熟年世代が最優先させたい出費は「趣味・レジャー」。「お金の不安」のトップは何?
LIMO / 2020年10月11日 0時25分
熟年世代が最優先させたい出費は「趣味・レジャー」。「お金の不安」のトップは何?
2019年に金融庁の報告書で話題となった「老後資金2000万円問題」。まだ記憶に新しい人も多いでしょう。リタイヤ後のお金を考えたとき、まず「いくら必要なのか」を考えるのは自然なことです。さらに、「お金をどこに使いたいか」「今の貯蓄ペースで安心できそうか」をイメージすることは、心豊かな老後につながる一歩ではないかと考えます。
今回は、内閣府の資料をもとに、熟年世代のマネー意識をのぞいていきます。
熟年世代が「優先してお金を使いたいこと」って?
では、内閣府が発表した「令和元年(2019年)度 高齢者の経済生活に関する調査結果(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r01/gaiyo/index.html)」より、シルバー世代の「お金意識」に関する調査結果をみていきます。まずは、「今後、優先的に使いたい支出項目」(複数回答)です。
《全体》
趣味やレジャーの費用…40.4%
食費…31.3%
保健・医療関係の費用…20.5%
子や孫のための支出(学費含む)…19.1%
友人等との交際費…12.8%
光熱水道費…11.5%
家賃、住宅ローン等以外の住居費(住宅の新築・増改築・修繕の費用等)…10.9%
交通費、自動車維持費等の費用…10.9%
生命保険や損害保険などの保険料…6.7%
通信・放送受信(携帯電話、インターネット等を含む)の費用…6.2%
家具・家電の購入費…5.2%
家賃、住宅ローン等…4.0%
その他…2.2%
使いたくない…12.5%
不明・無回答…12.5%
優先的に使いたいものあり(計)…83.6%
また、同調査結果の詳細からは、男女間では大差がないものの、60代前半で5割を超えていた「趣味やレジャーの費用」の回答は、年齢があがるにつれて低くなる点が指摘されています。
また、最も多い項目は、男女ともに60 代前半~70 代後半では「趣味やレジャーの費用」だが、80 歳以上では「食費」・「保健・医療関係の費用」が「趣味やレジャーの費用」を上回る結果となっています。これは、体力的な問題や、健康状態とも多少は関係あるかもしれませんね。
では、次では回答者の「健康状態」「収入のある仕事の有無」「暮らし向き」「収入」ごとに、その割合にも触れておきます。
健康状態
仕事をしているかどうか
暮らし向き
収入
※以上、すべて内閣府の資料をもとに編集部作成
「趣味やレジャーの費用」に着目すると、やはり、健康状態や経済的な状態よって差があることがわかります。
熟年世代が経済面で不安を感じているのはどんなこと?
では、次は「今後の生活において経済的な面で不安なこと」に対する回答をみていきます。
全体
①自分や家族の医療・介護の費用がかかりすぎること・・・30.8%
②自力で生活できなくなり、転居や有料老人ホーム への入居費用がかかること・・・26.0%
収入や貯蓄が少ないため、生活費がまかなえなくなること・・・25.8%
認知症などにより、財産の適正な管理ができなくなること・・・20.8%
自分が亡くなった後の相続などを含む財産の管理・・・8.7%
①②以外の生活費がかかりすぎること・・・3.9%
不安と思っていることはない・・・34.2%
では、「性・年齢」「同居形態の有無」ではどのように変わってくるのでしょうか。次では表にしていきます。
性・年齢ではどう違う?
男性の場合
女性の場合
同居形態
「不安に思っていることはない」という回答に着目してみましょう。男女ともに年齢が上がるごとに増えています。「子・孫と同居する人」で、その他の同居形態より高くなっている点も特徴です。核家族であれば世帯ごとに必要となる住居費や光熱費などを1家族分に抑えることができます。
また、「孫の面倒をみる」「老親の病院の付き添いをする」など、家事・育児・介護面のちょっとしたリソースを家庭内でやりくりしているお宅も多いでしょう。文字通り「シェアしやすい」という環境は、安心感を生む要因の一つになっているのかもしれませんね。
「老後」は長い!
2019年10月1日現在、日本の総人口約1億2617人のうち、65歳以上の人口は約3589万人。総人口に占める割合(高齢化率)は28.4%。世界でも高水準で、国際連合の定義する「超高齢社会」に該当します。
平均寿命をみると、2018年時点では、男性81.25年、女性87.32年。これが2065年には男性84.95年、女性91.35年まで延びると見込まれているのです。
私たちの「老後」はどんどん長くなっていきます。優先してお金を使いたいと思う部分に、無理なくお金を回していけることは、安心な老後を支える柱となることでしょう。現役世代は、貯蓄ペースの見直しをしながら、リタイヤ後の資金形成を着実に行っていきたいものです。
【参考】
「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r01/gaiyo/index.html)」内閣府
「令和2年度 高齢社会白書(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/zenbun/02pdf_index.html)」内閣府
「人口推計(2019年(令和元年)10月1日現在)結果の要約(https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2019np/index.html)」内閣府
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