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コロナ禍なのに増加?!「働く人」がもっとも増えた業種1位とは

LIMO / 2020年11月3日 20時45分

コロナ禍なのに増加?!「働く人」がもっとも増えた業種1位とは

コロナ禍なのに増加?!「働く人」がもっとも増えた業種1位とは

コロナ禍が続く中、2020年8月の完全失業率が3年3カ月ぶりに3%にまで上昇している一方で、「働く人」が増加している業種も存在します。ここでは、総務省統計局が発表した最新の「労働力調査(2020年9月)」をもとに、現時点で就業者数が前年と比較して大きく増加した業種をみていきます。

(参考記事:「コロナ禍で「働く人」がもっとも減った業種とは?」(https://limo.media/articles/-/19849))

就業者数が増えた業種は?

では、就業者数が大きく増えた業種を見てみましょう。以下は「労働力調査(2020年9月)」をもとに算出した、就業者数の増加率ランキングです。

就業者数の増加率ランキング

1位:不動産業,物品賃貸業(前年同月比11.6%増、15万人増)
2位:金融業,保険業(同11.3%増、19万人増)
3位:情報通信業(同8.6%増、19万人増)

4位:教育,学習支援業(同3.7%増、12万人増)
5位:医療,福祉(同2.1%増、18万人増加)

コロナ禍で不動産業の需要増

就業者数の増加率が最も高かった業種は「不動産業・物品賃貸業」でした。

これは、コロナ禍に入ってから不動産投資やマンション購入が活発的に行われるようになったことが原因であると考えられます。

アメリカの商業用不動産投資サービス会社「JLL」が行った調査(※1)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000443.000006263.html)によると、2020年1~3月期の都市別の商業用不動産投資額は東京が1位で96億ドルでした。これは2位のニューヨークと比較すると4億ドル多く、また昨年の同期と比較しても14億ドル増加していました。

また、「不動産経済研究所」が発表した「2020年上半期首都圏マンション市場動向(2020年1月~6月)」(※2)(https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion)を見ると、供給は44.2%減と大幅に減少したものの、首都圏マンションの平均価格は8.7%上昇の6,668万円、8年連続の上昇となっており、コロナ禍にも関わらず不動産の需要が増え続けていることが伺えます。

これはコロナ禍をきっかけに在宅勤務を経験し、「通勤時間の無駄に気づいた」という高所得者層を中心に、都心の好立地のタワマンなどの人気が再燃していることなどが要因であると考えられます(※3)(https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4465/index.html)。

在宅勤務を導入した業種は働く人が増加

就業者数の増加率が高い業種は、在宅勤務を導入した企業が多い傾向にあります。

「独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)」が行った「在宅勤務の適用の有無に関するアンケート」(https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/046_200916.html)によると、在宅勤務の導入率が高い業種ランキングは以下の通りでした。

在宅導入率ランキング

1位:情報通信業(83.1%)
2位:教育学習支援業(68.8%)
3位:金融保険業(58.7%)
4位:不動産業(45.2%)
5位:製造業(42.2%)

就業者数の増加率と照らし合わせると、在宅勤務の適用率1位の情報通信業は就業者の増加率が3番目に高いです。

情報通信業と、金融保険業はコロナ禍以前からテレワークの導入率が高かったようです。総務省が行った「平成30年通信利用動向調査の結果(2019年)」(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000062.html)によると、2019年時点でテレワーク導入企業のうち4割が情報通信業と金融保険業が占めていました。

教育・学生支援業は「eラーニング」の需要が高まる

また、在宅勤務の適用率が2位の教育学習支援業は就業者の増加率が4番目に高いですが、これは「eラーニング」の市場規模拡大が影響していることが考えられます。

㈱矢野経済研究所が発表した「eラーニング市場に関する調査」(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2404#:~:text=2020%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%86%85e,%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%81%BF%E3%82%8B%E3%80%82)によると、2020年度の国内eラーニング市場規模は、前年度比4.5%増の2,460億円の予測を示しており、またCOVID-19の影響によって遠隔教育の需要が高まり、eラーニングのユーザー数を増加させるものとみています。

「eラーニング市場に関する調査」が発表されたのは2020年4月時点でしたが、教育学生支援業の就業者数の増加率が上昇していることから、実際にeラーニングの需要が高まったことと考えられます。

医療福祉業は就業者数の増加率が落ち着く

「労働力調査(2020年9月)」で就業者数の増加率が5位となった「医療福祉業」ですが、「労働力調査(2020年3月)」では就業者数の増加率は同4.8%増(同40万人増)と、全業種で最も高い数値でした。

コロナ禍が始まった直後の1月~3月にかけては前年同月比の就業者数が大きく増加していましたが、少し落ち着いた8月時点ではそこまで爆発的な増加率とはならなかったようです。

さいごに

コロナ禍に就業者数の増加率が高い業種についてみてきました。個人的には、1位は「医療・福祉業」だと考えていましたが、意外にも「不動産業,物品賃貸業」であったことに驚きました。

就業者数の増加率が高い業種の多くは在宅勤務を導入していることからも分かる通り、これからの時代は「変化に対応できる企業が生き残る時代」なのではないかと思います。

参考

「労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)9月分結果」(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html)総務省統計局
(※1)「JLL、2020年第1四半期 世界の商業用不動産投資額を発表」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000443.000006263.html)JLL
(※2)「2020年上半期首都圏マンション市場動向(2020年1月~6月)」(https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/429/s2020-16.pdf)不動産経済研究所
(※3)「コロナ禍なのになぜ購入? 追跡!都心の不動産売買」(https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4465/index.html)NHK『クローズアップ現代+』
「在宅勤務の適用の有無に関するアンケート」(https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/046_200916.html)JILPT
「平成30年通信利用動向調査の結果(2019年)」(https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000062.html)総務省
「eラーニング市場に関する調査」(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2404#:~:text=2020%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%9B%BD%E5%86%85e,%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%81%BF%E3%82%8B%E3%80%82)矢野経済研究所

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