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「介護を拒否する心理とは?」私が認知症の人と信頼関係を築いた4つの方法。

LIMO / 2020年10月18日 15時5分

「介護を拒否する心理とは?」私が認知症の人と信頼関係を築いた4つの方法。

「介護を拒否する心理とは?」私が認知症の人と信頼関係を築いた4つの方法。

家族の介護をしていて、オムツ交換をさせてくれない、着替えさせようとしたら怒り出してしまった、トイレに連れて行こうとしたら嫌がられてしまった、こんなことに悩んだことはありませんか?

介護拒否のある高齢者への対応はとても難しいですよね。在宅介護をされている方にとっては、心労につながる大きな課題でもあります。

筆者も介護福祉士として働いているとき、同じようなことに悩んだ経験があります。でも、たった4つの対応を実践するだけで、介護拒否のある認知症の人に「あなたに介護してほしい」と言われるようになりました。

今回は、筆者が実際におこなった4つの対応を紹介し、介護の方法をアドバイスしていきます。

介護を拒否する心理とは?

自尊心が傷ついている、認知症によって自分が何をされているのか理解できない、痛いことをされるのではないかという恐怖心などが、高齢者が介護を拒否する原因として考えられます。

たとえば、今までできていたことができなくなり、家族や介護スタッフに面倒を見てもらうようになれば、「自分はもうダメだ」「迷惑をかけている」というような感情が生まれます。これ以上迷惑をかけたくない、自信を失いたくないという思いから、介護拒否につながるのです。

また、認知症も介護拒否の大きな原因となります。

自分が介護を必要とする状態にあることが理解できず、介護者が着替えさせようと服や体に触れるだけで、痛いことをされるのではないかと恐怖を感じます。その結果、「何をするんだ!」と怒鳴るなど、介護拒否が起こりるのです。

「認知症に寄り添う介護」私が実践した4つの対応

では、認知症の人との心の距離を縮めるために、筆者が実践した4つの方法についてお話していきましょう。

① 介助を始める前に今から何をするのか説明する

いきなり介助を始めるのではなく、目線を合わせ、今から何をするのかしっかりと説明します。なぜ今必要なのかを合わせて伝えると、より効果的です。

たとえば、「朝になったので、パジャマから私服に着替えをしましょう」「オムツを3時間交換していないので、新しいものに変えましょう」という感じです。ただ単に、「洋服を着替えましょう」と言われても、認知症高齢者は、「裸にしようとしている」などと恐怖を感じることがあります。

また、声をかけるタイミングもとても重要です。介護者が急に洋服を触り、脱がせ始めながら「朝になったので、パジャマから私服に着替えをしましょう」と伝えても、認知症高齢者はすでに恐怖を感じてしまった後です。

最初に、「今からおこなうこと」と「理由」を伝え、安心してもらうことが大切です。

② 介助中に「次の動作」を細かく伝える

介助中、「次にこんな動きをしますよ」ということをその都度伝えます。

ベッド上でのオムツ交換であれば、「ズボンを下ろしますね」「私の方を向きますね」「次は反対側を向きますね」「お尻を拭きますね」という感じです。

認知症高齢者は、常に不安を抱えています。説明をしたことで、オムツ交換をするということは理解しても、どんな風に交換するのかがパッと頭に浮かぶ人は多くありません。急にズボンを下ろされたり、背中を押されて体の向きを変えられたりすれば、恐怖を感じ、次はオムツ交換を拒否するようになるかもしれません。

声かけをすることで、高齢者がお尻を浮かせてくれる、ベッド柵を握って自ら体勢を変えてくれるなんてこともあります。介護者は次の動作を理解していても、介護される側は理解していないことを念頭に置き、細かすぎるくらいに声かけをしましょう。

③ できるところは自分でやってもらう

認知症と診断されていても、自分でできることはあります。残された機能は活かせるようにサポートしていく視点が大切です。

たとえば、着替えの際に、一番上のボタンだけを介護者が介助すれば、二番目のボタンからは自分で留められるかもしれません。入浴時には、介護者が髪や背中を洗ってあげれば、体の前面は自分で洗えるかもしれません。

できるところとできないところを介護者が見分け、サポートすることで、「まだ自分にはできることがある」という自信につながります。

④ 介助が終わったら「ありがとう」と声をかける

介助が終わったとき、疲れた顔をしたりため息をついたりすれば、介護される側は申し訳ない気持ちや嫌な気持ちになります。

介助させてくれて「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えましょう。

介護者の態度が、介護される側に影響を及ぼすことは少なくありません。介護者がきつい態度で接すれば、介護される側も不信感が募り、きつい態度をとるようになるのです。

「ありがとう」という言葉は、認知症高齢者でも理解しやすいワードです。この言葉を伝えることで、自分は嫌がられていない、次も介助してもらって良いのだという安心感が生まれます。積極的に、お礼やねぎらいの言葉をかけましょう。

さいごに

介護拒否への対応に最も必要となるのは、介護の技術ではなく、コミュニケーションをしっかりとることです。介護される側の立場になって考え、不安に寄り添うことが大切なのです。

筆者も、最初から認知症高齢者と信頼関係を築けたわけではありません。オムツ交換時に拒否されたり、介助中にひっかかれたりしたこともあります。

「自分だったらどんな風に介助されたら穏やかでいられるだろう…」、と悩み、考えました。

そして、先述の4つの対応にたどりついたのです。

いままで私に暴言を吐いていた認知症の人が、徐々に穏やかな表情になっていくのが分かりました。そして、「待っていたよ」「あんたじゃなきゃダメだ」というような言葉をかけてくれるようになったのです。

介助中も、次の動作を声かけすると、「はいよ」と自ら体勢を変えてくれるなど協力的になり、介助後には「ありがとう」と自らお礼を言ってくれるようになりました。

今回紹介した対応は、1回で効果が出るものではありません。ちょっと大変ですが、接するたびに毎回丁寧に声かけすることを心がけてみましょう。

同様のお悩みを抱えているみなさんが、穏やかな気持ちで介護生活を送るためのご参考になればと思います。

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