お墓の引越しを考える長男夫婦…改葬の平均費用はどのくらい?

LIMO / 2020年10月11日 12時0分

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お墓の引越しを考える長男夫婦…改葬の平均費用はどのくらい?

少子化による継承者不足や物理的距離の問題から、お墓を巡る状況は一昔前とは大きく変わりました。

最近では一度お墓や納骨堂に納めた遺骨を他のお墓や納骨堂へ移す「改葬」の動きも活発化。厚生労働省の統計では、2009年度が72,050件だった改葬件数は2018年度に115,384件と、10年間で約1.6倍にまで増えているといいます。

なぜこんなに改葬の需要が伸びているのでしょうか。筆者の周囲の体験談や調査結果からご紹介します。

墓参りの負担を考えてお墓の引越しをする人は多い

仏事関連総合サービスを行う株式会社メモリアルアートの大野屋が、同社で改葬を行った人を対象に行った調査※によると、お墓の引越しを考えた理由としては「墓参りの身体的負担」および「子どもや孫に負担をかけたくない」が多く挙げられました。

また、お墓の移転に関して不安なことについては「費用」が多いという結果に。その気になるお墓の引越し費用ですが、2020年の改葬全体の平均額は275.2万円でした。

移転先墓地形態別に見た平均額は、一般墓地281.7万円、納骨堂169.8万円、永代供養墓145.2万円、樹木葬138.9万円。納骨堂以下は、通常は新しいお墓の取得費用が一般墓地と比べて安価であるため、移転費用全体も低いという結果になっていると考えられます。

※対象は2014年1月-2019年12月にメモリアルアートの大野屋でお墓の引っ越し(改葬)を行った顧客496人。

東京にいても地元のお墓管理は長男夫婦がやるべき?

コロナ禍が起きて以来、お墓参りができていない人の多くは現在住む場所から離れた出身地にお墓がある人ではないでしょうか。

地元を離れている場合のお墓参りは、たいていはお盆と年末年始の年に2回。お盆のみという人も少なくないかもしれません。そうした状況の中で、地元にあるお墓の管理やお寺との関係維持を常日頃から離れた場所に住む人が行うのはほぼ不可能です。

筆者の友人Aは東京出身で、東海地方出身の夫と小さな子ども2人の家族4人で東京に在住。旦那さんは長男で、ご両親は実家に、そして独身のお姉さんが地元近くに暮らしています。

そんな状況にも関わらず、ご両親とお姉さんはA家族がお盆しかお墓参りをしないことに対して不満を漏らしているのだとか。ご両親は「うちのお墓には自分たちはもちろん、いずれは長男とその家族が入るのだから」という考え方。

しかし、A夫婦は仕事の都合上、地元の東海地方に帰るつもりはありません。そのため、Aの旦那さんはAとともに「両親が亡くなった後は、こっちにお墓を移動させよう」とこっそり話し合っているそうです。

「お墓を引越しできる」という可能性があることで、お墓のためだけにUターンして夫の実家に住む状況を避けられそうなことにAは安堵していると言っていました。

宗教不問の民間霊園はメリットも多い

筆者の知人Bは、また別のケースでお墓トラブル遭遇したといいます。先日、Bの旦那さんのお母さんが急逝。お父さんは当然のように、自分の両親も入っている先祖代々の墓に納骨しようと思っていました。しかし、お母さんは仏教ではない宗教を信仰していたのです。

そのため、「この家の人間なのだからこの家のお墓に入るべきだ」「お母さんの信仰を尊重すべき」とお墓について家族や親族で大モメに。

結局、先祖代々のお墓ではなく近所にある宗教不問の民間霊園に納骨することになりました。その民間霊園はB家族が住んでいる地域と近いため、頻繁にお墓参りできているそうです。

また、民間霊園は広さや墓石の形の自由度も高く、設備が整備されているところが多いため、改葬に限らず新規に墓地を取得するケースでも人気の墓地形態だといいます。

おわりに

費用はかかるものの、自宅や親族宅から交通の便がよい場所にお墓を移転することができる改葬。大野屋の調査でも移転後に約6割の人が「お墓参りの回数が増えた」と回答しており、お墓の引越しによるメリットは少なからずあると言えそうです。

家族間や親族間でありがちな”お墓トラブルあるある”も、これからの時代は改葬によって解決できることがあるかもしれませんね。

【参考資料】お墓の引っ越し「改葬」アンケート調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000225.000014037.html)(株式会社メモリアルアートの大野屋)

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