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みんなは年金、本当はいくらもらってる?

LIMO / 2020年10月11日 20時0分

みんなは年金、本当はいくらもらってる?

みんなは年金、本当はいくらもらってる?

2020年6月、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf)」が公布されたことをご存じでしょうか?

今回の年金制度改正法では、短時間労働者(パートタイマーなど)の厚生年金の適用拡大、年金の受給開始時期の選択肢拡大、確定拠出年金の加入可能年齢の引き上げ等、いくつかの改正が行なわれています。

将来の私たちの老後生活を支える貴重な収入源、「年金」。でも、現役世代の多くが、「自分が払っている保険料分の元は取れるの?」と不安に感じているのではないでしょうか。

「厚生年金」と「国民年金」、みんなは実際にどれくらいもらっているのでしょう。ちょっと人には聞きづらい話ですよね。そこで、厚生労働省公表データをもとに、みんなの年金事情を探っていきます。

サラリーマンの厚生年金収入はいくらか?

最初に、いわゆるサラリーマンとして民間企業で働いた人が受け取っている厚生年金についてみていきましょう。

厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」(平成30年(2018年))(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)によると、厚生年金の月額階級別受給権者数は以下のとおりです。

男性

30万円~:1万9千人
25~30万円:31万人
20~25万円:228万8千人
15~20万円:428万4千人
10~15万円:267万1千人
5~10万円:106万8千人
1~5万円:8万7千人
~1万円:9万人

女性

30万円~:(1,000人未満)
25~30万円:4千人
20~25万円:6万4千人
15~20万円:40万3千人
10~15万円:212万3千人
5~10万円:233万7千人
1~5万円:30万3千人
~1万円:3万6千人

平均年金月額は、全体で14万3,761円、うち男性が16万3,840円、女性が10万2,558円となっています。

男性は15~20万円受給者数が最も多く、全体の約40%を占めています。女性は5~10万円が44.3%と半数に近い割合を占めています。

すでに、年金受給中の世代では、男性の平均受給額が女性の平均受給額より多く、また受給者数も男性が1,081万人に対し女性が527万人で、女性はおよそ半数となっていますね。

ひと昔前とくらべると、女性の就業率は格段に増えています。今後はますます女性の厚生年金受給者が増加していくことは予想にたやすいことです。

フリーランス、専業主婦(夫)の国民年金収入はいくらか?

自営業者は第1号被保険者、専業主婦(夫)は第3号被保険者となります。先述のサラリーマンが国民年金と厚生年金の2階建てで年金を受け取れるのに対し、1階部分である国民年金しか受け取れません。

現在の国民年金受給額についてみていきましょう。

男性

7万円~:36万5千人
5~7万円:1,149万9千人
3~5万円:206万3千人
1~3万円:28万8千人
~1万円:1万3千人

女性

7万円~:142万2千人
5~7万円:1020万人
3~5万円:572万5千人
1~3万円:101万9千人
~1万円:7万人

平均年金月額は全体で5万5,708円。男性が5万8,775円、女性が5万3,342円。厚生年金のような男女差はありませんね。受給者数は男性が1,423万人に対し、女性がやや多く1,843万人です。

年金って真面目に払ったら損なの?

サラリーマンの場合は勤務先を通じて強制的に年金保険料を収めていますが、自営業者の場合は納付書で支払うか口座振替の手続きをするなど、自分で支払っていく必要があります。そのため、保険料をきちんと納めても、自分が年金を受給する頃には、元が取れなくなるのではないか?と思う人もいるでしょう。少子高齢化の進行、さらにコロナ禍にあっては、こうした「年金不安」を募らせる人が増えるのは不思議ではない話です。

とはいえ、毎月の年金保険料を払わない、というやり方は得策ではないといえます。
自営業者が負担する国民年金保険料は、2020年4月~2021年3月分で月額1万6,540円。(この金額は毎年度見直しが実施されます)例えばこの金額で20歳から60歳まで納付したと仮定すると、40年間の合計納付金額は約794万円となります。

それに対して、先述のとおり、国民年金の受給金額は毎月平均約5.5万円(2018年)。この金額20年間受給した場合、受給金額総額は約1,320万円です。

国民年金の支給額の二分の一は国庫負担で支給されていますので、納付額に対して受給額が大きくなっています。今後支給額が減少する可能性はもちろんあり得ます。とはいえ、納付を怠らずに、しっかり受給するほうが得策といえます。

受給開始時期を繰り下げるとどうなるの?

現行では公的年金は65歳から受給が開始します。

でも、この受給開始年齢を引き下げることによって、毎月の受給額を増やすことが可能です。また、今回の年金制度改正法により、この繰り下げ可能年齢が70歳から75歳まで引き上げられます。

受給開始年齢を70歳にすると42%増え、さらに上限の75歳まで繰り下げると84%増えて受取ることができます。「ええ、75歳まで働く必要があるの?」なんてびっくりしてしまいそうですが、2021年4月から、70歳までの雇用については、企業に努力義務化されます。

元気なうちは無理のない程度に働きながら、iDeCo (イデコ・個人型確定拠出年金)や個人年金等で運用した資産で生活。70歳からは受給開始を繰り下げで増額された公的年金で生活していく、といった発想もできそうですよね。また、老後の生活に、余裕と張り合いが生まれるかもしれません。

さいごに

厚生年金、国民年金の支給額の現状をながめていきました。今後の経済・財政状況に次第では、支給額が減少する可能性もあります。公的年金だけでは心もとないと感じる人は、ご自身で老後資金を確保していきましょう。

iDeCo(https://www.ideco-koushiki.jp/guide/)やつみたてNISA(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html) 等の非課税制度や個人年金や貯蓄型の生命保険、あるいは投資信託などの活用も視野に入れていくことをおススメします。安心した老後に向けて、先手先手の資産運用を意識していきたいものですね。

※この記事は、2020年8月22日に公開された「厚生年金と国民年金を毎月いくら、本当はもらっているか(https://limo.media/articles/-/18895)」(くらしとお金の経済メディア LIMO [リーモ])を再編集したものです。

【参考】
「厚生年金保険・国民年金事業年報(平成30年)(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/)」厚生労働省
「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要(https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000636611.pdf)」厚生労働省
iDeCoってなに?(https://www.ideco-koushiki.jp/guide/) iDeCo公式サイト
つみたてNISA(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html) 金融庁

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