「ペットと一緒の避難生活」にはどんな準備が必要?【犬猫編】
LIMO / 2020年11月6日 0時30分
「ペットと一緒の避難生活」にはどんな準備が必要?【犬猫編】
ここ数年、豪雨などの自然災害が相次いでいますね。ペットと暮らしている家庭では、ペットと一緒に避難ができるのか?どんな備えが必要なのか?と不安に感じている方も多いはず。そこで今回は災害時にペットと一緒に避難する方法や備え、一緒に避難できない場合の対処法などをご紹介します。
「同行避難」と「同伴避難」の違い
ペットとの避難に備える前に知っておきたい言葉が、同行避難と同伴避難の2つです。
同行避難とは?
2011年の東日本大震災では避難所に連れて行けず自宅に残したペットが迷子になるなど、さまざまな問題が起こりました。そのため現在政府ではペットを飼っている方に同行避難を呼びかけています。この同行避難は動物愛護の考えをもとに、飼い主自身が安全な状況を確保した上で、ペットを安全な場所に避難させるという考え方。必ずしもペットと同じ場所で避難生活をおくれるということではありません。
また、ペットを連れて避難した人とそうではない人たちの間でトラブルが見られる、というケースも発生しているようです。そのため自治体によっては避難所でペットと一緒に暮らすことを認めていない場合や、ペットが過ごすスペースを確保していない避難所などもあります。
同伴避難とは?
同伴避難は飼い主とペットが同じスペースで暮らすことができる避難方法で、現状では基本的に盲導犬などの一部の動物との避難でしか適用されていません。ただし災害から少し時間がたち、新たに避難場所を確保できる場合などには、通常のペットと同伴避難できる場所が設置されたというケースもあります。
ペットと一緒に行ける避難所の探し方
ペットの有無にかかわらず避難所の位置を探すには、自治体の公式HPを使用します。同伴避難を強く推奨している自治体では避難方法や事前準備についても提案されているので、内容をしっかりと確認しておきましょう。
また自治体によってはペットについて言及されていない場合もあります。このような場合には個別にメールや質問用のフォームを活用して確認するのがおすすめです。
備えておきたい同行避難の準備
ペットと一緒に暮らす際には、災害時への備えが必要です。まずは同行避難のために必要な準備を考えてみましょう。
1.ペット用の防災グッズ
避難所にペット用のスペースがある場合でもない場合でも、必要になるのがペットの防災グッズ。人間とは違い、ペットのものは自治体などで備蓄されていない場合や、支援が後まわしになってしまう場合も多いものです。そのため飼い主が事前に準備しておくことが大切です。
最初に必要なのがフードです。例え物資が入ってきたとしても好き嫌いや年齢、アレルギーで与えられるものがあるとは限りません。また環境が変わったストレスで食欲が減少することも考えられるので、よく食べるものを選んでいくつかの種類のフードを用意しておきましょう。
次に用意しておきたいのがトイレ用品。トイレも食事同様、ペットの体調に直結するものです。いつも使っているものを2週間分ほど多めに用意しておくようにしましょう。ほかにも避難時に必要なリードやハーネス、キャリーケースなどを用意しておくことも必要です。
2.しつけや訓練
物品だけでなく、しつけや訓練もペットの避難では重要です。もし同じ避難場所にペットと行けたとしても、避難所まで移動するときにはキャリーケースの中に入れて運ぶことになるので、普段から慣れるように練習をさせることが必要です。移動の際にはリードやハーネスをつけておくことも大切なので、こちらも訓練しておくといいですね。また避難所ではケージの中で過ごす時間が長くなるので、日常からケージの中で過ごすことを慣れさせておくことも大切です。
ほかにも犬の場合にはお手などの基本的なしつけを行うことや、猫の場合は家族以外の人を怖がらないように訓練しておいたりすることも必要です。
同じ場所に避難ができない場合の備え
もし避難所にペットを預けられるスペースがない場合、ペットを避難所以外で過ごさせることが必要になります。ここではそんな場合に備えて、3つの方法をご紹介します。
1.自宅にペットだけを残す場合
家に重大なダメージがない場合や、二次災害の危険性がないケースにはペットだけを家に残していくという選択肢もあります。この場合には飼い主が家に戻り、食べ物などの世話をすることが必要となります。いつもの買い物のついでに災害用にフードなどを備蓄しておくようにしましょう。
2.自動車を使って避難する場合
家からの避難に自動車を利用するという方には、自動車の中でペットの世話をする方法もおすすめ。車内をワイヤーネットなどで区切って、逃げ出せないように工夫することでペットが自由に過ごせる場所が作れます。
この場合には通常時から車の中にペット用の防災グッズを常備しておくと、いざというときに慌てなくて済むのでおすすめ。
3.テントを使って避難する場合
避難所でテントを使う方法はペットの過ごすスペースを確保するだけでなく、家族のプライバシーを守る方法としても有効な手段。ペットの避難用にテントを用意する場合には、ペットがゆったりと過ごせるケージが入るサイズがおすすめです。
犬・猫以外の動物の避難方法は?
自治体などで想定されているのは犬や猫がほとんどで、鳥や小動物などの避難については情報が少ないのが現状。また種類によっては犬や猫と同じスペースにいることでストレスを感じることもあります。先ほどお話しした同じ場所に避難ができない場合の備えの内容を参考に、ペットのストレスが少ない方法を選んで安全な場所に避難させてあげるようにしましょう。
一緒に避難できない時の対処法
一緒に避難できない場合や受け入れ態勢が整っていないペットの場合には、親戚や知人の家に預けるという方法も考えておきましょう。実際に災害が起こる前から世話の仕方を伝え、ペットに慣れさせておくことで、スムーズに避難させることができますよ。
あわてないように緊急時に備えましょう
ペットとの避難で知っておきたい知識や備えておきたいアイテムについてご紹介しました。災害はいつ起きるかわからないもの。ぜひ今回の内容を参考に備えておくようにしましょう。
【参考】
「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506/ippan.pdf)」(環境省)
「ペットの災害対策について(https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/iryoeisei/seikatsueisei/petsaigai.html)」(千葉市)
「災害時の避難 ペットはどうする?(https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/302866.html)」(NHK)
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