退職金の制度がない会社の割合は、どれくらい?退職金に頼らない「老後資金の作り方」

LIMO / 2020年9月18日 20時45分

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退職金の制度がない会社の割合は、どれくらい?退職金に頼らない「老後資金の作り方」

退職金制度は、日本に長く定着してきた仕組みです。だれでも、「退職金ってどのくらいもらえるのかな」と1度は考えたことがあるのではないでしょうか。

退職金の金額は近年減少傾向が続いています。そもそも退職金支給は企業の義務ではなく、中小企業のなかには退職金制度そのものがない場合もあります。

退職金制度がない会社の割合は

厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaiyou03.pdf)(2018年)によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業は全体の80.5%です。企業規模別に退職給付制度がある割合を下記に記載します。

企業規模別の退職給付制度がある企業

1,000人以上:92.3%

300~999人:91.8%

100~299人:84.9%

30~99人:77.6%

企業規模別の退職給付制度がない企業

1,000人以上:7.7%

300~999人:8.2%

100~299人:15.1%

30~99人:22.4%

企業規模が小さくなるほど、退職金制度がない割合が増えています。自社に退職金制度があるかどうか、確認しておきましょう。

退職金はどのくらいもらえるのか

同資料をもとに、実際の退職給付額を学歴別・退職事由別にみていきましょう。(グラフ参照)

(/mwimgs/f/0/-/img_f0fc56cbebbe45d59d2226d6f3c8570d40287.png)

拡大する(/mwimgs/f/0/-/img_f0fc56cbebbe45d59d2226d6f3c8570d40287.png)

「退職者1人あたりの平均退職給付額」(厚生労働省の資料をもとにLIMO編集部作成)

退職金は早期優遇がもっとも多く、大学・大学院卒の場合は自己都合退職を除いて2,000万円前後が支給されています。

2019年には、いわゆる”老後2000万円問題”が大きな注目を集めましたが、退職金をしっかり受け取れる大卒の人は老後資金に過剰な不安を抱く必要はないのかもしれませんね。とはいえ、住宅ローンを定年までに完済できない場合や、老後にどんな生活をしたいのかによっても状況は変わってきます。

退職金が年々減少していることを考慮すると、企業に退職金制度がある場合でもできるだけ早いうちに概算額を把握して、予想より少ない場合は早期から対策を講じておく必要があるでしょう。とくに、自社で退職金を用意する仕組みの会社が倒産すると、予定していた退職金の一部がもらえない可能性も出てきます。

退職金が出ない場合は…

退職金制度が自社にない場合は、自分で老後資金を用意しなくてはなりません。会社に財形貯蓄制度があれば、ぜひ利用しましょう。財形貯蓄制度とは、企業が給料からの天引きで強制的に貯蓄をしてくれる制度です。一方、国が制度を整えているiDeCoもおすすめです。

iDeCoとはどんな仕組みか

個人型確定拠出年金iDeCoは、確定拠出年金法に基づく個人で作る私的年金です。基本的に、20歳以上60歳未満のすべての人が利用できます(2022年5月から、国民年金被保険者であれば65歳までiDeCoに加入できるようになります)。加入は任意で、掛け金を毎月支払って金融商品を購入し、自分で運用しながら老後資金の形成を目指します。

iDeCoのメリットは

iDeCoの最大のメリットは、税制上の優遇措置が受けられることです。主な特長は以下の3つです。

    掛け金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が安くなる可能性があります。

    運用益が非課税で、再投資の原資に加算されます。

    給付金を受け取る際に退職所得控除や公的年金等控除が利用できます。

2018年からは掛け金の年払いにも対応しており、ボーナス払いなど自分にあった柔軟な支払いができるようになっています。

購入できる金融商品は

iDeCoで購入できる金融商品は、元本確保型商品と投資信託の2通りです。投資信託とは、株式や債券などの運用をプロに委託する投資の方法です。元本確保型商品には定期預金や保険商品などが含まれます。

何歳から受け取れる

iDeCoは原則として60歳までお金を引き出せない仕組みで、60歳以降に老齢給付金を一時金あるいは年金として受け取れます(※2022年4月からは、受給開始時期の上限が70歳から75歳に引き上げ)。

受給開始時期は加入期間によって異なり、60歳から受け取れるのは加入期間が10年以上の人のみです。加入期間が1月以上2年未満の人は65歳以降に受給できます。

iDeCoのデメリットは

iDeCoの主なデメリットを紹介します。

    原則的に途中解約ができず、1度契約すると60歳までお金を引き出せません。2022年に法改正が行われて、外国籍を持つ加入者が帰国する場合に一定の条件を満たすと、脱退一時金の受給が認められるようになります。

    運用商品のなかには、元本が確保されていないものもあります

    運用に手数料がかかる場合があります。

    所得のない専業主婦などでは所得控除の恩恵を受けられません。

退職金制度がない会社に勤めている場合、「老後資金をどうしよう」と焦る人もいるかもしれません。今は終身雇用が保証されていない時代ですので、条件の良い会社に転職したり、投資による資産形成にチャレンジしたりするのも1つの方法です。老後資金に不安を感じる人は、iDeCoの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考

「平成30年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)制度」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaiyou03.pdf)厚生労働省
「イデコの特徴」(https://www.ideco-koushiki.jp/guide/index.html)iDeCo公式サイト
「掛金年単位拠出の考え方|INDEX iDeCoのご案内」(https://www.ideco-koushiki.jp/library/index.html#archive_cateogry_cat)iDeCo公式サイト
「年金資産の受け取り(給付)について|加入者の方へ」(https://www.ideco-koushiki.jp/join/index.html#provision)iDeCo公式サイト
「2020年の主な法改正」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2020kaisei.html)厚生労働省

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