60歳以降も働いている人の割合はどれくらい?「働く理由」1位とは
LIMO / 2020年10月10日 18時45分
60歳以降も働いている人の割合はどれくらい?「働く理由」1位とは
2020年7月31日、厚生労働省が日本人の平均寿命を発表しました。男性は81.41歳、女性は87.45歳と過去最高を更新しました(※1)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/index.html)。男性は香港、スイスに次いで第3位、女性は香港に次いで第2位となっています。
1990年時点では、男性の平均寿命は75.92歳、女性は81.90歳だったので、この30年間で平均寿命が5~6年延びていることがわかります。
このように寿命が延びてきている現代においては「いつまで働かなくてはいけないのか?」というのは非常に気になるテーマだと思います。
この記事では、60歳以降も働いている人の割合とその理由について解説します。
自分が何歳まで働くのかは退職するまで分かりませんが、現在の人たちの実情を理解することで、未来の自分を知るヒントになるのではないでしょうか。
60歳以降も働いている人はどれくらい?
労働政策研究・研修機構によると、60歳以降の就業率は下記の通りです(※2)(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2019/index.html)。
男性の就業率
60~64歳:81.1%
65~69歳:57.2%
70~74歳:38.1%
75歳以降:14.8%
女性の就業率
60~64歳:56.8%
65~69歳:36.6%
70~74歳:23.1%
75歳以降:6.5%
薄々感じてはいましたが、やはり働いている人の割合が多いですね。65〜69歳では、男性は2人に1人以上、女性は3人に1人以上が働いています。また、70~74歳においても、男性は3人に1人以上、女性は5人に1人以上は働いています。
「私は仕事が好きだから一生現役でいいよ」って考える方もいると思います。実際、筆者もその思考です。
しかし、一生働くとしても、働く理由はとても大切だと思っています。お金のためにやりたくない仕事を老後もずっと続けていくのは、想像しただけでもかなりしんどそうですので。
60歳以降も働いている人の理由は?
次に60歳以降も働いている人の就労理由を確認しましょう。労働政策研究・研修機構の調査によると、60代の就労理由は下記の通りです(※3)(https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/199.html)。
60~64歳男性の就業理由(複数回答)
経済上の理由:84.5%
健康上の理由:18.4%
いきがい・社会参加のため:29.7%
頼まれたから:12.7%
時間に余裕があるから:14.2%
65~69歳男性の就業理由(複数回答)
経済上の理由:71.4%
健康上の理由:25.7%
いきがい・社会参加のため:33.1%
頼まれたから:19.2%
時間に余裕があるから:23.6%
60~64歳女性の就業理由(複数回答)
経済上の理由:79.3%
健康上の理由:19.1%
いきがい・社会参加のため:38.8%
頼まれたから:13.5%
時間に余裕があるから:28.3%
65~69歳女性の就業理由(複数回答)
経済上の理由:67.6%
健康上の理由:18.6%
いきがい・社会参加のため:33.3%
頼まれたから:17.2%
時間に余裕があるから:27.5%
いずれの年齢、性別においても経済上の理由がダントツで1位ですね。やはり老後2,000万円問題もあり、お金の問題で働く人は非常に多いみたいです。
2位はいきがいや社会参加のためですが、30%前後と1位から大きく差が開いています。回答者の詳しい状況が分からないため正確ではありませんが、少し見方を変えると、60歳を超えて働く人の約70%はいきがいや社会参加を感じていないということです。
読者の中には「今日も仕事かぁ。仕事行きたくないなぁ」と思っている人もいるかもしれませんが、現状の数字を考えると、60歳を超えて嫌な仕事を続けなくてはいけない可能性も十分にあり得ます。
まとめにかえて
もしかしたら未来に悲観的になってしまったかもしれません。しかし、これが現実です。
実際に、2021年4月からは「70歳までの就業機会確保」を目指した高年齢者雇用安定法が施行されます(※4)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html)。昔は60歳で定年を迎え、その後は老後のスローライフを楽しむのが一般的だったかもしれませんが、これからはそれも少し難しいかもしれません。
これからの時代を楽しく生きていくには、いまできることを考え、行動し続けることが大切だと思います。
参考
(※1)「令和元年簡易生命表の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/index.html)厚生労働省
(※2)「データブック国際労働比較2019」(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2019/index.html)(R1.11.20)独立行政法人 労働政策研究・研修機構
(※3)「60代の雇用・生活調査」(https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/199.html)(R2.3.31)独立行政法人 労働政策研究・研修機構
(※4)「高齢者雇用安定法の改正〜70歳までの就業機会確保〜」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html)厚生労働省
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