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「大学卒業までに1000万円必要!?」教育費を無理なく準備するヒントとは。

LIMO / 2020年9月30日 0時15分

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「大学卒業までに1000万円必要!?」教育費を無理なく準備するヒントとは。

「子どもにはできる限りのことをしてあげたい」というのが親ごころ。小さいころから習い事や学習塾などに惜しまずお金をかけている、という熱心なご家庭も多いでしょう。

子どもの成長に合わせて増えていく教育費。たいていの場合、支出のピークは大学進学の時期です。統計や調査をもとに、今後必要となる教育費についてリサーチしておきましょう。

幼稚園~高校で必要となる費用

文部科学省が2019年に公表した「平成30年(2018年)度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」(※1)から、幼稚園から高校で必要となる1年間の学習費総額を公立・私立別にみていきます。学習費は保護者が支した1年間・子供一人当たりの経費(学校教育費,学校給食費,学校外活動費)となります。

1年間の学習費総額

※カッコ《 》内は、公立・私立学校に通う全幼児・児童・生徒数全体に占める公立・私立学校に通う者の割合(平成30年(2018年)度)

◎幼稚園《公立:15.5%/私立:84.5%》

公立幼稚園 22万3,647円/私立幼稚園 52万7,916円

◎小学校《公立:98.8%/私立:1.2%》

公立小学校 32万1,281円/私立小学校 159万8,691円

◎中学校《公立:92.6%/私立:7.4%》

公立中学校 48万8,397円/私立中学校 140万6,433円

◎高等学校(全日制)《公立:67.0%/私立:33.0%》

公立高校 45万7,380円/私立高校 96万9,911円

※高等学校(全日制)の生徒は,本科生に占める公立・私立の割合となっています。

公立・私立でどう違う?

学習費は公立と私立で大きな違いがあります。幼稚園から高校までの15年間の学習費の総額は次のように算出されています。

全て公立に通った場合…541万円

幼稚園は私立,小学校・中学校・高等学校は公立に通った場合…635万円

幼稚園・高等学校は私立,小学校・中学校は公立に通った場合…788万円

全て私立に通った場合…1,830万円

2019年以降の幼稚園については幼児教育無償化(https://www.youhomushouka.go.jp/)、また高校の授業料については『高等学校等就学支援金制度(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm)』により負担の軽減はあるものの、授業料以外の施設費・寄付金・保護者会費など学校関連で支出は続きます。習い事や塾通い、部活動費などもあり、教育費は子どもの年齢とともに右肩上がりの傾向が強まります。

大学で必要となる費用

では、大学の費用はどのくらい必要なのでしょうか。日本政策金融公庫が実施した「令和元年(2019年)度『教育費負担の実態調査結果』(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r01.pdf)」(※2)から、入学関連費用・在学費用について見てみましょう。

入学関連費用

国公立・・・71.4万円

私立・理系・・・84.5万円/私立・文系・・・86.6万円

1年あたりの在学費用

国公立・・・約107.0万円

私立・理系・・・184.3万円/私立・文系157.6万円

4年間の推計

国公立大学499.4万円

私立・理系 821.7万円/私立・文系717.0万円

4年間の学費を合計すると、国公立大学でも約500万円、私立の場合は文系でも700万円を超えます。自宅外通学の場合は、さらに家賃や生活費などが必要です。

このように、すべて国公立を利用したとしても、最低でも1,000万円以上の教育費がかかることが分かりました。

※1 「平成30年(2018年)度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」文部科学省2019(令和元年)年公表
※2 「令和元年度『教育費負担の実態調査結果』(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r01.pdf)」日本政策金融公庫 令和2年3月11日発表

教育費を準備する方法は?

小さい頃はつい財布のひもも緩みがちですが、子どもの成長はあっという間。中学高校の進学先によってはさらに必要となる資金が増える見込みですので、早いうちから備えていきましょう。

(1)「固定費」の見直し

貯金に回す資金としては、保険料や通信費などの「固定費」を削減する方法がおすすめです。保険の契約やスマホの料金、インターネットプロバイダ料金などを見直してみましょう。「生命保険は削れない」のであれば、毎年更新する自動車の任意保険や医療保険など、契約内容を検討してみてはいかがでしょうか。毎月の節約は難しくても、削減できる部分があればその分だけ貯蓄に回せるようになります。

(2)学資保険

教育資金を貯める方法として学資保険は根強い人気があります。保険料を払うという方法で、半ば強制的に貯めることができます。ただし中途解約すると解約返戻金が払込済の保険料を下回ることがあるため、無理のない範囲に設定することがポイントです。

子どもが小さいうちに契約して満期までの期間が長ければ毎月の保険料を抑えることができます。教育資金を学資保険だけで設計すると保険料も高額になりますので、契約額は抑えつつ、並行して貯金を継続しましょう。

(3)共働き

独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査「専業主婦世帯と共働き世帯の推移(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)」によると、共働き世帯(1,245万世帯)は専業主婦世帯(575万世帯)の倍以上となっています。

配偶者の転勤・育児などの事情で共働きが難しい場合、在宅でできるフリーランスなどの働き方も人気です。フリーランスには事務、翻訳、ライター、プログラミング、アクセサリー制作など、さまざまな職種があります。

クラウドソーシングサービスの「ランサーズ株式会社」が実施した「フリーランス実態調査 2020年度(https://www.lancers.co.jp/news/info/19242/) 」によると、日本の広義のフリーランスは推計約1,034万人となりました。

ただし収入を得た場合は確定申告の必要があり、扶養に入っている配偶者は収入により扶養を外れることもあります。利点だけではありませんが、収入を得る方法の一つとして選択肢に入れてみると良さそうです。

(4)「つみたてNISA」で少額投資

余裕資金がある場合は、投資でお金を増やすことを検討してもよいかもしれません。リスクはあるものの投資信託であれば毎月1,000円ほどの少額から投資を行うことができます。

国の税制優遇制度である「つみたてNISA(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)」を活用すれば、分配金や譲渡益が非課税となります。(年間上限枠は40万円で、20年間利用が可能)

【参照】
「専業主婦世帯と共働き世帯(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)」独立行政法人 労働政策研究・研修機構
「フリーランス実態調査(2020年度)(https://www.lancers.co.jp/news/info/19242/)」ランサーズ株式会社
「つみたてNISAとは(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)」金融庁

さいごに

教育資金はスタートが早いほど貯めやすくなります。ライフプランを立てて将来への準備をしていきましょう。

「1,000万円なんて貯められそうにない…」と過度に恐れず、節約できそうな出費を見極めていきましょう。また、予算の範囲内で楽しく使えるお金があると貯金も続きやすくなります。家族で楽しめるプランも立てて、貯金のモチベーションを上げていけるとよいですね。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考】
※1「平成30年(2018年)度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」文部科学省
「幼児教育・保育の無償化はじまります(https://www.youhomushouka.go.jp/)」内閣府
『高等学校等就学支援金制度(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm)」文部科学省
※2「令和元年度『教育費負担の実態調査結果』(https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r01.pdf)」日本政策金融公庫 
「専業主婦世帯と共働き世帯(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)」独立行政法人 労働政策研究・研修機構
「フリーランス実態調査(2020年度)(https://www.lancers.co.jp/news/info/19242/)」ランサーズ株式会社
「つみたてNISAとは(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html)」金融庁

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