コロナ禍で生活が苦しい人のための救済制度5選〜家賃、保険料、子育て負担など
LIMO / 2020年9月17日 20時15分
コロナ禍で生活が苦しい人のための救済制度5選〜家賃、保険料、子育て負担など
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が長引き、先行きが不透明な状況が続いています。総務省統計局が2020年9月1日に発表した「労働力調査」によると、7月時点で完全失業者数は6カ月連続で増加しているそうです。
そんな中で、家計が苦しい方も少なくないと思いますが、1人10万円の特別定額給付金以外にもさまざまな救済制度が用意されていることはご存知でしょうか。今回は意外に知られていない、コロナ禍で役立つ制度を紹介していきます。
① 家賃が払えない!そんなときには「住居確保給付金」
収入が減少し、家賃の支払いにさえ困っているときには「住居確保給付金」という制度が利用できます。対象要件は以下の通りです。
離職・廃業から2年以内、または休業など個人の責任によらず就労機会が減少したこと(保育園に預けられない子どもの面倒を見るなどのやむを得ない事情で休業されている方も対象)
直近の世帯収入合計額が、各市区町村が定める収入基準額以下
世帯全員の預貯金合計額が、各市区町村が定める金額以下
誠実かつ熱心に求職活動を行うこと
これら全てに該当する場合には、市区町村ごとに定める額を上限に、実際の家賃額を原則3カ月間(延長は2回まで最大9カ月間)支給されます。対象要件の具体的な金額や支給上限額は、お住まいの市区町村によって異なるので、家賃の支払いに困っているという人は、まずは市区町村の担当窓口で相談してみましょう。
② 休校で仕事ができなかったときには「小学校休業等対応支援金」
新型コロナ対策による小学校等の臨時休業等で、仕事を休まざるを得なくなった保護者へは「小学校休業等対応支援金」が用意されています。対象は「委託を受けて個人で仕事をする保護者」となっており、もともと2020年2月27日~6月30日の間の休暇等が対象だったものですが、その対象期限が9月30日まで延長されました。
支援金の支給額も、就業できなかった日について1日あたり4,100円から7,500円に引き上げられています。給付の申請期限は2020年12月28日となっているため、まだ申請していない人は早めに申請を済ませましょう。
③ ひとり親世帯臨時特別給付金で負担軽減
ひとり親世帯では、コロナ禍による子どもの休校や収入の減少など、子育ての負担が増加している家庭も少なくありません。そのような家庭への救済措置として「ひとり親世帯臨時特別給付金」が設けられています。給付金には基本給付と追加給付があり、それぞれの概要は図表1の通りです。
それぞれの支給額や対象者、給付金をもらうための申請の要否などは条件によって異なるので、厚生労働省サイト「ひとり親世帯臨時特別給付金(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11456.html)」で支給対象者の要件をよく確認しておくと良いでしょう。
④ 国民年金や国民健康保険料の減免も可能
国民年金や国民健康保険の保険料も、新型コロナの特例対応として免除や猶予、減額が認められる場合があります。
国民年金と国民健康保険のいずれにしても、保険料の減免を受ける場合には申請が必要なので、新型コロナの影響で2020年の収入が減少している方は、市区町村の担当窓口や年金事務所に相談してみましょう。
なお、保険料の減免が認められた期間の保険料をすでに納付している場合は、納付した保険料が還付されます(国民年金の場合は、納付したままにするか還付にするかは選択することが可能です)。
⑤ 公共料金の支払い猶予も検討してみて
新型コロナによる外出自粛等の影響により、電気・水道・ガス等の支払いが負担になっているご家庭もあるかもしれません。どうしても支払いが厳しいときには、公共料金の支払い猶予も可能です。
たとえば、東京都水道局は、2020年3月24日から新型コロナの影響で収入が減った人を対象に、最長4カ月水道料金の支払いを猶予する対応を取っています。
そのほかの電気・水道・ガスなどの事業者に対しても、今年3月に経済産業省は「生活不安に対応するための緊急措置」を踏まえた柔軟な対応を取るよう要請を出しているので、支払いが厳しいときは契約している事業者に連絡してみましょう。
この措置は、あくまで「免除」ではなく「猶予」なので、あとから支払う必要がありますが、収入が確保できるまで支払いを猶予してもらえば、家計を立て直しやすくなりますね。
おわりに
本来、このような生活に困っている人を助ける制度は、誰でも簡単に情報へアクセスでき、利用できる状態が理想だと思いますが、残念ながら自分で情報を得る努力をしないと、なかなか把握しにくいのが現状です。
制度の内容や手続き自体がわかりにくいこともあるので、悩んだときには1人で抱えず、すぐに公的機関や相談窓口に相談してみましょう。早く行動すればするほど、状況の改善に一歩近づけるのではないでしょうか。
【参考資料】
『労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)7月分結果(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html)』(総務省統計局)
『住居確保給付金 制度概要(https://corona-support.mhlw.go.jp/jukyokakuhokyufukin/index.html)』(厚生労働省)
『新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金の上限額等の引上げ及び対象期間の延長について(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11844.html)』(厚生労働省)
『新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/0430.html)』(日本年金機構)
『新型コロナウイルス感染症に係る国民健康保険税の減免(https://www.city.inagi.tokyo.jp/smph/kenko/kokuho/covid19_kokuhogenmen.html)』(稲城市)
『新型コロナウイルスの感染拡大に伴う水道料金・下水道料金のお支払い猶予について(https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/press/h31/press200319-02.html)』(東京都水道局)
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