不正で冷水、でもキャッシュレス決済の特典は魅力的? どう使い分ける?
LIMO / 2020年9月25日 18時0分
不正で冷水、でもキャッシュレス決済の特典は魅力的? どう使い分ける?
2020年6月末をもって、9カ月間続いた「キャッシュレス・消費者還元事業」は終了しましたが、この期間中にポイント還元の恩恵を受けようと、キャッシュレス決済を始めてみた、もしくはキャッシュレス決済の種類を増やしたという人は多かったのではないでしょうか。
しかし、今月に入って「ドコモ口座」を発端とした不正引き出し問題が明るみになり、キャッシュレス決済のセキュリティへの関心は、これまで以上に高まっていると言えるかもしれません。とはいえ、キャッシュレスでの支払いが私たちの日常生活に根付いたものになりつつあることも事実でしょう。
そこで今回は、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など多種多様なキャッシュレス決済が、日常生活でどのように使い分けられてられているのかを、最新の調査データで見ていきたいと思います。
支払い金額の割合は、クレジットカードが現金を抜いてトップに
まず、マーケティングリサーチ企業のイプソス株式会社が毎月行っている「キャッシュレス決済マンスリー調査」を見てみましょう。
すると、2020年6月時点での支払い金額の割合は、現金(38.9%)、クレジットカード(43.2%)、QRコード決済(10.8%)、電子マネー・プリカ(5.1%)、デビットカード(2.0%)で、クレジットカードでの支払い金額の割合が最も高いことがわかります。
一方で、月平均の支払い回数を見てみると、現金(11.7回)、クレジットカード(7.5回)、QRコード決済(5.5回)、電子マネー・プリカ(6.8回)、デビットカード(4.4回)となっています。
つまり、日常生活の中ではまだまだ現金で支払う機会はそれなりにあるものの、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済を「キャッシュレス決済」として括って考えると、キャッシュレス決済はかなり日本社会に浸透してきていると言えそうです。
特に、キャッシュレス決済手段として長く利用され続けているクレジットカードが、新たなキャッシュレス決済手段がどんどん登場している現在においても、大きな存在感を持っていることがわかります。
ポイント還元などの優遇に着目し、決済手段を選択
少し前までは「クレジットカードは使えるけれど、QRコード決済は使えない」というようなお店が多かったのですが、最近では多くのお店が、顧客取り込みのために各種キャッシュレス決済に対応しています。
そのため「お店によって支払い方法を変える」という必要性はさほどなく、「ポイント還元などの優遇を受けられるもの優先で利用する」という使い方をしている人が多いのではないでしょうか。
今年6月、決済関連の事業開発を行う株式会社インフキュリオンが実施した「キャッシュレス決済利用の変化」に関する意識調査においても、キャッシュレス決済を利用したい理由(複数回答)として、「支払いが早く済むから(54%)」に次いで、「ポイントなどの特典が有利だから(48%)」という理由が上位に挙げられました。
筆者自身も、クレジットカードにデビットカード、Suica、PASMO、d払い…といろいろなキャッシュレス決済を利用していますが、このようにポイントのお得さを考えながらその都度利用する支払い方法を選んでいます。
無駄遣い防止には電子マネーやQRコード決済を活用
とはいっても、キャッシュレス決済の種類によっては、使用する場面が限定される場合もあります。
たとえば、電子マネーのチャージ上限額は、Suicaで2万円、nanacoで5万円です。家電や大きめの家具などを購入する場合は、購入金額が10万円を超えることもあるので、そのような場合での支払いは、ほぼクレジットカード一択になってくるでしょう。
しかし、それは言い換えれば、電子マネーやQRコード決済は自分で支出をコントロールしやすいということでもあります。
筆者は以前、某百貨店で行われていた国内ワインの試飲販売会に足を運んだ際に、いろいろと試飲した結果欲しいワインが多すぎて、当初の想定以上に買い込んでしまったことがありました。
その反省を踏まえて、同じ百貨店で国内外のクラフトビールを広く集めた販売会に足を運んだ際には、クレジットカードを持たずに、一定金額をチャージしたSuicaだけを持っていくことで、何とか煩悩に打ち勝つことができた…という経験があります。
このように趣味への使いすぎや無駄遣いに悩んでいる人は、電子マネーやQRコード決済を上手く活用してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
新型コロナウイルスの影響もあり、今後キャッシュレス決済はさらに普及していくことでしょう。利用者である私たちも「本人確認はしっかりしているか」「2段階認証はあるか」など、使いやすさだけでなくセキュリティ面も重視しながら、キャッシュレス決済手段を選んでいく必要がありそうです。
クレジットカード・電子マネー・QRコード決済など、いずれも上手に使えば私たちの日常をさらに便利にしてくれる方法なので、しっかりと自分なりのルールを決めて使い分けていきたいものですね。
【参考資料】
「キャッシュレス決済マンスリー調査 2020年前半簡易レポートを発表(https://www.ipsos.com/ja-jp/cashless_monthly_survey_no6)」(イプソス株式会社)
「QRコード決済の利用率は48%。外出自粛期間の影響で、約30%が消費行動に変化(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000031359.html)」(株式会社インフキュリオン)
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