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無年金・低年金をどう回避する?「イマドキのねんきん事情」

LIMO / 2020年10月21日 10時0分

無年金・低年金をどう回避する?「イマドキのねんきん事情」

無年金・低年金をどう回避する?「イマドキのねんきん事情」

「老後、本当に年金ってもらえるの?」「保険料の納め損では?」

漠然とした「年金不安」を抱えている現役世代は少なくないでしょう。

働き方や収入、年金保険料の納付具合によって、老後にもらえる年金額には個人差が出てきます。なかには「年金がゼロ」「一応年金はもらえるけれど、非常に少額」といったケースもあります。

こうした「無年金」「低年金」になるのはどんな場合か整理していきます。また、ご自身がこうしたケースに該当した場合に、今から講じることができる対策についても触れていきます。

みんなの年金事情~「平均額」と実態~

厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業年報(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/gaiyou.html)」(2018年)によれば、厚生年金に加入している人の平均年金月額は、全体で14万3761円(うち男性が16万3840円、女性が10万2558円)です。

また、国民年金に加入している人、もしくは専業主婦(主夫)がもらえる平均年金月額は全体で5万5708円(うち男性が5万8775円、女性が5万3342円)となっています。

『老齢基礎年金』『老齢厚生年金』金額帯ごとの受給権者数はどのぐらい?

さらに、厚生年金保険(第1号)(※1(https://www.pfa.or.jp/yogoshu/ta/ta24.html))と、国民年金の老齢年金の年金月額階級別受給権者数(2018年度末)の受給権者数の分布は以下のようになっています。

どちらも、平均年金月額に近い金額帯がボリュームゾーンとなっている一方で、厚生年金でいえば5万円未満、国民年金でいえば3万円未満など、生活ができるかどうかといったレベルの金額帯の人も、かなりの数存在していることがわかります。

(※1)厚生年金(第1号)(https://www.pfa.or.jp/yogoshu/ta/ta24.html)
厚生年金保険の被保険者のうち、民間の事業所に使用される者。(企業年金連合会HPより)

厚生年金保険(第1号)老齢年金の年金月額階級別受給権者数(2018年度末)

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拡大する(/mwimgs/9/8/-/img_9819a6f90d869d8a8624d6ead4e7b22326558.jpg)

※厚生労働省の資料より編集部作成

国民年金の老齢年金の年金月額階級別受給権者数(2018年度末)

(/mwimgs/6/6/-/img_66de69806c8f2fdc0738248e35d1abcd30965.jpg)

拡大する(/mwimgs/6/6/-/img_66de69806c8f2fdc0738248e35d1abcd30965.jpg)

※厚生労働省の資料より編集部作成

【出典】「厚生年金保険・国民年金事業年報(平成30年)(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/dl/gaiyou_h30.pdf)」厚生労働省

年金受給に必要な「資格期間」は?

「2階建て」の年金制度のうち、1階部分にあたる『老齢基礎年金』は、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が10年以上である場合、65歳になった時点で受取ることができます。保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が10年に満たない場合は、合算対象期間(※2(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-05.html))を加えて10年以上になれば、この場合も受給が可能となります。

この資格期間を満たしていない場合に、年金が支給されない『無年金』になるわけです。2017年7月31日までは、この資格期間は「25年」でしたので、現在は支給条件が大幅に緩和されていることもわかります。

(※2)合算対象期間
「昭和61年(1986年)4月1日以降の期間」「昭和36年(1961年)4月1日から昭和61年3月31日までの期間」「昭和36年(1961年)3月31日以前の期間」それぞれにおいて、指定の条件に当てはまっていた場合。→条件の詳細は日本年金機構ホームページ『合算対象期間(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-05.html)』をご参照ください。

「ついうっかり!」が無年金・低年金を招く?~不整合記録問題~

「無年金」「低年金」となる原因としては、何かしらの事情があって年金保険料が未納となっているケースが多いと考えられます。ところが、「単純なうっかり」が原因となっているケースも!

それが、『不整合記録問題(※3(https://www.nenkin.go.jp/faq/kokunen/seido/3go-fuseigou/20121205-01.html))(※4(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/5.html))』です。

不整合記録問題とは?

『第3号被保険者』であった人が、「自営業になった」「基準額以上の収入を得るようになった」「配偶者が会社員(第2号被保険者)ではなくなった」ことで『第1号被保険者』となった場合、国民年金保険料の支払いをしなくてはなりません。

その届け出を忘れて、『第3号被保険者』の“ままのつもり”で年金保険料の支払いをしなかったことで、年金保険料の未納期間が発生したとみなさてしまいます。

この「うっかり」ミス、救済措置ってないのでしょうか?次でみていきましょう。

(※3)「3号不整合記録問題とは何ですか。(https://www.nenkin.go.jp/faq/kokunen/seido/3go-fuseigou/20121205-01.html)」日本年金機構
(※4)「知っておきたい「年金」の手続(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/5.html)」政府広報オンライン

救済措置ってあるの?

はい。救済措置はあります。最寄りの年金事務所で手続きを行い、届出をしていなかった期間を受給資格期間に繰り入れてもらうことができます。
(ただし、未納期間に納めていない年金保険料の分、支給される額は減額されます。)

また、年金をもらえる年齢を目前にして、「資格期間が足りない」もしくは「未納期間がある」「年金保険料の免除や支払猶予をうけた」などの理由で、無年金・年金減額となる要因があった場合でも、救済措置は用意されています。それが未納の年金保険料を後払いする『追納(※4(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html))』の制度です。

『追納』は、最寄りの年金事務所に申し込み、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、行うことができます。

(※5)「国民年金保険料の追納制度(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html)」日本年金機構

さいごに

「年に1回は夫婦で旅行したいし、孫におこづかいもあげたい・・・」

心豊かな老後生活を送るために、お金はいくらあっても困りません。

公益財団法人生命保険文化センターの「令和元年(2019年)度 生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/press/2019/nwl4.html)」によると、夫婦2人の「最低日常生活費」の平均額は22万1000円、「ゆとりある老後の生活費」の平均額は36万1000円と試算されています。

先述の平均年金月額と比較すると、夫婦で平均的な年金を受給できていた場合でも、この金額をまかなうためには貯蓄の取り崩しが必要となることは想像に難くありません。

『無年金』や『低年金』を回避しつつ、老後生活のための貯蓄についても若いうち意識しておくことを、現役世代は忘れないでおきたいところですね。

【参考】
「厚生年金保険・国民年金事業年報(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/gaiyou.html)」厚生労働省
(※1)「厚生年金(第1号)(https://www.pfa.or.jp/yogoshu/ta/ta24.html)」企業年金連合会
(※2)『合算対象期間(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-05.html)』日本年金機構
(※3)「3号不整合記録問題とは何ですか。(https://www.nenkin.go.jp/faq/kokunen/seido/3go-fuseigou/20121205-01.html)」日本年金機構
(※4)「知っておきたい「年金」の手続(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/5.html)」政府広報オンライン
(※5)「国民年金保険料の追納制度(https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html)」日本年金機構
「令和元年度 生活保障に関する調査(https://www.jili.or.jp/press/2019/nwl4.html)」公益財団法人生命保険文化センター

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