日本株下落で終わった先週〜トランプ大統領コロナ陽性で不透明感増す相場
LIMO / 2020年10月4日 18時45分
日本株下落で終わった先週〜トランプ大統領コロナ陽性で不透明感増す相場
【日経平均株価】テクニカル分析 2020年10月4日
トランプ氏のコロナ感染報道を受けて売りが広がる
2020年10月2日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より155円22銭安の23,029円90銭となりました。
先週は、米大統領選などを巡り相場が振られる展開となりました。週初は追加経済対策で米与野党が近く合意するとの観測が強まったことから米株が買われ、日本株は28日が9月末の権利付き最終売買日となったこともあって連れ高となりました。
ところが、その後は悪材料が続きます。まず、30日の日本時間午前に開かれた大統領選のテレビ討論会で、増税を掲げるバイデン前副大統領が優勢との見方が広がり、日本株も売られました。
1日にも大きな事件が発生しました。東京証券取引所のシステム障害が発生し、全銘柄が取引停止に。2日には売買が再開されたものの、同日夜に米雇用統計が発表されることなどを控え、投資家は様子見といったところでした。
ところが、後場でトランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染したことが明らかになると、投資家心理が悪化し、日本株も広く売られました。下げ幅は一時、230円以上に達し、心理的な節目となる23,000円も割り込んでいます。
今週の動きはどうなるでしょうか。トランプ氏のコロナ感染を嫌気して、2日の米株式相場も一時430ドルあまり下落。同日は9月の米雇用統計も発表され、非農業部門の雇用者数が予想を下回ったものの、それにより経済対策の与野党合意が進むとの見方が広がったことから、売り材料にはなりませんでした。
米株はその後、乱高下しましたが、結局ダウ平均は前日比134ドル09セント安の27,682ドル81セントで終えています。日本株も週初から軟調になる可能性があるので注意が必要です。
また、トランプ氏の容体には引き続き注視すべきでしょう。現段階では職務の継続に問題はないと見られていますが、大統領選の選挙活動やテレビ討論なども中止や延期になりそうです。トランプ氏の再選確率が下がり、バイデン氏が優勢となった場合、増税への警戒感から株が売られる可能性があります。
いずれにしても、しばらくは報道などをきっかけに株価が振られる展開が続きそうです。柔軟に対応できるよう備えておきたいところです。
25日移動平均線、および直近の押し安値も割り込む
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。週初28日、29日は陽線となり、5日移動平均線に下値を支えられて上昇しました。しかし、30日には大きな陰線となって25日線を割り込みます。東証のシステム障害明けの2日も大きな陰線が続きました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。ここしばらく下値サポートとなっていた25日線を割り込んだことは、やや警戒が必要です。加えて心配なのは、週末の下落によって直近の下値メドである9月24日の安値(23,039円)も割ってしまったことです。このことで、短期的な上昇トレンドが崩れてしまいました。
今週以降のポイントとしては、まずはこの直近の安値を回復できるかどうか、さらに25日線を回復できるかどうかです。今週さらに陰線が続き、75日線(22,800円付近)を下回るようであれば、目線は下に持たざるを得なくなります。逆にこのあたりで反発するようであれば再上昇もあり得ます。
ただ、しばらくは方向感が出しづらい動きになりそうです。2日のローソク足は上下のヒゲが長くなっています。一方で、大きな陰線が続いたにもかかわらず、終値ベースでは23,000円台をキープしています。買いたい投資家と売りたい投資家のせめぎ合いが感じられます。
短期的な動きを取りにいくのか、大きな方向感が出るのを待って付いていくのか、自分の投資スタイルに合わせて判断したいところです。
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