お金が手に入る「おいしい話」に乗った人の末路 「…だけ」には要注意
LIMO / 2020年10月21日 18時0分
![お金が手に入る「おいしい話」に乗った人の末路 「…だけ」には要注意](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_19864_0-small.jpg)
お金が手に入る「おいしい話」に乗った人の末路 「…だけ」には要注意
かつて消費者金融会社に勤めていた筆者。その当時、お客さんからお金に関する「おいしい話」が原因のトラブルについて相談されることも多く、その末路を知ることも少なくありませんでした。今回は実際に筆者が見聞きした、おいしい話とその結末について紹介します。
生活に余裕がない人ほど騙されやすい
筆者が経験上感じたのは、生活がカツカツの人や借金のある人は「とにかく、この生活から抜け出したい」と焦ってしまうことが少なくないということです。
そのため、「簡単に儲かる」「ラクに稼げる」「簡単な副業」など、すぐにお金が手に入りそうな誘い文句に興味を持ちやすく、それに賭けてみようという心理に陥りやすいようです。
たとえば、家族に内緒で借金をしている人が騙されやすいのは、「保証人や担保なしで貸してあげる」という言葉です。そういう場合に危ないのは利息の高い闇金だけとは言えません。新型コロナウイルスでも問題となった個人間融資では、見返りに法外な利息や性行為のようなことまで求められるケースも。
そして、甘い言葉に乗せられて一度借りてしまうと「バレたくない」という気持ちを利用され、下記のような泥沼に発展しやすいのです。
借金をしていた相手に頼まれて保証人になってしまったケース
個人経営の化粧品店で働いていたある女性は、会社を経営する男性と玉の輿婚をしたものの、お金にシビアな夫が財布をガッチリ握っていたため消費者金融に借金し、ブランドの新作を買い漁って支払いに困窮。勤務先の化粧品店のオーナーに「貸すよ。あるとき払いでいいから」と囁かれ、借りてしまいます。
そんな生活が半年ほど続き、これでは申し訳ないという気持ちが募っていたとき、オーナーに「人に騙されて今月の家賃が支払えない。保証人になって」と持ちかけられたのです。
夫に黙って保証人になったところ、オーナーが夜逃げして消費者金融や闇金の厳しい取り立てにあい、夜の店で働いて借金を返すハメになってしまったと嘆いていました。
副業の「支度金」が戻ってこなかったケース
また、現実離れした金額だと怪しいと疑う人も多いものですが、「月に3~5万円くらい稼げる副業」と言われると、つい信じてしまうこともあるようです。
筆者の元同僚も、しっかり者だったにもかかわらず「在宅で5万円稼げます」の謳い文句につられて支度金の2万円を支払い、そのお金が返却されずに悔しい思いをしていました。
仕事の内容は封筒に住所を書いてチラシを入れるというもの。支度金2万円の内訳は、送料と仕事を放棄したときの補償金で、補償金は3か月仕事をすると返却されるというものでした。
このように「補償金」や「登録料」などの名目で、働く前にお金が必要になる仕事は怪しいと言えるでしょう。
「詐欺ではないが低単価」というケース
「まずは副業から」などの謳い文句でライターやウェブデザインの募集をかけているものの、時給換算※すると300~400円で労力と収入が見合っていなかったり、「能力に応じて昇給」などの甘い言葉を使い低い単価でどんどん仕事を依頼してくるケースも少なくありません。
筆者のこれまでの経験では、給料や報酬の安い仕事のほうが制限されることが多く窮屈で、細かい部分まで執拗なほどチェックが入り、精神が疲れてヤル気が削ぎ落とされました。
長期的にみて、収入が見合わないと続かないことが多いので、パソコンやスマホを通じて自宅でできる業務委託の場合でも、単価や仕事内容に注意するのが賢明でしょう。
※時給換算するときは事前準備から業務完了までの時間で計算しましょう。
「…するだけ」は怪しい可能性大
「…するだけ」など、大したことはないような印象を与えたり、誰もが簡単にできそうだという印象を抱かせるのも、怪しい話を見分けるポイントです。筆者の元顧客の中にも、「…だけ」に騙されて悲惨な末路を迎えた人がたくさんいました。
クレジットカードを不正利用されたケース
元顧客の息子(20代前半の学生)は、「クレジットカードを作るだけで5万円あげる」と言われて作成して渡したところ、いつの間にか枠いっぱいまで使われていたことが発覚。
借金の名義貸しをしてしまったケース
元顧客の公務員(40代男性)は、「奥さんに内緒でお金を借りたいから、名前だけ貸して」と頼まれて名義貸しをしてしまい、頼んできた人が債務整理をしたため自分が全額返済するハメに。
「保証人の欄に名前を書くだけのバイト」に乗ってしまったケース
やはり元顧客で70代の年金暮らしの男性はパチンコに入れあげてお金に困り、「保証人の欄に名前を書くだけで1万円のバイトがある」と誘われるがまま、次々に保証人に。ところが、保証人を頼んできた人が1人夜逃げし、また1人破産し、借金の取り立てで首が回らなくなり、結局、息子夫婦が弁護士に相談して解決を図ることになりました。
おわりに
生活が苦しかったり、借金をしたりしている人は、早くラクになりたいと焦る気持ちから、お金に関する「おいしい話」に騙されやすくなる傾向があります。
もしも簡単にお金が手に入るという話に遭遇したら、「自分だったら、そんなおいしい話をわざわざ他人に教えるか?」と、まずは自分自身に問いかけてみてください。そうすれば、目の前にふってわいたその話がほぼ100%の割合で、詐欺まがいや犯罪がらみ、もしくは危険なことだと気づくことができるでしょう。
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