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勤続30年の銀行員が見た「お金が逃げていく人」の特徴

LIMO / 2020年9月30日 20時0分

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勤続30年の銀行員が見た「お金が逃げていく人」の特徴

【銀行員は貯蓄に励み、社会の規範となる人物を目指し自己研鑽に励むべし】

私が勤務する銀行には、銀行員の教科書とも言えるマニュアル書があります。冒頭の文は、そこから部分的に引用したものです。

ここには「このような会社にお金を貸すべきでない」と言ったように、融資する相手を見極めるポイントも示されているのですが、それはまるで、お金に嫌われる人の特徴を的確に表現しているようにも思えます。

以前、「お金にモテる人」の特徴を紹介した記事(https://limo.media/articles/-/15134)の中で、「反対になぜかお金が去っていってしまう“お金にモテない人”もいる」ということに言及しました。そこで今回は、私の銀行員生活での経験から「お金が逃げていく人」の特徴について、実例を交えながら紹介していきたいと思います。

老舗旅館の料理長Mさんの場合

これは、私が地方の観光地で仕事をしていた時のお話です。

その会社は老舗旅館で、多くの地元業者と取引していました。この旅館では、お客様に提供する料理の食材の仕入れを料理長が一手に担っていましたが、この人が問題人物でした。ここでは、Mさんとしましょう。

Mさんは自分の権限をふりかざし、かなり納入業者をいじめていたそうです。私のお客様でもあった納入業者さんは、おじいさんの代からその旅館に尽くしてきたそうですが、Mさんに嫌われてある日突然取引を切られてしまいました。

あくまで噂ですが、Mさんへの付け届けが少なかった、不正なリベートを要求されたが断ったので逆恨みされた、などと聞き及びました。

しかし、その後しばらくして、旅館の経営者が代替わりしたのを機に料理長が新しい人に変わりました。やはりMさんの素行が問題となったようです。幸い、この業者さんも取引を再開してもらえ、新社長から「今まですまなかったね」と、以前より好条件で取引してもらえることになりました。

ちなみにMさんは、老舗旅館の料理長まで務めたにもかかわらず、その後どの旅館からも声がかからず、雇ってもらえなかったそうです。周囲の幸せを顧みないことが仇となってしまったのでしょう。

相手の幸せを考えられない人

これは道徳とか、スピリチュアルな話ではなく、言葉そのままの意味です。自分本位で相手の幸せを考えられない人は、お金に嫌われてしまいます。

これは人と人との関係だけでなく、仕事や会社、そして一般社会にも通じるのではないでしょうか。たとえば、銀行が自社の儲けを優先し、お客様に犠牲や負担を強いるようなことはあってはならないことですし、もし銀行がそのように動けばお客様は自然と離れていくでしょう。

銀行員の教科書にも「顧客と喜びを分かち合えたら、銀行員冥利に尽きる」とあります。私も銀行員生活の中で、お客様から「あなたに担当してもらって良かった」「あなたには助けられたよ」と言っていただいた時には、銀行員冥利を実感したものです。

「事業」という言葉を英訳すると「ビジネス(Business)」になりますが、とはいってもあまりにも「ビジネスライク」というのは考えものですね。取引している相手を大事に思えなくなったら、その事業は上手くいくはずがありません。

目の前の相手の幸せを考える…シンプルですが全ての人間関係に通ずるのではないでしょうか。

町工場の社長Kさんの場合

続いて、大手製造業の下請けをしていた町工場の社長さんのお話です。この方をKさんとしましょう。

Kさんは本業の下請け仕事の傍ら、自分でいろいろな新製品を開発していました。売上増加を図る前向きな姿勢をお持ちの方で、それ自体はとても良いことなのですが、問題はその宣伝方法にありました。

Kさんは、いつも両手に百科事典ほどの大きくて厚い荷物を持っていました。ある時、銀行窓口でお会いした際、それが巨大な名刺入れというか名刺ブックだということを教えてくれました。

銀行にくる時も抱えているくらいなので、肌身離さず持ち歩いていたようです。そして、新製品を売り込むとき、この名刺ブックを開き「この社長さんも気に入ってくれました」などと、断りもなく宣伝に使っていたのです。

やがて、こういった話を漏れ聞いた当人たちから苦情が殺到し、本業にも影響が出始め、最終的には破綻してしまいました。そもそも宣伝のために、意図的に名刺集めをしていたそうで、このような行動も周りから嫌われた原因のようです。

本来なら人と人をつなぐ名刺も、商売道具にしか考えられず、結局自分の人脈を持てなかったというわけですね。抱えきれないほど名刺を持っていても、破綻するまで助けてくれる人は誰もいませんでした。

周りから嫌われる人

人に嫌われるとお金にも嫌われてしまいます。これは、交友範囲が広いとか、社交的という意味ではありません。

たとえば、私が出会った魅力的な経営者の中にも、社交的とは言えないような人も何人もいました。しかし、そういった人には、数は少なくても熱狂的なファンや信奉者がおり、私自身も銀行員として彼らのファンでした。銀行員がファンになっていれば、銀行取引も順調に進みます。

一方で、周りから嫌われる人には何かしらの共通点があり、そこに気づかないといつかはお金にも嫌われてしまい、お金が逃げていってしまうようです。

たとえば、礼儀のない人はダメです。礼儀とは誰にでもへりくだるとか、ペコペコすることではありません。本当に礼儀正しい人は、礼を欠かさないと同時に誇り高く、無意味に頭は下げないものです。

そして、約束を守れない、ウソをつく人もダメです。たとえば、待ち合わせ時間に遅れたのに、謝る前に言い訳が先で、しかもそれが小さなウソ、これでは相手に見透かされ、そのうち信用されなくなってしまいます。

礼を欠かない

ウソをつかない

約束を守る

何やら教訓めいてしまいましたが、やはりゆるぎない真理で、これらができないと人からもお金からも嫌われてしまうようです。

まとめ

「相手の幸せを考えられない人」「周りから嫌われる人」は、お金にも嫌われてしまう…。

銀行員の教科書に書かれていたことは、30年の銀行員生活を通して確信に変わりつつあります。これを単なる教訓と聞き流すか、自分事として自らを振り返ってみるか、受け取り方は人それぞれですが、意識して行動に活かしてみる価値はあるかもしれません。

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