元証券マンが解説、初心者が失敗しない投信選び
LIMO / 2020年10月16日 19時5分
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元証券マンが解説、初心者が失敗しない投信選び
資産運用をしてみようと考えた場合、少額から購入でき、プロに運用を任せられる投資信託を検討する人も多いと思います。
ただ投資信託の中には、初心者に適していないファンドもあるので注意が必要です。
この記事では、投資で失敗しないために初心者が選ばないほうがよい投資信託を紹介します。
選ばないほうがいい投資信託① 分配金の頻度が多い投資信託
人気の高い毎月分配型ファンド
低金利が続いているため、分配金が定期的にもらえる投資信託は人気があります。
分配金をだす回数も、半年に1回や3ヶ月に1回など様々ですが、毎月分配型のファンドが人気です。
その理由は小遣いのように毎月分配金を受け取れるからです。
しかし、投資信託の分配金の頻度や有無はそれぞれのファンドの方針に過ぎず、投資信託の良し悪しとはまったく別です。
ですから、分配金の額や頻度に惑わされていては、正しい投資はできないということです。
また投資信託の分配金は預貯金の利子とは異なります。
預貯金の利子は必ず決まった時期に支払われますが、投資信託の分配金は支払いが約束されているわけではありません。
分配金の額は前回より下がることもあれば、まったくでないこともあるのです。
投資信託の分配金には2種類ある
投資信託の分配金には、普通分配金と特別分配金の2種類あります。
普通分配金とは、分配金が支払われた時、分配落ち後の基準価額が個別元本(ファンド取得時の平均投資額)を上回るか同じ場合で、全額が住民税と所得税の対象です。
一方の特別分配金とは、分配金が支払われた際、分配落ち後の基準価額が個別元本を下回る部分に相当する額で、非課税になります。
特別分配金は非課税なので、一見、普通分配金よりも有利に見えますが、特別分配金は元本の取り崩しにすぎません。
分配金は投資信託を運用している資産からだすので、それだけ基準価額が下落します。
つまり、自分が買った基準価格を下回っている場合は、その部分だけ元本を取り崩したことになってしまうのです。
分配金よりも複利を重視する
中長期での運用を考えた場合、複利効果が大きくなるので分配金を受け取らないほうが有利になります。
複利効果とは、運用で得た利益を再び投資することで、利息が利息を生んでふくらんでいく効果のことです。
もちろん基準価額が大きく下落する場合もあるので、その時は分配金を受け取っておいたほうがいいということになりますが、それは結果論にすぎません。
投資信託は解約もできるので、ある程度の基準価格が上昇したら、一部を売却して利益を確定することもできます。
高い分配金や頻度の高い分配金は元本の取り崩しの原因になるので、なるべく分配金をださないファンドで中長期の運用を心がけるようにしましょう。
選ばないほうがいい投資信託② ランキングで人気の投資信託
ランキング上位のファンドが儲かるとは限らない
投資信託を購入する際、「売れ筋投資信託ランキング」や「人気投資信託ランキング」を参考にしている人も多いでしょう。
しかしランキング上位のファンドが、必ずしも儲かるとは限りません。
たとえば、対面販売の販売会社が公開している人気ランキング上位は、人気があって売れているのではなく、単に販売会社が力を入れている結果ランクインされているファンドがあります。
つまり、投資信託の人気ランキングは、個人投資家の人気を直接反映したものとは言えないのです。
ネット証券の人気ランキングにも注意
それでは、対面型ではなくネット証券の人気投資信託ランキングはどうでしょうか。
ネット証券のファンドは個人投資家が自ら購入している結果で、本来の人気ランキングといえなくもありません。
ただネット証券を利用している人は、短期売買で利益を得ようとしている個人投資家も多く存在します。
そのため、短期売買用のブル・ベア型ファンドがランキングに並んでいる場合もありますので注意が必要です。
ブル・ベア型ファンドとは、先物やオプションなどのデリバティブを利用し、基準となる日経平均株価などの指数の値動きを大きく上回る収益を目指すファンドのことです。
たとえばダブル・ブル型の場合、1日に日経平均が1%上昇したら2%上昇するというレバレッジを効かせることで、2倍の利益を狙うファンドとなります。
こうしたファンドは、短期の株式市場の値動きで利益を得ようとするものなので、中長期で運用しようと考えている人は購入してはいけません。
ランキング上位で人気があるからといって、安易に買ってはいけないのです。
選ばないほうがいい投資信託③ テーマ型ファンド
テーマ型ファンドとは
テーマ型ファンドとは、世の中で話題になっているIT(情報技術)や環境・バイオなど、特定のテーマに関連する銘柄に的を絞って投資するファンドのことです。
そのテーマが世の中のニーズや関心と一致していれば販売しやすいので、同じような時期に似たようなテーマ型ファンドが何本も設定されることが多くなります。
割高な時期に設定されたファンドを選ばないようにする
テーマ型ファンドを購入する時には注意が必要です。
そのテーマの関連株が大きく値上がりしていても、テーマ以外の割安な株に投資対象を変更できないからです。
また、マーケットで関心の高いテーマのファンドが募集される時には、すでに人気がピークになり、関連株がすでに割高になっている場合もあります。
テーマ型ファンドはそのテーマの長期的な有望度だけでなく、関連株が割高に買われている時期を避けることが大切なのです。
まとめにかえて
投資信託は、中長期の運用に適した金融商品です。
しかし中には過度に分配金を払ったり、ブル・ベア型ファンドなど短期での利益を狙ったりするファンドもあります。
初心者がそのようなファンドを購入すると、失敗する可能性が高くなるので注意するようにしましょう。
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