「妻のモヤモヤが減る!?」平等な家事分担のために、夫婦で知っておきたい2つのルールとは。
LIMO / 2020年10月28日 0時20分
「妻のモヤモヤが減る!?」平等な家事分担のために、夫婦で知っておきたい2つのルールとは。
2020年。twitterのつぶやきに端を発した「ポテトサラダ論争」や「冷凍餃子論争」などが、多くの女性の反感を買ったのは、記憶に新しいところです。
「じゃあ自分で作ってみたら?」
家事って、どうしてこう、「時短」「お手軽」な方法でちょっと手間を抜いた途端、家族からは「手抜きだ」「さぼりだ」とモノ言いがつきやすいのでしょうか。夫婦間の家事に対する意識の差も関係しているかもしれませんね。
何かと女性の側に負担が偏りがちな『家事シェア』について、ちょっと考えてみませんか。
家事負担「妻は夫の2倍以上!?」
内閣府の男女共同参画局が発表した「令和2年版(2020年版)男女共同参画白書(http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/gaiyou/pdf/r02_gaiyou.pdf)」。第2章の「家族類型から見た「家事・育児・介護」と「仕事」の現状」によれば、「家事時間」「育児時間」について、以下のような報告がなされています。
家事時間
単身世帯
男性:1時間、女性:1時間10分
夫婦のみ世帯
男性:45分、女性:1時間59分
夫婦+子ども(就学前)世帯
男性:1時間57分、女性:4時間38分(うち育児時間 男性:1時間10分、女性:2時間27分)
単身世帯では、ほとんど差がありませんが、結婚した途端に妻(女性)の負担が増えている現状を垣間見ることができます。
一方で、仕事時間をみてみましょう。
仕事時間
単身世帯
男性: 8時間54分、女性:8時間29分
夫婦のみ世帯
男性: 8時間59分、女性:7時間39分
夫婦+子ども(就学前)世帯
男性:10時間2分、女性:7時間40分
家族が増えるに従い、妻(女性)の仕事時間は減り、夫(男性)の仕事時間は増えていく、という傾向をうかがうことができます。
結婚前と結婚後、男女の「家事時間」はどう変わる?
さて、ここでちょっと算数の問題です。
「Aの蛇口だけだと、浴槽をいっぱいにするのに15分かかり、Bの蛇口だけだと20分かかる。
ではAとBの蛇口両方を使ったら、浴槽は何分でいっぱいになるでしょうか?」
答えは、「8分ちょっと」ですね。
当然「Aだけ」、「Bだけ」の時より早いわけです。
でも、なぜか結婚後の「家事シェア」、この蛇口のようにはいかないのですよね。それぞれに家事をしていた2人が一緒に住むようになった「夫婦のみ世帯」でも、合計2時間44分。独身時代に各自で家事をしていたときの合計時間2時間10分より、なぜか時間が伸びています。
自分一人の気ままな生活と、お互いへの気遣いがある程度必要となる夫婦での生活が、単純に比較対象になるのかはさておき…。
前述の報告書では、
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という、いわゆる性別役割分担の考え方について、「反対」と「どちらかというと反対」を合わせた回答が男性の約55.6%、女性の約63.4%を占めており増加傾向にある。
と報告されています。ただ、筆者の周囲をみても、妻が家事や育児のために自分自身の生活バランスを大きく変えて、家族のライフステージの変化に対応しているというのが現状といった感があります。
所帯持ちになると、夫のほうは、収入アップを目指して仕事に邁進。その分妻の負担が増える、というパターンは多く見聞きします。共働きの場合も、妻の側が勤務時間を調整するなどして育児や家事を行う、といった家庭は多いように思えます。
共働き世帯は確実に増えている
さて、ここ数年で、共働き世帯は着実に増加しています。参考までに、厚生労働省所管の独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が、厚生労働省や総務省などの各種統計をもとに算出した専業主婦世帯と共働き世帯共働き世帯の推移を見てみると、以下のようになっています。
1980年代と比較すると、共働き世帯は2倍以上!「夫婦ふたりで家計を支える」というスタイルが自然になっているということ。前述の「夫は外で働き、妻は家を守る」という価値観での家事負担は、専業主婦世帯が多かったころならばともかく、今の状況においては、妻にとっては大きな重荷となり得るものでしょう。
確かに、夫の就業時間が妻と比べて極端に長い、というような場合、帰宅後ルーティーンの家事が待っているのは、少々酷な気もします。とはいえ、妻ばかりが負担を感じる、手抜きも息抜きもできない、という状況は考え直さないといけませんね。
そして「夫婦ともに就業時間が同程度」さらに「妻の仕事のほうが忙しい」といった世帯の場合は、家事負担の不公平感は、早めになくしていく必要があるでしょう。
どんな夫婦にも使える「家事シェア」のルール
さて、夫とうまく「家事シェア」するためのコツってあるのでしょうか?
「頼み方を工夫する」「家事スキルを褒めて伸ばす」「家事のクオリティにはある程度目をつぶる」といったテクニック(?)は常套手段ですね。
でも、「なんだかそれって旦那のヨイショばっかりって気がする…」とちょっと不満な奥様もいるでしょう。
「すべての家事をリストアップして分担、相手の領域には絶対に手出ししない」というルールを徹底している夫婦もあるようです。ただし、これは、「汚部屋でも全然OK」といった“おおらかさん”と「常に清潔ないと気が済まない」という“きちんとさん”の間では成り立たないやり方でしょう。
人それぞれ、向き不向きってありますよね。「掃除が苦手…」と感じている妻や、「洗濯は結構好き」という夫はたくさんいるでしょう。また、「育児」や「介護」といった、「家事以外の家のこと」のボリュームも家庭によって異なります。
そこで、筆者が考える「上手な家事シェアを目指すための、2つのルール」をご紹介したいと思います。
日頃の家事のなかで、「これは得意」「これは苦手」というものは何かを夫婦で共有する。
「切り捨てても生活に支障がない家事」はあるかを話し合う。
細かい分担や家事のやり方などは、その後に決めればよいでしょう。「適材適所」「臨機応変」に構えていくことで、お互いの負担は確実に減っていきます。それが、気持ちよい家事シェアに繋がる一歩ではないかと筆者は感じています。
さいごに
『世界は誰かの仕事でできている』
とある飲料の、印象的なCMコピーがありましたね。これって、家の中でも同じことだと思うのです。
「洗濯」「掃除」といった、ちゃんと名前がついている家事、そしていわゆる「名もなき家事」。どちらも、誰かやらないと、家族の生活が回っていかないのです。そこで必要なのは、「誰がやるか」ではなく、「どうしたらお互いの負担が軽くなるか」いう視点でしょう。
「家事シェアの不平等感」、この解決のカギを握るのは、夫婦が主張をぶつけることではなく、歩み寄りであると筆者は感じます。
【参考】
「令和2年版(2020年版)男女共同参画白書(http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/gaiyou/pdf/r02_gaiyou.pdf)」内閣府
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