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会社員と公務員、退職金の相場はいくら?退職金制度の今とは

LIMO / 2020年10月27日 18時45分

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会社員と公務員、退職金の相場はいくら?退職金制度の今とは

老後は退職金と年金があるから安泰――しかし、実際はどうなのでしょう。厚生労働省「平成30年就労条件総合調査-退職給付(一時金・年金)の支給実態(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaiyou04.pdf)」によると、一般企業では平成25年~30年の5年間で30~280万円ほど退職金が減っているのだそうです。

また、退職金がある企業自体も減少傾向にあるのだとか。そんな一般企業に勤める会社員と公務員の退職金には、どのくらい金額に違いがあるのでしょうか。その相場や、退職金制度の今について考えてみました。

退職金の相場は実際どのくらい?

老後資金としても重要な退職金。まず、厚生労働省「平成30年就労条件総合調査-退職給付(一時金・年金)の支給実態(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaiyou04.pdf)」から全国的な相場をチェックしてみると、定年退職者の平均は大学・大学院卒が1,983万円、高卒が1,618万円であるそうです。勤続年数別(退職給付金制度計・平均/勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者)の結果はこちらをご覧ください。

【大学・大学院卒】(管理・事務・技術職)
20~24年:1,267万円
25~29年:1,395万円
30~34年:1,794万円
35年以上:2,173万円

【高校卒】(管理・事務・技術職)
20~24年:525万円
25~29年:745万円
30~34年:928万円
35年以上:1,954万円

大卒・高卒で金額にはこれだけの違いがあるようです。勤続年数にもよりますが、学歴によって倍近い差が出てしまうとは驚きですね。

しかし、日本の企業数の大半を占める中小企業に絞るとどうでしょうか。東京都産業労働局が従業員数10~299人の都内中小企業を調査した「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)(https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/chingin/h30/)」によると、モデル退職金(卒業後すぐ入社、普通の能力と成績で定年まで勤務した場合)は、大卒1,126万8千円、高専・短大卒1,106万6千円、高校卒1,126万8千円という結果です。

勤める企業や勤続年数によって、およそ500~850万円、大きいと1,000万円近い差が出てしまうようですね。

公務員の退職金はいくらもらえるの?

それでは、一般的に安定しているとみられる公務員の退職金はどのくらいなのでしょうか。公務員の給与やボーナスは毎年民間企業の給与実態を調査した結果決定され、退職金については5年ごとに調査されているそうです。内閣人事局「退職手当の支給状況(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/sikyu_jokyo30.pdf)」から、平成30年度に国家公務員退職手当法の適用を受けた集計結果をみてみましょう。

【常勤職員】(定年/平均支給額)
20~24年:1,190万4千円
25~29年:1,650万3千円
30~34年:1,992万7千円
35~40年:2,300万5千円

勤続24年までは民間企業(大学卒・大学院卒)の方が多いですが、勤続25年からおよそ120~250万円ほど公務員の金額の方が高くなる傾向にあります。また中小企業と比べると、最終的に1,000万円以上公務員の方が多く退職金が出ることが分かります。

退職金がもらえないことがある⁉

しかし、そんな退職金も必ずもらえるとは限らないのが事実。先ほどの「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」によると、退職金制度そのものが「ない」と答えた企業も24.2%存在します。

また、同調査によると退職一時金受給のため最低勤続年数は「3年」が最も多く、会社都合退職(29.5%)・自己都合退職(48.8%)と、自己都合退職の場合約半数が勤続3年に満たないと退職金を出さないことが分かります。

そのほか、退職金というと退職時に支払われるイメージがありますが、近年は「前払い退職金制度」を設けている企業も増えています。これは在職中の給与に退職金相当額を上乗せするシステムで、導入している企業は4.5%に相当します。退職金相当分をきちんと貯蓄したり運用したりしていなければ、いざというときに困ることになるので注意しましょう。

退職金制度の導入率は減少傾向

退職金制度の導入は会社の任意とされており、必ずしも義務ではありません。そして、先述の「就労条件総合調査」によると、この10年で退職金制度のある企業は減少傾向にあるのだそうです。現在は転職も一般的で、企業側が中途採用で優秀な人材を確保しようとするケースも増えています。

そのため、長期勤続者を優遇する退職金制度そのものにメリットがなくなってきているという現状もあるのかもしれません。前払い退職金制度も、そんな人材の新陳代謝を促すために導入されている側面があるようです。

日本の労働環境は、年々変化し続けています。退職金制度もそのひとつ。老後は2,000~3,000万円貯蓄が必要だともいわれ、退職金だけを頼りにしているとリスクを伴うおそれがあります。「老後は退職金があるから安心」と気を抜かず、自分たちはどのくらい退職金が出るのか、今から準備できることはないか、気づいたときから考えていく必要がありそうです。

【参照】
厚生労働省「平成30年就労条件総合調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaiyou04.pdf)」-退職給付(一時金・年金)の支給実態
東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)(https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/chingin/h30/)」
内閣人事局「退職手当の支給状況(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/sikyu_jokyo30.pdf)」
内閣官房「民間企業における退職給付制度の実態に関する調査・研究(平成29年度)(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/minkan_taisyokukyufu.html?_fsi=cvWTdxs3)」

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