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イジメを謝られても許したくない! 大人の「こうするべき」に反発した子供たちの理由

LIMO / 2020年10月19日 18時0分

イジメを謝られても許したくない! 大人の「こうするべき」に反発した子供たちの理由

イジメを謝られても許したくない! 大人の「こうするべき」に反発した子供たちの理由

「貸して」と言われたら「いいよ」と貸してあげる、「ごめんね」と謝られたら許してあげる。

私たちはそれが当然、と子供たちに教えています。しかし、子供たちにどうしても貸してあげられない、許せない事情があるとすれば…? それでも「貸してあげるべき」「許してあげるべき」と教育しなければならないのでしょうか。

もしかしたら、それが子供に大きな負担を背負わせることになっているかもしれません。

「貸してあげない」のには理由があった…

幼稚園年長の女の子Cちゃんのママのもとに、担任の先生から電話がかかってきました。

「今日、お友達のHちゃんが、Cちゃんのハンカチを『可愛いね。貸して』と言ったのですが、Cちゃんが『ダメ。Hちゃんには貸さない』って…。私から『お願いされたからちょっとだけ貸してあげようね』と諭しても『貸してあげない』の一点張りで…とうとうHちゃんが泣いてしまったんです」と先生。

Cちゃんのママはびっくりして思わず「お友達が『貸して』と言ったら貸してあげなきゃいけないじゃない」とCちゃんに言うと、Cちゃんは途端に目に涙をいっぱい溜めてこう言ったのです。

「だって、Hちゃんに貸したら、ハンカチがかわいそうなんだもん」

Cちゃんの言い分はこう。

今までハンカチやリボンなど、Cちゃんの持ち物を何度となく「貸して」と言ってきたHちゃん。しかし、貸してあげると「これ私の!」と周りのお友達に言って回ったり、クレヨンでいたずら書きされそうになったりしたこともあるそう。

「このハンカチはおばあちゃんにもらった大切なハンカチだから、嫌だったの」とCちゃん。

ママは自分自身も「貸してと言われたら、有無を言わさず貸すべき」という教え方をしていたのではないか…と猛省。「貸さなければいけないけれど、貸したくない」と葛藤していたCちゃんの気持ちを思うと胸が痛くなりました。

「どうして貸したくないのか、きちんと理由を話すこと。お友達にお話しするのが難しいときは、先生に理由を話す」のなら、ちゃんとした理由がある限り、貸してあげる必要はない…と話をしたそうです。

許すか許さないかは自分が決める

続いては小学5年生Sちゃんの話。Sちゃんは特定の女子数人にイジメのターゲットにされていました。無視から始まり、ワザとSちゃんの方を見てヒソヒソ話をしたり笑ったり、教科書やノートをゴミ箱に捨てられたり…。ついに「学校に行きたくない」と両親に告げたSちゃん。両親が学校に連絡を入れることで、イジメの事実が明るみに出たのです。

イジメていたクラスメイトは、担任の先生と学年主任、そして自分の両親にこっぴどく叱られます。そしてイジメていた子供たちの両親のたっての願いで、謝罪の場を設けることに。

卑劣なイジメを繰り返していた犯人を目の前に、うつむいたままのSちゃん。

相手が口々に「ごめんなさい」「反省しています」と口に出しても決して顔をあげません。

このままではらちが明かないと思ったのか、担任の先生が「ほら、彼女たちも反省していることだし…」と口にした瞬間、Sちゃんは突然顔を上げ、大きな声でこう言いました。

「ごめんなさい、って言われたら絶対許さなきゃいけないんですか? 私はまだすごく嫌な気分です。許したくないです!」

Sちゃんの言葉を聞いたSちゃんの両親は静かにこう言いました。

「彼女たちが謝罪した事実は認めます。しかし、だからといって今までの行いを水に流せるか…それは別問題です」

教え方の順序を誤らないように

「お友達に物を借りるときは『貸して』と言いましょう」とセットで教えがちなのが「『貸して』と言われたら貸してあげましょう」。

「悪いことをしたら『ごめんなさい』と謝りましょう」とセットで教わるのが「謝られたら許しましょう」。

そして、いつの間にかこれが子供たちの間での「暗黙のルール」となる…。これは非常に危険なことなのかもしれません。「何をしても謝ったら許してもらえる」と思ってしまうと「謝ること」に甘えてしまい、「なぜ謝らなければいけないのか」というところに考えが及ばなくなってしまいます。

物の貸し借りもしかり。相手の都合を考えず、自分のタイミングのみで「貸して」と言ってもOK、いわば「言ったもん勝ち」がまかり通る…これだとあまりにも言われたほうにとって理不尽です。

「悪いことをしたら謝りましょう」「誰かに物を借りるときは『貸して』と言いましょう」

こう教えるのは当然です。しかし、その後に続けるべきは「謝られたら許しましょう」「貸してと言われたら貸してあげましょう」ではなく、「謝っても許されないことがある、と覚えておきましょう」「貸してと言ったからといって、絶対に貸してもらえるとは限りません」なのではないでしょうか。

まとめ

小さな子供の「貸して」「いいよ」、「ごめんなさい」「いいよ」は、一見とても和やかで微笑ましい風景ではあります。しかし、だからといってそれをセットにして押し付けるように教育するのはいかがなものでしょう。

「貸さなければいけない」「許さなければいけない」と子供を追い詰めてしまっているのではないか…と筆者は危惧することがあります。

もちろん、「いいよ」の精神は大切ですが、それ以上に「嫌なら嫌」と言うことも必要だ…ということを子供たちに教えてあげるべきではないでしょうか。

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