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「実はお金持ちが多いってホント?」定年後70代以上の貯蓄事情に迫る。

LIMO / 2020年10月14日 20時0分

「実はお金持ちが多いってホント?」定年後70代以上の貯蓄事情に迫る。

「実はお金持ちが多いってホント?」定年後70代以上の貯蓄事情に迫る。

「おたくの貯金、いくら?」なんて親しい友人でもそうそう聞けません。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が、雇用や家計にダイレクトな影響を与える今。終身雇用制度の崩壊や年金不安など、現役世代を取り巻く「仕事」や「お金」の先行きはとても不透明です。

収入・家族構成・相続財産の有無など、お金の事情はひとそれぞれ。でも、みんなの「平均」って気になりますよね。

定年後70代以上って、実はお金持ちなの?

さて、「日本の定年後のシニア世代は、実は結構お金を持っているらしい」という声がちらほら聞こえます。その一方で、厚生労働省の資料によると、生活保護を受ける方が65歳以上に多いという結果も。シニア世代のお金事情、本当のところはどうなのでしょう。

そこで今回は、総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」をもとに、「定年後の70代以上の貯蓄事情」を紐解いていきます。

そもそも「貯蓄額」って?

総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)の用語の解説によると、貯蓄とは、

ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。 なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める。

とあります。

つまり「貯蓄額」とは、「預貯金以外の金融資産」も含まれているのですね。次では、「70代の金融資産」を項目ごとにさらに深掘りしていきます。

「預貯金以外の金融資産」、70代以上はどれくらいあるの?

「貯蓄額」の総額をみるため、定年後の70代以上の「預貯金以外」の金融資産はどれくらいあるのかをみてみましょう。

生命保険など:295万円

有価証券:144万円

金融機関外:0円

預貯金の金融資産の合計は439万円ですね。

次では、70代以上の預貯金額から貯蓄額をみていきます。

70代以上の貯蓄額ってどれくらい?

日本の定年後の70代以上の世帯の預貯金の平均額はどのくらいなのでしょうか。

家計調査報告によると、70代以上の預貯金の平均額は「1,482万円」。ほぼ1,500万円といったところですね。

預貯金はさらに下記のように分類することができます。

通貨性預金:591万円

定期性預金:882万円

定期預金が900万円近くありますね。

ここで、「預貯金以外の金融資産」と「預貯金」の額を合計してみると、日本の70代以上の平均貯蓄額は1,912万円となりました。

次に、70代以上の貯蓄額を考える上で重要な負債額もみてみましょう。

70代以上の負債はどれくらい??

70代以上の負債の平均額は「68万円」です。その多くが住宅ローンも完済し、子どもの教育費などがかからない世代であることも影響してか、極めて少ない金額といえるでしょう。

「金融資産」の額から「負債」の額を差し引くと約1,844万円となります

2019年、金融庁のレポートに端を発した「老後2,000万円問題」がまだ記憶に新しい人も多いかと思います。私たちの幅広い世代が「老後のお金」について考えるきっかけとなりましたね。

ところが、先のデータからは、70代以上の貯蓄と負債の差し引き合計金額は、2,000万円に届いていません。とはいえ、住宅ローンの返済や教育資金の捻出に追われる現役世代が、たやすく貯められる金額ではないでしょう。

さいごに

この数字を見て、「平均額がこのくらいなら、70代以上のほとんどの人が2,000万円前後は持っているってこと?」と考えるのは自然なことでしょう。ただ、冒頭で触れた、高齢者の生活保護受給の多さのような現実もあるわけです。

この「同世代間の格差」、あなたはどう捉えますか?

冒頭で述べたとおり、ひとそれぞれ状況は異なれど、「現役時代の貯蓄・資産運用」も大きな要因と考えることは一理あるのではないでしょうか。

現役世代は、コロナとの共存を求められる時代にはたらき続けていくわけです。とりわけ、雇用環境・就労形態といった、「仕事」を取り巻く状況は激しい変化の時期にあります。

収入アップに期待しにくい中、マイホーム購入・子どもの進学といったライフイベントへの出費が重なる世帯からは、「貯蓄どころではない」という本音もこぼれます。

でも、「働いて稼げる」現役世代だからこそ、常に一歩先の自分がどうなるかを見据えて行動したいものです。今後、再び深刻な感染症や災害が訪れることはじゅうぶん考えられます。不測の事態にも対応できる、しなやかなマネープランを意識していくことが大切となるでしょう。

【参考】
「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」総務省統計局
「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)』」金融庁
「老後に2000万円貯蓄でも足りない!誰も口にしない理由と背景(https://limo.media/articles/-/12863)」LIMO
「生活保護の半数は65歳以上!「老後不安」脱出の3つのコツ(https://limo.media/articles/-/16875)」LIMO
「定年後の70代が「お金持ち」は本当か。70代の貯蓄額からわかること(https://limo.media/articles/-/19394)」LIMO

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