私たちの何がわるいの?どうすれば日本の子どもを「幸せ」にできるのか
LIMO / 2020年9月28日 20時30分
![私たちの何がわるいの?どうすれば日本の子どもを「幸せ」にできるのか](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_19477_0-small.jpg)
私たちの何がわるいの?どうすれば日本の子どもを「幸せ」にできるのか
子どものころ、「なぜ勉強をしているのか」考えたことはありましたか。いい学校にいくため。高収入の職業につくため。それとも夢を実現させるため。周りからのプレッシャーでとりあえず勉強していたという人も少なくないのでは。
テストの点数がそのまま将来を左右するといっても過言ではない学歴重視と、個性を認めない教育環境に日本の子どもたちはうんざりしているのかもしれません。
今回は、子ども時代を楽しめない日本の子どもについて考えます。
日本の子どもは不幸せ?
ユニセフ(国連児童基金)が9月3日に公表した先進38カ国の「子どもの幸福度」を比べた調査によると、日本は「精神的な幸福度」部門でワースト2位だったようです。新聞などで話題となっていたので、ご存じの方も多いと思います。こういった調査には偏りもありますので鵜呑みにはできませんが、残念な結果です。
肥満が少ないなど「身体的健康」部門では1位であるけれど、「スキル」部門では基礎学力が高くても友達作りが上手くないなど、社交性の問題が浮き彫りになりました。
朝日新聞デジタルによると「会見に同席した法政大名誉教授で教育評論家の尾木直樹さんは、日本の子どもたちの精神的幸福度の低さについて、『一斉主義で、競争原理に支えられている学校システムの影響も大きいのでは』と分析」(※)(https://digital.asahi.com/articles/ASN926G7GN92UTFL001.html?pn=3)しているということです。
幸福度1位のオランダや上位を占める北欧国では、自律性や子どもの自由と権利を尊重しています。日本とは対照的な教育方針をとっていることからも、競争原理や一斉主義の教育方針が子どもを苦しめる原因の一つである可能性が高いことは納得できます。
オランダの親はナッジ上手?
かといって、オランダのように子どもの自由や自律性を尊重する教育方針が日本で上手くいくのでしょうか。
教育システムだけに限りませんが、オランダ式がいいから、アメリカ式がいいからと他所の国のいい所を取り入れるのはいいことかもしれません。しかしその国で上手くいっているからといって、必ずしも日本でも上手くいくとは限りません。
筆者個人的にですが、子どもの自由を尊重する育て方があまり上手くいっていない家庭を沢山知っています。傍から見ると多くの場合、親が「自由」「自律性」の尊重を「甘やかし」「好き放題」と勘違いしているように見受けます。
オランダや北欧の教育方針が上手くいっているのは、親や教師、まわりの大人が子どもの自由や自律性を尊重するとはいえ、決して「甘やかし」でも「放任」でもないからではないでしょうか。押し付けてはいないけれど好奇心を持たせ、自主的に何かを学ぶことの楽しみを見つけるよう子どもをナッジ(さりげなく仕向ける)するテクニックや環境づくりを、自分達の親世代から学んでいるのでしょう。
また、子ども達が伸び伸び自由に学べ、それぞれの個性を受け入れる思想や社会的な環境ができていることも影響しているでしょう。
日本では親自体が自律性を尊重されることを知らないのに、子どもの自律性や自由を正しい方向にナッジすることは難しいことです。
宿題やテストが問題なのだろうか
ちなみにオランダの小学校では宿題がないといいます。最近は欧米では宿題の有無についての意見が分かれているようです。オランダ在住の人の話では、子どもが興味のあることを習わせたり、学んだりする時間が大切だといいます。
しかし日本で、急に宿題やテストの制度を変えることがいいことなのかは疑問です。子どものころの適度な宿題の習慣が日本人の勤勉さの原点ではないか、と個人的には考えています。また子どもの頃に毎日宿題をこなした経験は、自尊心や自信に繋がったと思っています。
日本には日本の文化や習慣があり良さがあるのですから、そういった事と調整する必要があり、急に一部分だけ闇雲に取り入れても裏目にでてしまうかもしれません。
子どもは興味のあることをやっている時は集中力が高まり、生き生きとしています。勉強の量やテストの回数というよりも、それをやることに興味や希望が持てないことに問題があるように思います。
まずは、高学歴=成功といった画一的な概念を少しづつ変えていき、日本の良さを保ちながら多様性を受け入れる選択肢の多い社会が出来た時、子どもたちはそれぞれ自分にあった将来の目的や希望を見つけ幸福を感じられるのかもしれません。
参考
「ユニセフ報告書「レポートカード16」発表 先進国の子どもの幸福度をランキング」(https://www.unicef.or.jp/news/2020/0196.html)ユニセフ
(※)「日本の子の幸福度 健康は1位、「精神」はワースト2位」(https://digital.asahi.com/articles/ASN926G7GN92UTFL001.html?pn=3)朝日新聞デジタル
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