育児中の離婚で最大の壁「仕事とお金」、別れるために今できることは?
LIMO / 2020年9月23日 11時0分
育児中の離婚で最大の壁「仕事とお金」、別れるために今できることは?
今や3組に1組といわれる離婚。珍しくなくなってきた離婚ですが、特に思い悩む人が多いのが子どもが小さい間の離婚でしょう。
育児中の女性が離婚を考える際、最大の壁となるのは「仕事とお金」。子どものお迎えや看病といったこともあり、子どもが小さい間は正社員で働きにくいのが日本の現状です。
一方で、日々の生活の中で女性の頭に「離婚」の二文字ががよぎるとき、それはいずれ現実になることも少なくありません。そんなときには、早い段階で「仕事とお金」について具体的に考えましょう。
まずは「支給されるお金」を具体的に計算
不安になるのは、具体的な計算をしていないからとも言えます。離婚を考えるようになったら、まずは「支給されるお金」の具体的な金額を計算しましょう。
ひとり親は児童手当に加えて、所得によっては児童扶養手当を受け取ることもできます。「子どもが何歳のときに、自分は何歳で、いくら支給されるか。子どもが何歳まで支給されるか」などを表にしてみると、具体的な将来の計画を立てることができます。
また、自治体によって所得により児童育成手当を受け取ることができたり、住宅手当、医療費助成、公共料金の割引などがあります。自分が住んでいる自治体のひとり親向けの助成を確認しましょう。
気になる教育費ですが、「幼児教育無償化」「私立高校授業料実質無償化」に加えて、経済的に困難な学生に対して大学や短大、専門学校などの授業料減免や返済義務のない給付型奨学金が出る「大学無償化」も始まっています。条件はありますが、こういった制度を受けることも想定すると、不安を減らすことができるでしょう。
母子家庭の仕事、現状は?
共働きやイクメン、ワーママといった言葉が当たり前になった今でも、育児中の女性が正社員で働き続けるのは簡単ではありません。産後に就活するとなると正社員でなくパートが多く、そのパートも「急な休みを取りやすい、融通が利きやすい」職種に限定して選択することになります。
育児中のママがパートに限定されやすい大きな理由は、子どもが熱を出すことが多く急な休みや休みを長期間取らなければならないことや、学校行事への参加など。特に、子どもが風邪をひきやすい0~10歳の10年間は仕事をセーブする必要が出てきます。
それでも、厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告書(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188147.html)」によると、離婚時の末の子の平均年齢は4.4歳となっています。内訳をみると末っ子が0~2歳で約40%、3~5歳で約20%で離婚と、乳幼児を抱えながらの離婚が多いのが分かります。
母親の仕事は、正社員が44.2%、パート・アルバイトが43.8%でほぼ半々の割合。実家に頼ることができる人は、離婚後も正社員で働くことが可能でしょう。一方、実家に頼ることが難しい場合、子どもが小さい間はパート・アルバイトという方が多いのが現状ですが、工夫をすることも可能です。
変化する働き方〜新たな方法に目を向けるのも一つ
以前は育児中はパートで働くのみというイメージがありましたが、コロナ禍もあり、働き方は大きく変わりつつあります。職種によってはリモートワークが普及したり、クラウドソーシングで仕事を請けるなどして、フリーランスで働く人も徐々に増えてきています。
加えて30~40代の育児世代は、今後70歳まで仕事をする可能性についても考えるべきでしょう。35歳ならあと35年、40歳ならあと30年、仕事を続けることになります。子どもに手がかかるのは長くても10年前後。その後は仕事をする時間も一気に増えます。
今だけを考えるのでなく、長い目で先を見て「パート+フリーランス」「パート+資格取得」といった働き方をすることで、スキルや資格を身に付けるということも考えましょう。早いうちからスキルや資格を身に付けることで、子どもがある程度育った段階での就活がしやすくなる可能性もあります。
フリーランスでやっていたことが本業になる可能性もありますし、副業として続けていくこともできるかもしれません。資格を取得しておき、子どもが育ってきてから働くということもできます。正社員でなくても、選択肢を多く持っておくと安心度も高まるでしょう。
いざ離婚となると、まずは引っ越し費用や当面の生活費が必要でもあります。子どもが0~2歳の間はなかなか仕事ができないものですが、具体的な金額を計算しておくこと、キャリアプランを考えること、パートやフリーランスなどできることを少しずつ始めるといいでしょう。
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