コロナでため息が増加⁉老後の不安「お金」「介護」を抑えて1位とは
LIMO / 2020年9月19日 20時45分
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コロナでため息が増加⁉老後の不安「お金」「介護」を抑えて1位とは
「年はとりたくないものだな」なんて会話も交わされますが、みな平等に年齢を重ねていくもの。2019年には65歳以上の高齢者が3,588万人と前年(3,556万人)に比べて32万人増加し、過去最高となりました。
日本における総人口に占める割合は28.4%です。さらに、2025年には30%にも達すると予想されています。
老後の暮らしについて不安がある人も少なくないでしょう。そこで、2019年10月にセコム株式会社が調査した「老後の不安に関する意識調査(https://www.secom.co.jp/corporate/release/2019/pdf_DL/nr_20191218.pdf)」を参考にして後悔しない老後の受け入れ方を考えてみましょう。なお、今回の調査対象は全国の20代以上男女500名です。
老後の不安は1位「病気・ケガ」2位「お金」3位「介護」
「老後に不安を感じるか?」という質問をしたところ、「感じる、または感じた(41.8%)」「どちらかというと感じる、または感じた(45.4%)」という結果になりました。
二つの回答を足すと全体の87.2%が老後に不安を感じており、セコム株式会社が2012年に調査を始めて以来、過去最高でした。とりわけ、女性は老後に不安を感じている割合が高く、20~60代以上の全世代で90%を超えています。
それでは、具体的に老後の不安の理由を見ていきましょう。
老後に不安を感じること
1位:病気やケガなどの健康不安(72.2%)
2位:経済的な負担に関する不安(71.8%)
3位:介護に関する不安(52.8%)
4位:自然災害で逃げ遅れる不安(29.6%)
5位:自宅で階段や風呂などでの転倒事故の不安(25.5%)
6位:人間関係・近隣トラブルの不安(21.8%)
7位:犯罪に巻き込まれる不安(20.0%)
8位:交通事故に巻き込まれる不安(19.0%)
9位:交通事故を引き起こしてしまう不安(逆走など)(17.9%)
10位:火災で逃げ遅れる不安(12.4%)
上記は、「最もあてはまるもの」と「あてはまるもの」を足した数値です。多くの人が、病気やケガ、お金のことで不安を抱えていることが分かります。この調査は2019年のものですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大した2020年はさらに健康面での不安が増えているかもしれません。
年齢を重ねていくにつれ、「思うように体が動かなくなってきた」「若いころとは違うな」ということを実感しますよね。自分の祖父母や両親などの変化を見て、不安が強くなった人もいるかもしれません。
また、「年金制度が崩壊しつつあるのでは?」とささやかれる中で持ち上がった「老後2000万円問題」も忘れることができません。あくまでも一つのモデルケースの平均不足額から導き出したものであり、必ずしもすべての人に当てはまることではありませんが、「老後の備えは着実にしておかないといけないな」と身を引き締めた人も多いのではないでしょうか。
不安の理由は「どのような対策をとったらよいか分からないから」
老後の不安をあおっているのは、「どのような対策をとったらよいのか分からないから」というもの。「老後に備えた対策をしていない(57.6%)」のうち、半数を超える人が「老後に備えた対策をしたい気持ちがあっても具体的に何をしたらよいか分からない」と回答しています。そのため、ただただ不安が積み重なっているようです。
一方で、対策をしている人は、「定期的な健康診断や人間ドックを受診する」「貯蓄をする」がそれぞれ54.2%でトップでした。たしかに闇雲に不安がるよりも賢明な判断でしょう。健康を気遣って運動をしたり食生活を見直したりするのはよいことですし、老後から逆算して何歳までにいくら貯めておこうと考えるのは大事です。
多くの人は認知症になることを恐れている
定期的な健康診断や人間ドックの受診を行っている人は少なくありませんが、不安の大きな要素になっているのが、「認知症」です。自身が認知症になるかもしれないという不安だけではなく、両親や配偶者などが認知症になるのではないかと不安になっている人が多いようです。
66%の20代男女は、家族が認知症になるのではないかと不安を感じています。自身がまだ若くとも危惧をしているわけですね。不確実な未来のことを考えても仕方ないかもしれませんが、何かあったときに最善の選択はしたいものです。
もし認知症になったら、「病院に通い、認知症の進行を遅らせる」「認知症の改善に努める」「老人ホームに入居する(入居させる)」という回答が多くありました。
こういった通院費や老人ホームへの入居費などを捻出するためにも十分な備えは必要だというわけですね。
おわりに
老後の不安としてあてはまるものの1位は、病気やケガなどの健康不安でした。しかし、最もあてはまるものとして選ばれたのは経済的な負担に関する不安です。
年金制度が崩壊したともいわれる現在において、どのくらいの貯蓄があれば老後に貧しい暮らしをせずに済むのか不透明でしょう。とはいえ、不安がるだけでは何も解決しません。少しずつでもよいので、健康やお金について考えてみましょう。今回がそのきっかけになれば幸いです。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
【参考記事】
「老後の不安に関する意識調査(https://www.secom.co.jp/corporate/release/2019/pdf_DL/nr_20191218.pdf)」セコム株式会社
「高齢者の人口(https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1211.html)」総務省統計局
「『老後2000万円』と年金100年安心」(くらし☆解説)(https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/369718.html)」NHK
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