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「投資で損をする理由」…じつは知識不足だけが原因ではなかった!

LIMO / 2020年9月27日 18時45分

「投資で損をする理由」…じつは知識不足だけが原因ではなかった!

「投資で損をする理由」…じつは知識不足だけが原因ではなかった!

国が「貯蓄から資産形成へ」というスローガンを掲げていますが、確かに筆者の周りでも新たに投資を始めた人が少しずつ増えてきている印象です。

しかし、意気揚々と投資を始めたけれども、なかなかお金が増えないどころか、むしろ損してしまったという声も数多く聞きます。

そして「やはり投資は簡単にいかないから、もっとちゃんとお金の勉強をしなきゃ」といってファイナンシャルプランナーなどの勉強を始める人もいますが、じつは、損した理由はお金の知識不足だけではありません。

どういうことかというと、人は時として合理的な行動を取れないことが明らかにされており、その不合理な行動が損失を招いているということです。

この記事では、人間の行動が不合理であることを証明したプロスペクト理論を踏まえて、投資で損しないための対策を解説していきます。

人は合理的な判断ができないことが証明された

筆者はこれまでの投資人生の中で「なぜあの時あのような行動をしてしまったのだろう…」「こうした方が良かったのに」といった後悔を何度もしてきました。読者の方でも同じような経験をしたことがある人はいるのではないでしょうか。

実はこのような後悔をすることは仕方がないことでもあります。それは、プロスペクト理論(※1)によって、人間は時として合理的な行動をできないことが証明されたからです。

(※1 プロスペクト理論: 1979年にダニエル・カーネマン氏によって提唱された行動経済学の理論。同理論によりダニエル・カーネマン氏は2002年にノーベル経済学賞を受賞しました。)

プロスペクト理論とは

プロスペクト理論とは、「不確実性下での意思決定を行う際に、人間本来の認知バイアスを取り入れた意思決定モデルである」(※2)(https://glossary.mizuho-sc.com/faq/show/1140?site_domain=default)。

少し難しいですね。

プロスペクト理論を噛み砕くと、「人間には損失を過剰に恐れる傾向がある」ということです。もう少し具体的にすると「人間は、目の前に利益があるとそれを失うリスクの回避を優先し、損失が目の前にあると損失そのものを回避することを優先する」ということです。

プロスペクト理論の詳細と、同理論が投資に及ぼす影響について解説します。

あなたはどちらの選択肢を選びますか?

いきなりですが、ここで問題です。

(1) AとBのどちらを選びますか?

A:無条件で100万円もらえる

B:コインを投げて表が出たら200万円がもらえるが、裏が出たら1円ももらえない

筆者はAを選びました。実際、Aを選択する人の方が多かったみたいです。

では次の問題です。

(2) あなたは200万円の借金があります。そのとき、AとBのどちらを選びますか?

A:無条件で借金100万円が減る

B:コインを投げて表が出たら借金が全額免除されるが、裏が出たら借金は1円も減らない

(1)の問題と期待値は同じなので、(1)でAを選んだ人は今回もAを選択しそうですが、(2)ではBを選択した人の方が多いそうです。ちなみに筆者もBを選択しました。

プロスペクト理論をもう一度確認します。

「人間は目の前に利益があるとそれを失うリスクの回避を優先し、損失が目の前にあると損失そのものを回避することを優先する」

(1)では利益を失うリスクを回避するために無条件で100万円をもらい、(2)では200万円の損失そのものを回避するためにコインを投げるということです。

人間はほんの少しの状況の違いで、行動が180度変わることをご理解いただけたかと思います。

プロスペクト理論が投資に与える影響

「株を売って利益を確定させたら株価がもっと上がって後悔した」

「マイナスになっている株の株価が上がってきた時、購入金額まで戻ることを期待して、株を売却しなかったら逆に値下がりした」

これはまさにプロスペクト理論の示す人間の不合理性の代表例となります。得られたかもしれない利益を逃して、逆に損を増やしてしまっています。

ではどのように対処したらいいのでしょうか?

対処法1:ルールを決めて厳格に守る

プロスペクト理論は人間が持つ心理なので、これに逆らうのは非常に難しいです。そのため、投資を始める前にルールを決めて、それを厳格に守ることが一つの解決策になります。

例えば、10%値上がりしたら利益確定、5%値下がりしたら損切りといったルールです。これを守ることでプロスペクト理論に影響されずに投資を行うことができます。

対処法2:機械的に投資をする

目の前の株価に一喜一憂せずに、積立投資を機械的に行うこともプロスペクト理論に影響されない投資方法です。

積立投資の代表例としては、つみたてNISAやiDeCoが挙げられ、これらは毎月決めた金額を黙々と投資する手法です。両制度は税制優遇があるのもとても大きなメリットですね。

まとめ

お金を勉強して投資を始めたとしても、自分の心のことを知らないと、時として不合理な行動を起こし、大きな損を招く恐れがあります。

「投資を始めよう!」と思っている方は、ぜひ自分の心のことを知り、プロスペクト理論に負けないように対策を練ってもらえたらと思います。

(どのような投資方法にも、損失を被る可能性があります。リスクを十分に把握した上で、検討しましょう)

参考

(※2)「プロスペクト理論」(https://glossary.mizuho-sc.com/faq/show/1140?site_domain=default)みずほ証券

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