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今さら聞けない…お給料の「手取り」って何が天引きされてるの?

LIMO / 2020年10月3日 11時0分

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今さら聞けない…お給料の「手取り」って何が天引きされてるの?

給料について話をするときは、「手取り〇円」というように、よく“手取り”という言葉を使いますよね。手取りとは、会社の求人情報等に記載されている給与額(額面給与)からいろいろなお金が引かれた後に、実際に従業員が受け取ることのできる金額なのですが、「手取りは額面給与の8割程度」なんて言われることもあります。

そこで本記事では、わかっているようで意外に知らない、毎月の額面給与から引かれているお金について、やさしく解説していこうと思います。

額面給与から引かれるお金①:社会保険料

まずは、社会保険料です。額面給与から引かれる社会保険料には、主に以下の4種類があります。

(1)健康保険料

健康保険は、会社員やその扶養家族が加入する公的医療保険です。健康保険に加入していることで、病気やケガなどで医療機関を受診したときに医療費の自己負担分が軽減され、病気やケガにより休業したときには傷病手当金、出産の際には出産育児一時金など、給付金を受け取ることも可能です。

健康保険には、組合健康保険・協会けんぽ・各種共済組合などがあり、保険料率は運営団体や都道府県によっても異なってきます。

たとえば、主に中小企業の会社員が加入している協会けんぽの場合では、令和2年度の平均保険料率は10.0%です。この健康保険料を会社と従業員が折半するので、毎月の給与から引かれる金額は、自分の標準報酬月額の5%程度ということになります。

(2)介護保険料

介護保険料は、将来日常生活において介護を受ける必要が出てきた場合に、適切な保健医療サービスや福祉サービスを受けるための保険です。介護保険料を納める対象者は、40歳以上65歳未満の人になります。

介護保険料率は、健康保険料率と同様に運営団体によって異なりますが、たとえば令和2年度の協会けんぽの保険料率は1.79%になっています。これも労使折半になるので、従業員の負担分は、標準報酬月額の0.865%程度ということになりますね。

(3)厚生年金保険料

厚生年金保険とは、会社員や公務員が加入する年金制度です。20歳以上60歳未満のすべての人が必ず加入することになっている国民年金の上乗せ部分にあたり、国民年金の保険料(基礎部分)と厚生年金の保険料(上乗せ部分)を、まとめて「厚生年金保険料」として毎月の給与から天引きされています。

こうして納めた保険料は、定年退職後に「老齢厚生年金」として受け取ることができます。また、現役中に障害を負ったときは「障害年金」、死亡したときは「遺族年金」を受給することになります。

厚生年金の保険料率は、年金制度改正により段階的に引き上げられてきましたが、平成29年9月を最後に引上げが終了し、現在の保険料率は全国一律18.3%です。これを会社と従業員が半分ずつ負担することになるので、毎月の給与から引かれている厚生年金保険料は、自分の標準報酬月額の9.15%ということになります。

(4)雇用保険料

雇用保険とは、失業時に失業保険の給付やハローワークの支援を受けるための保険です。在職中であっても「育児休業給付金」や「介護休業給付」を受け取ったり、適応条件を満たすと、自己負担で受講した資格試験や講座の料金の一部を「教育訓練給付金」として受け取ることもできます。

厚生保険は労働者の生活及び雇用の安定と就職を促進するための制度ですので、従業員の負担率は0.3~0.4%程度となっており、前出の保険料と比べると低く抑えられていると言えそうです。

額面給与から引かれるお金②:税金

次に、税金です。給料の一部である「課税所得金額」にかかる税金は、「所得税」と「住民税」の2種類です。

本来、税金を納める義務は個人にありますが、個人で納税を行うと手間がかかったり忘れてしまったりと、トラブルが生じる可能性があります。したがって、これらの税金は会社が給与から天引きして、代わりに納付するという形がとられているのです。

(1)所得税

所得税は、個人の課税所得金額に応じて国に納める税金です。所得税率は、課税所得金額が多くなるにつれて高くなる累進課税になっており、5%から45%の7段階に区分されています。

(2)住民税

住民税は、1月1日時点に住民票を置いている自治体に納める税金です。前年の所得をもとに計算されるため、前年に所得を得ていない方は翌年住民税を納める必要はありません。

税率は自治体によって異なりますが、給与から天引きされる税額は、おおよそ課税所得金額の10%程度になります。

まとめ

本記事では、給与から天引きされているさまざまなお金について解説してきました。「手取りは額面給与の8割程度」と言われる理由が、何となくイメージできましたでしょうか。

特に、これから会社に就職する方や転職を希望している方は、額面給与だけでなく手取り額がどれくらいになるかを具体的にシミュレーションしながら、求職活動に進めていく必要がありそうです。

【参考】
・「No.2260 所得税の税率(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)」(国税庁)
・「標準報酬月額の決め方(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/sbb3165/1963-232/)」(全国健康保険協会 協会けんぽ)
・「保険料率の変遷(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/hokenryouritunohennsenn/)」(全国健康保険協会 協会けんぽ)
・「個人の市民税・県民税について(https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/zeikin/kojin-shiminzei-kenminzei/kojin-shiminzei-shosai/kojin.html)」(横浜市)
・「【給与明細の見方】給与から引かれる控除ってなに?(https://lify.jp/insurance/life-select/work/article-3672/)」(株式会社ライフィ)
・「令和2年度の雇⽤保険料率について(https://www.mhlw.go.jp/content/000617016.pdf)」(厚⽣労働省・都道府県労働局・ハローワーク)
・「厚生年金保険料額表(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/index.html)」(日本年金機構)

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