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老後の生活費と年金額、みんなはいくら?「老後の収入を増やす」3つの方法

LIMO / 2020年9月19日 18時45分

老後の生活費と年金額、みんなはいくら?「老後の収入を増やす」3つの方法

老後の生活費と年金額、みんなはいくら?「老後の収入を増やす」3つの方法

老後の生活費はどのくらいあれば安心なのか。年金はいくらもらえるのか。気にならない人はいないでしょう。

そこで、総務省が発表している家計調査から、老後の生活費の平均額と公的年金の金額を比較して、不足分はどのくらいなのか、どのようにして補ったらいいのかをご提案してみたいと思います。老後の不安を少しでも和らげるために、今からできることを検討してみましょう。

老後の生活費はどのくらい?

総務省の家計調査から二人以上の無職世帯(年金,恩給,仕送り金,保険取金,財産収入等により家計を営んでいる世帯)の1カ月間の収入と支出を表にしてみました。

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拡大する(/mwimgs/8/0/-/img_80eb31519fb493788fcc5ad3872bc3d429030.png)

出典:総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」(2019年)を元に筆者作成

夫婦二人分の年金を主な収入源と想定して月に約24万円、これに対し支出は約27万5,000円となるので、約3万5,000円足りないことになります。この統計では年金以外の収入も含んでいるので、単純に年金だけにするとおよそ8万円の不足となります。

年金はいくらもらえる?

実際に年金をどのくらいもらっているのか、現在受給している人の公的年金の平均年金月額を見てみましょう。

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拡大する(/mwimgs/4/0/-/img_40cdd56f0ac9d0040e10992eb6875e988194.png)

出典:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」(2018年度末)を元に筆者作成

夫が厚生年金、妻が国民年金と仮定すると、夫婦で約20万円となり、先ほどの家計調査の年金収入とほぼ一緒となりました。年金だけで生活していくとなると、およそ8万円不足することがわかりましたが、夫婦が二人とも厚生年金であれば、30万円近い収入となり問題なく生活できます。

一方で、国民年金だけの場合は、約5万6,000円となり、65歳以上の単身者の生活費の平均が約14万円(※)なので、非常に厳しいといえます。

※総務省 家計調査 家計収支編 単身世帯(2019年)より

老後の収入を増やす方法

老後の収入を増やす方法は、大きく3つあります。

    年金額を増やす

    老後も働く

    貯蓄を取り崩す

1.年金額を増やす

年金は公的年金だけでなく、私的年金もあります。私的年金は公的年金の上乗せの給付を行うものです。自営業者などの国民年金第1号被保険者が加入できる「国民年金基金」iDeCoの愛称で知られる「個人型確定拠出年金」、会社員が加入できる「企業型確定拠出年金」「確定給付企業年金」「厚生年金基金」、民間の保険会社が販売している「個人年金保険」も私的年金になります。

中でも個人型確定拠出年金iDeCoは誰でも加入でき、税制上のメリットが大きいため、早いうちから入っておくと、長い期間、掛金分の所得控除を受けられるので検討してみてはいかがでしょうか。

また、上記以外では、国民年金第1号被保険者が対象となる「付加年金」で年金の上乗せができます。これは付加保険料400円(月額)を毎月の保険料に上乗せして払うと、その払った月数×200円が年金額に上乗せされる制度です。

つまり、これまで払った付加保険料の半分の金額が毎年年金額に上乗せされるというわけです。これは年金をもらっている期間ずっと支給されるので、国民年金だけでは心もとないという人こそ利用してほしい制度です。(国民年金基金と併用はできません

2.老後も働く

当然といえば当然ですが、国の制度も長く働くことでメリットが受けられるように変わってきています。

「在職老齢年金」は厚生年金を受給しながら、仕事を続けて厚生年金保険の被保険者となっている場合に、もらっている給料と年金の額によっては、年金の全部あるいは一部が支給停止となる制度です。

現在は60歳から64歳までの人が月給(総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計)28万円を超えて働くと、年金の全部または一部が支給停止となりますが、2022年4月からはこの基準が47万円に引き上げられる予定です。

月給が47万円以内であれば、給料も年金も全額受け取れるわけですから、働くモチベーションが上がりますね。ちなみに65歳以上の人は現在もこれからも月給47万円が支給停止の基準となっています。

もう一つ、老後も働き続ける人が検討してほしい制度が、「老齢年金の繰下げ受給」です。これは65歳からの年金受給を66歳以降に繰下げて受給すると、年金額が増額される制度です。

現在は繰下げられる年齢は70歳までとなっていますが、2022年の4月から75歳まで繰下げられるようになります。繰下げによって増額される率は、0.7%×繰下げた月数分となるので、仮に70歳まで繰下げると42%の増額率となります。

42%というのは、たとえば月15万円の年金額の人であれば、月21万3,000円に増額され、これが一生続くのです。このように、老後も働き続けることによって、年金をもらう時期を後ろ倒しにすればするほど、年金額が増える仕組みとなっているので、これも長く働くモチベーションとなります。

3.貯蓄を取り崩す

これは、できれば最終手段としてとっておきたい方法ですが、先述の生活費と年金額の差を見ると、貯蓄を取り崩して生活することは避けられないように思います。そのために、現役時代に貯蓄に励んだり、投資で少しずつ増やしたりすることが大切になります。

100歳どころか150歳まで生きても使いきれないくらい貯蓄がある人は別ですが、多くの人は貯蓄の取り崩しに抵抗があると思います。そこで、まずは私的年金制度などを利用して年金額を増やす努力をしてみて、それでも年金が足りない時に貯蓄を取り崩すと考えて、つみたてNISAなどを活用して老後資金を貯めるとよいでしょう。

年金はいくらもらえたら安心なのか、その答えは生活費と同じ額もらえたら問題ないわけです。夫婦二人暮らしであれば、24~28万円ほど、一人暮らしであれば、15万円ほどとなりますが、公的年金だけでは厳しいのが現実です。

そこで、(1)私的年金を利用して年金額を増やす、(2)できるだけ長く働き年金以外の収入を得る、(3)老後資金を貯めておく、この3つの中から(全部できれば尚よいですが)今からできることは何かを考え、老後を見据えた計画を立てておきましょう。

参考

「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-2 世帯主の年齢階級別 二人以上の世帯・勤労者世帯・無職世帯 年次 2019年」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&result_back=1)総務省統計局
「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2019年」(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20190&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330022&tclass3=000000330024&result_back=1)総務省統計局
「厚生年金保険・国民年金事業年報」(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/gaiyou.html)厚生労働省
「付加保険料の納付のご案内」(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150331-03.html)日本年金機構
「在職老齢年金について知りたい」(https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/13.html)公益財団法人 生命保険文化センター
「年金の繰下げ受給」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-02.html)日本年金機構

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