今後どうなる「夫の育休」、意識の男女差&妻たちの本音。
LIMO / 2020年10月6日 0時10分
今後どうなる「夫の育休」、意識の男女差&妻たちの本音。
共働き世帯の増加に伴い、男性の育児休暇に対する関心が高まっています。積水ハウスが2020年7月14~22日に実施したインターネット調査に基づく「イクメン白書2020(https://www.sekisuihouse.co.jp/ikukyu/research/)」においても、男性の84.8%、女性の82.4%が「育休取得に賛成」と回答しました。(調査対象:全国47都道府県の小学生以下の子どもがいる20代~50代の男女9400人)
一方で、「育休をしたい・してほしい?」という問いには、男性の60.5%が「取得したい」、女性の51.1%が「取得させたい」と回答しています。やや男女差のある結果となりました。
妻のホンネを聞いてみた。
では、男性の育児休暇について妻はどのように感じているのでしょうか。夫が育休を取得した妻に、本音をうかがいました。
夫の育休「ぜひ希望!」
「うちの息子はよく寝る子で、体調もずっと良好でした。夫がいる安心感はありましたが、正直『いないと困る!』というほどでもなかったと思います。ただ、子どもが1歳になって保育園に通いだしてからは、一気にハードな生活になりました。
お迎えから寝かしつけまでの過密スケジュール、保育園からお迎えコールが来たときは仕事を早退、休日も息子の相手…。今こそ、夫の手を借りたいです」
取得してもらって正解だった
「第一子の出産後にとても苦労したので、第二子のときは夫に育休を取ってもらいました。第一子のときより、精神的にも落ち着いた状態で育児に向き合えたと思います。よく他のママから聞く『大変なときに夫が助けてくれなかった』というモヤモヤもありませんよ」
「良い経験だった」と夫。
「夜泣きや頻回授乳による睡眠不足でフラフラだったとき、交代で睡眠時間を確保できて助かりました。おむつ替えやミルクの準備など、育児の基礎を共有できたのも嬉しいですね。復職してからも、安心して夫に子どもを預けられるようになりました。夫も『いい人生経験になった』とプラスに捉えているようですよ」
ダブル育休で収入激減・・・
「育休期間中に、『子育ては2人で協力するもの』という認識を共有できたのはよかったです。実家も義実家も遠方なので、夫がいなければ初めての育児に苦戦していたはず。今振り返っても、非常に心強い存在でした。ただ、夫婦ともに育休を取得したことにより、収入がガクンと下がりました。金銭面を考えると、2人目のときは私ひとりで乗り切るかもしれません…」
会社への信頼感が増した例も
「『夫の会社での立場がどうなるか』が不安でしたが、周囲が協力してくれたようです。夫自身も、『会社に対する信頼感が増した。今度は恩返しをしたい』と言っていました。
ただ、給与が少し下がるのは気になりましたが…。こればっかりは、仕方ないですね」
「男性の育休がとりやすい環境」を目指すには
こうみると、体力面、精神面ともにメリットを感じている家庭が多いようです。先ほどの調査データでも、「育休満足度」は81.8%と高い数値を示しています。昨年の67.5%と比べると、男性の育休取得に対する満足度は高まっているといえるでしょう。
しかし、一方で「収入が下がった」「会社での立場が気になった」という声も見受けられました。実際のところ、男性の育休取得率は12.8%という結果に。「男性の育休は、どうすれば増える?」(複数回答)という問いに対しては、以下のような項目が多く挙げられました。
育児休業中の給料・手当が変わらない…88.5%
育児休業後も業務の調整がつく…85.8%
直属の上司が理解・サポートしてくれる…84.8%
やはり、育休取得のデメリットにも挙げられている部分がネックになっているようです。「男性の育休がとりやすい環境」の実現には、収入面の保障や上司の理解といった部分が求められるでしょう。
まとめ
男女ともに8割以上が賛成し、実際に取得した男性の約8割が満足している「男性の育児休暇」。しかし、「育休をしたい・してほしい」と答えた割合は男性の60.5%、女性51.1%となっています。この差は、「収入が減るのは困る」「なんとなく取得しにくい空気が漂っている」と二の足を踏んでいる家庭の多さが反映されているのかもしれません。
メディアでは話題になるものの、利用者はまだまだ少ないのが現実です。制度の整備だけではなく、職場全体の理解と収入面のサポートがあれば、より男性が育休を取得しやすい世の中になるのではないかと思います。
【参考】
「イクメン白書2020(https://www.sekisuihouse.co.jp/ikukyu/research/)」積水ハウス株式会社
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