分散投資に有用な2つの選択肢-卵を一つのカゴに盛らないために <HSBC投信レポート>
LIMO / 2020年10月3日 21時0分
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分散投資に有用な2つの選択肢-卵を一つのカゴに盛らないために <HSBC投信レポート>
2020年の株式市場の上昇局面では「取り残されることへの恐怖(The Fear Of Missing Out)」、いわゆる「FOMO」が中心的なテーマとなっていました。そして9月初旬にテクノロジー株が調整したことで、一時の感情に流された株式投資が浮き彫りとなり、またそれと同時に分散投資の重要性があらためて認識されました。
投資の世界では「卵を一つのカゴに盛るな」という格言がありますが、このような集中投資を回避するための有用な選択肢を以下に具体的に紹介します。
サステナブル投資を行う株式ファンドでの長期投資
サステナブル投資はすでに一時的な流行ではありません。またこれまでも決してニッチな分野であったわけではなく、資本市場の投資家や債券発行体が資金調達を行う際に常に中心的な役割を果たしてきました。
サステナブル投資は単なるPRの観点ではなく、厳格な規律に基づいて行われており、資産運用ビジネスに携わる者としてサステナブル投資が注目されることを歓迎しています。
実際に、サステナビリティ(持続可能性)の課題に取組む企業は、長期的に発展していくための安定した体制が構築できています。
ESG(環境、社会、ガバナンス)の課題に積極的に取り組む姿勢のある企業は、将来も存続していく可能性がより高いと考えられます。これらの企業は、事故や大きな事案が発生することが少なく、また利害関係者(ステークホルダー)と友好的な関係を築いていることが多いためです。
一方で、ESGの問題をさほど重視していない企業は、恒久的、一時的を問わず収益の悪化に陥る可能性が比較的高いのですが、これはESGの課題が壊滅的な事態を引き起こすようなリスクと強く結び付いているケースが多いためです。
投資家もこのようなESGの動向を注視しています。コロナショックの局面においてESG要素を重視した米国株式および新興国株式のファンドは、同種の運用を行うファンドカテゴリーのファンドをアウトパフォームしました。モーニングスターによると下落局面でのESGファンドのパフォーマンスは同種平均を12%近く上回っています。
株式や債券を発行する企業のESGへの積極的な取組みを期待する投資家が増えていることもあり、これが一時的現象にとどまらないことは明らかです。また規制の中にもESGへの取組みを求める内容が増えているだけになおさらです。
流動性のあるオルタナティブ資産を使った適切な資産分散
ノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ博士はかつて「金融市場における唯一のフリーランチ(うまい話)が分散投資である」と述べています。
分散投資のカギは、ポートフォリオの幅広い資産クラスへの投資にあります。そして各資産間においては低相関が望ましいです。以前は、株式投資家にとって国債は、金融市場が混乱した際などに強さを発揮する分散投資の対象とされてきました。2008年の金融危機がその典型的事例です。
しかし、残念ながら現在は、世界の多くの国の長期国債利回りは過去最低水準にあります。したがって、国債が分散投資先としてこれまで通りの役割を果たせるとは考えにくいため、オルタナティブ資産への投資を検討すべきと考えられます。
オルタナティブ投資については多くの誤った通説や誤解があります。典型的なものでは、オルタナティブ資産は流動性が低く個人投資家は投資できないといった誤解や、リスクが高く価格変動幅が大きいといった誤った情報が挙げられます。
実際は、オルタナティブ投資は数十年の実績があり、今日では個人投資家もさまざまな流動性条件の下で幅広いオルタナティブ資産への投資機会があります。
オルタナティブ資産の価格変動要因は時に複雑で大きなリスク(大きなリターンの振れ幅)を伴うことがあるものの、流動性のあるオルタナティブ資産は、債券や株式などの伝統的資産との相関が低いことからリスクを軽減しボラティリティを低く押さえる効果があり、ポートフォリオを守る分散投資の緩衝材として活用が可能です。
結論として、投資家はより長期の視点で投資を行うべきであり、また市場心理や周囲の意見に惑わされることなく冷静に投資先を選択すべきです。
多くの投資家がFOMO(取り残されることへの恐怖)の影響を受け、一時の感情に流されて投資判断を下し、その結果として株式相場の急上昇や急落が生じます。
重要なことは、全ての卵を一つのカゴに盛ることなく、不安心理を克服し、合理的で緻密な分析に基づいた投資判断により分散投資を行うことです。そして今回紹介した2つの方法は、資産運用に適した手法であると確信しています。
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