知らなきゃ損！エリート特殊部隊に学ぶ「精神力を鍛える」たった1つの習慣

日本でも大人気韓国ドラマ『愛の不時着』で、ヒョンビン演じる北朝鮮の人民軍第5中隊長リ・ジョンヒョクが率いるあのオマヌケな隊員達は、実は国家情報院のキム課長が言うように「ああ見えて」も特殊部隊なのです。まったくそうは見えない間抜けぶりで笑わせてくれました。

ところで本物のエリート特殊部隊といえば、まず、米海軍、ネイビー・シールズ（海軍特殊部隊）を思い出されるのではないでしょうか。

過酷な訓練を受け、軍隊として最も難しい任命をこなす「世界最強」ともいわれる米特殊部隊。彼らは死と隣り合わせの状況で、どのように冷静さを保ち試練を乗り切るのか。実は、彼らのような強い精神を育む秘訣は案外シンプルなようなのです。

心を落ち着かせ、集中力を高める呼吸法

たかが呼吸、されど呼吸。呼吸をコントロールすることには様々な効果があるようです。元ネイビー・シールズ司令官のマーク・ディヴァイン氏はTIMEに寄稿した記事（※）（https://time.com/4316151/breathing-technique-navy-seal-calm-focused/）で、「Box呼吸法」を紹介しています。彼が名付けた呼吸法で、心を落ち着かせストレスに負けない精神力を高めるようです。

「Box呼吸法」は、ディヴァイン氏が訓練生の時に武術の訓練で呼吸について学び、それを基に自分なりに開発したものだそうです。その後、ネイビー・シールズではこの呼吸法を精神強化の一つとして取り入れています。

詳しくは同氏の著書『アメリカ海軍が実戦している「無敵の心」のつくり方』（https://amzn.to/3iGpYWB）で紹介していますが、TIMEの記事に載せた説明によると次のような単純な方法です。

息を吐き切って肺を空っぽにする

空っぽの状態で息をとめ4つ数える

4つ数えながら鼻から息を吸う

肺に息を入れた状態で息をとめ4つ数える（この時肺を締め付けたりせず、息を止めていても肺を広げたイメージ）

4つ数えながら鼻から息を吐く

2～5をまずは最低5分繰り返す事から始めると、効果を感じるそうです。次第に一日10分～20分の集中セッションをもうけ、必要な時それぞれ1分～2分間行うといいということです。

息をとめては吸い、とめては吐きと4つの状態を4秒毎と、正方形をイメージすることから”Box"といわれるようです。このリズムは気分が高ぶり過ぎたり、逆に眠くなったりせず、中立的なエネルギー効果があるのだそうです。必ず鼻から息をすることが大切だということです。

まずは毎朝ベッドを整える

元米海軍大将ウィリアム・マクレイヴン氏が母校米テキサス大学の2014年卒業式で話した有名な感動的スピーチの中から、「朝起きたら、まずベッドを完璧に整える」という習慣にも、ネイビー・シールズの精神力の強さの秘訣があるようです。

このスピーチはその後、2017年に『1日1つ、なしとげる！　米海軍特殊部隊SEALsの教え』(原題：Make Your Bed）（https://amzn.to/32DxvzN）というタイトルで著書として出版され、ニューヨークタイムズでベストセラーにもなりました。

サダム・フセインの拘束やウサーマ・ビン・ラーディン殺害作戦など、様々な特殊部隊の作戦の指揮を執り成功させたマクレイヴン氏。自らも経験したシールズの過酷な訓練で学んだ小さな毎朝の習慣の威力を話しました。

小さな事を完璧にこなすことで自信をつける

シールズの訓練でまず叩きこまれたことは、「朝起きて完璧にベッドを整える」ということだそうです。枕の位置、シーツの四隅が正確にベッドに挟みこんであるかなど、ただ整えるだけではなく、規則通りになっているか教官の細かいチェックをパスしなければなりません。

シールズのような特にマッチョな体型の男性が、細々とベッドを整えている姿はあまり想像しづらいですが、「朝起きてベッドを整えるという小さな事を完璧に出来ない人には、大きなことなど出来ない」と、マクレイヴン氏は主張します。

シールズのような特殊部隊で複雑な作戦をこなすためには、1人が詳細を怠ると致命的な大失敗になることからも、詳細への配慮を癖づける訓練は重要なのでしょう。

こうしてベッドを完璧に整えることで、「一日の始まりの仕事を着実にこなせた」というちょっとした達成感を得ることができます。整ったベッドを見ると気が引き締まり、それは次の仕事への原動力となります。また1つ仕事をこなし、さらにまた1つ…と、続いていくのです。やがて一日の終わりには複数の仕事をこなし、自尊心が高まる。この小さな朝一番の仕事を完璧にこなす習慣は、マクレイヴン氏の軍隊人生で様々な面で役に立ったといいます。

またあまり良い一日ではなかったとしても、家に帰ったら自分がきちんと整えたベッドがあるのです。これを見ると、少なくとも朝きちんとベッドを整えたのだという達成感が、明日また頑張る自信と励みになると話しています。

ちなみにマクレイヴン氏によると、拘束中のサダム・フセインの様子を見に行くといつもベッドはだらしない状態だったそうです。

目の前にある小さな事を一つずつ完璧にこなすことは、自信につながる。諦めずに続けることが成功を導く。それが、シールズのような強い精神力を築く基本のようです。

呼吸法にしても、朝ベッドを完璧に整える習慣にしてもそれほど難しいことではないと思います。是非、参考にしてみてください。

参考図書

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『アメリカ海軍が実戦している「無敵の心」のつくり方』（https://amzn.to/33zmiPY）
著者：マーク・ディヴァイン
翻訳：露久保 由美子
発売日：2016年11月21日
定価：1,580円+税
発行：クロスメディア・パブリッシング

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『1日1つ、なしとげる！　米海軍特殊部隊SEALsの教え』（https://amzn.to/32DxvzN）
著者：ウィリアム・H・マクレイヴン
翻訳：斎藤 栄一郎
発売日：2017年10月27日
定価：1,300円+税
発行：講談社

参考記事

（※）TIME “The Breathing Technique a Navy SEAL Uses to Stay Calm and Focused”（https://time.com/4316151/breathing-technique-navy-seal-calm-focused/）