「専業主婦」と「兼業主婦」の生活満足度、どれくらい違う?みんなの回答
LIMO / 2020年11月2日 18時15分
「専業主婦」と「兼業主婦」の生活満足度、どれくらい違う?みんなの回答
女性のキャリアは、出産や育児といったライフイベントの影響を少なからず受けます。とくに20~30代の働く女性が出産のチャンスと仕事の間でキャリア選択を迫られるのはよく聞く話です。今まさに葛藤している最中という方も多いかもしれません。
今回は、出産を機に仕事を辞めた女性と、仕事を継続し育児と両立している女性の環境や満足度についてご紹介します。
出産退職層と就業継続層の満足度を比較すると…
(株)マクロミルと認定NPO法人マドレボニータは協働で「2020年妊娠期・育児期のパートナーシップ実態把握調査」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000036840.html)を実施しました。この調査で、出産や育児を機にそれぞれの選択をした女性たちに生活全般に対する満足度を聞いています。
第一子(0~1歳の子がいる女性)を対象とし、選択肢のタイプは3つに分けられています。
「妊娠が分かった時点で非就業(全体の22.4%)」「出産前後に退職(37.4%)」「就業継続(40.2%)」です。
それぞれの分類の人たちの生活満足度の回答を見ると、出産前後に退職した女性は他の層に比べて満足度が低いことがわかりました。また、出産を機に退職した女性より、仕事を続けている人の満足度のほうが高いという結果が出ています。
生活満足度
妊娠が分かった時点で非就業 39.5%
出産前後に退職 31.5%
就業継続 43.7%
(※育児期の女性ベース)
女性がどのような選択をしたかで、生活環境だけでなく、母である女性自身や周りの意識も違ってくるようです。ひいてはこの調査結果のように満足度にも差が生じています。また、就業継続層は、家事や育児に対して周囲の手を借りることに肯定的です。
夫の家事への協力度も高く、悩みを相談できるコミュニティとのつながりも持ちやすい傾向が見られます。仕事と育児の両立は心身ともに大変なものですが、このような生活環境にあることから育児ストレスはむしろ溜まりにくいのかもしれません。
出産後も働きたいママたちに立ちはだかる壁
産休・育休が終わって復帰する女性もいれば、一時期のブランクを経て再就職する女性もいます。やはり、独身や子どものいない時期とは異なる悩みが挙がってくるようです。
復帰後に待ち受けていたマミートラック?!
産休と育休を終えて職場復帰したAさん。
「以前は営業の仕事をしており、出産後もバリバリ働こうと意気込んでいました。ところが、育休後に任された仕事は事務補佐。しかも単純作業ばかりでキャリアコースから大きく外れたように感じます。営業手当や役職手当もなくなり、収入も一気に下がりました」
上司に営業に戻りたい意向を伝えても、「ママになったんだからのんびり働いたら?」と返されるだけ…。
「噂には聞いていましたが、まさか自分がマミートラックに遭うとは思っていませんでした」
出産退職でキャリアを諦めた代償
育児が落ち着いたらまた働きたいと考えていたBさん。
「育児が始まった途端、予想以上の出費に驚きました。保育園に預けて働こうと思ったのですが、地域の受け入れが難しい状況で希望した保育園にはどこにも入れませんでした」
預け先が決まらないままの就職活動もうまくいかず…。結局、経済的に不安を抱えたままの生活が続いています。
「キャリアを諦めた代償が、こんなに大きいとは思いもしませんでした」
育児を両立しやすい仕事をするという選択肢
育児中は、保育園や幼稚園のお迎え時間、何かあればすぐ呼び出されますし、急な熱やケガには昼夜付き添うことになります。職場や同僚に気を遣いながら仕事を続けているママも多いでしょう。
この要素を踏まえ、両立しやすい職業・職種を選ぶのも一つの方法かもしれません。
たとえば、「デザイン業務」「Webマーケティング」「ライティング」などリモートでも進めやすい業務もあります。オフィス勤務で、急な休み、遅刻・早退が頻繁になっても職場全体の業務進行に大きく影響することがあまりありません。
独学できるものから資格が必要なものまでさまざまですが、手に職を付けておけば出産後のキャリアの選択肢の幅も広がるでしょう。
結婚、出産前からスキルアップに取り組んでおくと役立ちます。
まとめ
「出産したら仕事はどうしよう…」働く女性の多くが経験する迷いと葛藤。たとえ、仕事を辞めたとしても一人で子育てするのは難しいことです。
前述の調査結果では、仕事をしながら家事や育児を両立していくほうが、生活満足度が高いようでした。しかし一方でマミートラックに陥ってしまう状況もあるようです。
「働いているから生活満足度が高い」のではなく、「自分の希望が妊娠・出産で断念されなかった」ことが生活満足度の向上につながっているのかもしれません。働いた方が経済的な不安が軽減しやすいですが、「今は子どもとの時間を大切にしたい」と専業主婦になるのも1つの選択です。
専業主婦でも兼業主婦でも、社会、会社、周囲が「子の成長を見守る、理解する」環境が求められているのかもしれません。
参考
株式会社マクロミルと認定NPO法人マドレボニータの協働調べ「2020年妊娠期・育児期のパートナーシップ実態把握調査」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000036840.html)
調査対象:マクロミルモニタ20~45歳の男女(妊娠期:母親が第一子を妊娠中、育児期:第一子が2歳未満、母親が育休中/専業主婦/就業中)
調査地域:全国
調査方法:インターネットリサーチ
調査時期:事前調査2020年1月24日(金)~1月28日(火)本調査2020年1月29日(水)~2月1日(土)
有効回答数:事前調査2万9,967サンプル(報告書中では性年代構成比かつ全体を3万サンプルとなるようWB集計)本調査1,236サンプル
調査実施機関:株式会社マクロミル
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