くの無趣味であるため1日中家で過ごす日々を送っています。そして、図書館や映画館に出かける母に電話をかける嫌がらせを始めました。

それ以外何もやることのない父は老け込み、母は一緒にいたくないので外出を続ける。筆者は、その愚痴を母から延々と聞かされるため、「子育てで忙しいから」と電話を切り、普段は距離を置くようになりました。

消耗させ合う夫婦生活を続けてきた筆者の両親は老境に入り、お互いを「生活を維持するための同居人」だと思っている様子。子の立場から見ると、理想的な老夫婦とはほど遠い状態です。

家庭内の現実は外から見てもわからない

今、筆者が毎日平穏に過ごせるだけで「幸せな家庭」だとありがたく思えるようになったのは、こうして驚くような反面教師ぶりを発揮してくれた両親のおかげと言えるのもしれません。

ある時、夫が自分の父母に関して「俺が子供の頃、派手にケンカすることもあったよ」と教えてくれることがありました。「あの温和なお義父さんが包丁出してきたり取っ組み合いのケンカとかしたの?」と返すと、「えっ?」と私の経験を察したのか、途端に顔を曇らせました。

その様子を見て「普通の家ではあのレベルの夫婦ケンカは起きないのだ」と悟ったのです。外からは各家庭の本当の姿が見えることはありません。表面的な様子とのギャップについていけないだろうと、最近では夫に子どもの頃の暗い想い出を語ることを控えています。

離婚するタイミングを逃し、かといって改善させようとお互いに向き合わなかった両親は、残りの人生をどのような思いを抱いて過ごしていくのか実の娘である筆者も分かりません。

感謝し、尊敬し合える関係を築ければ老後も円満

縁あって結婚をした夫婦でも、山あり谷ありの人生を共に歩むには覚悟が必要です。昔より寿命は長くなり、「人生100年」とも言われています。晩婚化とはいえ、長寿で夫婦一緒に過ごす時間は長くなる傾向にあります。

いがみ合うだけでは何の解決にもなりません。人生を豊かにするためにも、夫婦関係のこじれを先延ばしにしないことが大切です。パートナーに感謝し、尊敬しあえる関係は夫婦円満のカギ。老後も穏やかな関係を続けていきたいですね。

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