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「個別指導塾」を検討するときに知っておきたい3つのこと。

LIMO / 2020年9月22日 15時5分

「個別指導塾」を検討するときに知っておきたい3つのこと。

「個別指導塾」を検討するときに知っておきたい3つのこと。

筆者は大手の個別指導塾で塾講師をしていた時期があります。その経験から「個別指導塾に入塾を検討した場合」、ぜひ知っておいていただきたい3つの点についてお話していきます。

ひと昔前は、塾での個別指導は、「授業料が割高」というイメージだった感があります。しかし、今どきはかなりリーズナブルな授業料の個別指導塾が増えてきている印象を受けます。「コスパがよさそう!」という理由で入塾を検討されるケースも多いでしょう。

実は、そこに落とし穴があります。

その⓵ 純然たる「個別指導」ではない場合が多い。

「個別指導」というと、まずは「1:1」の授業を想像する方が大半ではないか思います。でも、授業料が安さを謳っている個別指導塾で、「1:1」の授業はほとんどないでしょう。(※割増料金を出せば話は別ですが)

「1:1」ではない個別指導って?

文部科学省が発表している「平成30年(2018年)度子供の学習費調査(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」によると、1年間の中学生の補助学習費(自宅学習や学習塾・家庭教師などの費用)平均は公立中学校で22万円。私立中学校で24.5万円となっています。

筆者がウェブでみた、大手の個別指導塾の相場は、中学生であれば、大体月額1万2,000円~1万6,000円でした。これを年間金額にすると約14万円~19万円です。上述の「補助学習費」に含まれる額としては、妥当といったところでしょう。

上述の月額授業料を、週1回あたりの金額に換算すると、1コマ3,000円~4,000円前後となりますよね。それに対して塾講師のアルバイト料は、1コマあたり1,500~2,000円程度です。

塾側が払っているのは、講師のアルバイトだけではありません。事務員や教室長などの人件費、教室の家賃なども必要経費です。そこで、簡単に収益を増やす方法が、「1:2授業」や「1:3授業」なのです。

教える生徒が1人増えても、講師が受け取るアルバイト料は、500円程度増えるだけ、というケースが多いです。つまり、単純に考えると「1:3授業」を行うと、1コマあたりほぼ3倍弱の収益が期待できるわけです。

教える側の苦労

「1:2」授業ならまだしも、「1:3授業」になると、もはや個別指導とは言い難いものがあります。同時に別々の内容を教えなければならないのです。聖徳太子でも千手観音でもない講師の側にとっては、非常にハードな仕事であります。

同時並行でも、「同じ学年・同じ科目」ならば、なんとかできます。ところが筆者が教えていた塾では、3人とも学年や教科が違うこともしばしば。

「現代文の解説のために小説を読みながら、数学の図形問題を教える」なんてことが頻繁に発生してくるわけです。

生徒・保護者側のデメリット

こうした無理な教え方がどんな事態を生むかというと…

Aくんに国語の問題の解説をしている時に、Bさんが計算問題でつまずいてしまった…。そんなとき、Bさんは講師が対応するまで、頭を抱えたまま待っていなくてはならないのです。

親御さん方は「90分」のつもりで授業料を払っているはず。ところが、実際に講師の指導を受けている時間はかなり少ないのです。これじゃ話が違うじゃないか!と不信感を持たれる方がいても不思議ではありませんよね。

その②:塾講師の質が保証されているとは言い難い。

優秀な塾講師はたくさんいます。しかし、「個別指導塾」と呼ばれる塾の講師のほとんどが学生などのアルバイトであるといってよいでしょう。

勉強ができる=教え上手とは限らない

いずれの学生講師も、もちろん採用試験を受け、しかるべき学力があると保証された人ではあります。でも、「学力が高い」から「人に勉強を教えるのが上手い」とは限りません。

私自身は中学生の頃、塾で集団授業を受けていました。当時、大の苦手だった英語だけ、個別指導に変えようかと塾長に相談したときのこと。

塾長は「個別指導の講師のほとんどは大学生。授業料が高いわりに、経験が浅い講師が多いから、授業前に私が一対一で特訓してあげるよ」と提案してくれました。

講師にもある「得意・不得意」

さらに、講師によって、得意分野、苦手分野があります。筆者は採用面接時に「社会は苦手なので教える自信がない」と伝えていました。ところが、実際は社会も担当させられていたのです。

参考書の解説箇所を読みながら、「ここはテストに出そうかも?」といった箇所の説明など、最低限は何とかこなしました。でも、生徒の興味を引き付けるような、「歴史のトリビア」みたいな話をしてあげることはできませんでした。

その③:「担任制」のはずなのに頻繁に講師が交代

先述のとおり、講師の大半が学生アルバイト、ということで、大学の授業や試験などの都合で、講師の出勤日が変更になることがあります。「完全担任制」といったうたい文句を掲げている場合でも、こうした理由で講師の交代は頻繁に起こります。

授業内容や進捗状況などの引継ぎは、申し送りをしているためさほど問題ないかもしれまん。でも、生徒との間に生まれた信頼関係まで引き継ぐことはできません。

これが、多くの個別指導塾でよくみられる光景なのです。

我が子にあった塾選びを

今回は、筆者自身の経験からみた「個別指導塾の課題点」を挙げていきました。

とはいえ、塾選びで一番大切なのは「お子さんとの相性」です。集団授業が合っている子、個別指導塾でぐんと伸びる子、などそれぞれです。体験授業を受けたり、地元での口コミを参考にしたりしながら、塾選びをしていきましょう。

さらにいうと、「他の子と自分を比べてしまい辛くなってしまった…」という理由で退塾した子が、その後通信講座や家庭教師で成績がアップした、という例もあります。

お子さんの性格や、日ごろの家庭学習への取り組み方などの様子をみて、どんな学び方が一番合っているか、を見極めていけるとよいですね。

【参考】
「平成30年度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」文部科学省

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