FTSEラッセル、中国国債を世界国債インデックスに採用 <HSBC投信レポート>
LIMO / 2020年11月4日 6時0分
FTSEラッセル、中国国債を世界国債インデックスに採用 <HSBC投信レポート>
FTSEラッセルは、2021年10月から中国国債を世界国債インデックス(WGBI)に採用することを決定し、世界で2番目の規模を誇る中国債券市場への巨額の資金流入への道を開いた。
FTSEは、中国国債の組み入れは12ヶ月間にわたって段階的に行われるとし、その条件として、最近発表された改革が投資家のニーズを満たしていることが2021年3月までに確認されることを挙げている。
同改革では、簡素化された口座開設プロセス、サードパーティとのFX取引機能、取引時間の現地時間午後5時から午後8時への延長、T+3(決済日=注文の約定日の3日後)を超える決済を可能にする決済プロセスの変更などが掲げられている。
WGBIをトラックしている資産は約2.5兆米ドルと推定され、中国債券の指数採用で、組み入れ期間中に約1,400億米ドルから1,500億米ドル(月間120億から125億米ドル)に及ぶ資金流入が発生する可能性があるとHSBC投信では予測している。
中国債券のWGBI債券指数への採用は、それぞれ今年11月と12月に組み入れが完了する予定のブルームバーグ・バークレイズ総合インデックスとJPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイドへの組み入れに続くもので、世界的な債券指数への採用が最終段階に入ったことを表している。
しかし、それは、中国と米長期国債の金利差の拡大と人民元高を考えると、指数採用期間後に資金流入が止まることを意味するものではない。
中国の10年国債利回りは現在3.1%で、米国の4倍(0.68%)を上回る水準にある。同時に、中国のオンショア債券は、過去において他の資産クラスとの相関が比較的低く、世界的なリスクセンチメントの影響を受け難いため、分散効果の点でも魅力がある。
現在進行中の市場改革
3つの主要な世界債券指数に採用されることは、双方向の資本フローを促進し、長期的に信用格付けの格差を縮小することを目的とした中国の金融市場自由化プロセスの重要なステップとなっている。
長らく中国の金融システムにおいて問題となっている事項の1つは、商業銀行への依存度が高いことであった。こうした銀行は、民間の中小企業より、国営大企業への信用供与に傾きがちである。政策当局は、外国からの投資を増やすことで、銀行のシステムリスクを軽減しながら、市場の流動性と銀行の効率性を高めることを望んでいる。
短期的には、WGBIをトラックしている投資家の80%がインデックス追随型のパッシブ運用であることを考慮すると、よりパッシブで安定した資金フローが中国債券をトラックし始めると考えられる。また、WGBIは主に先進国の市場動向を測る指数であり、この点では、中国債券も現在では先進国市場の資産と見なされているとも言えよう。
一方、中国の構成比率はWGBIの約5.7%と見られ、米国(35.83%)、日本(17.69%)、フランス(8.74%)、イタリア (7.77%)およびドイツ(6.37%)に続いて、インデックスの構成比率で6番目に大きな市場となる。
また、FTSEによれば、中国のウエイトは英国(5.46%)とスペイン(5.04%)を上回る。一方、現在の水準で見ると、中国の債券利回りは、メキシコに次いでWGBIで2番目に高い。
今後の展開
中国人民銀行によると、2020年8月時点で、外国人投資家は1.6兆人民元、発行残高の約9%の中国国債を保有している。
市場開放が進むにつれ、他の先進国の国債よりも魅力的な高利回りから、より多くの外国投資家(中央銀行、年金基金、保険会社など)が中国債券の市場に参加すると思われる。そして、外国人投資家は国債市場で地歩を築いたら、その先、政策金融債や社債にも触手を伸ばしてくることが期待される。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
相対的に高い利回りとスプレッド安定…2025年の「米投資適格社債」は底堅く推移するとみる【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月10日 11時0分
-
1位は「ウエリントン・トータル・リターン債券ファンド(年1回・ヘッジなし)」! 新設ファンドに人気集まる(24年11月の外債ファンド)
Finasee / 2024年12月30日 7時0分
-
2024年市場予測の誤算、AIブームで米国主導の株高継続
ロイター / 2024年12月26日 11時37分
-
「S&P500」とともに資産形成に必要なファンドとは? ゆうちょ銀行・郵便局に起こっている変化にも注目
Finasee / 2024年12月25日 7時0分
-
焦点:今年は「債券の年」、世界の債券ファンドへの資金流入が過去最高に
ロイター / 2024年12月20日 14時22分
ランキング
-
1「大株主として激怒」中居正広さんトラブル報道で“物言う株主”がフジテレビ側に第三者委員会の調査求める
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月15日 18時2分
-
2「来週会合で利上げ判断」=米新政権政策、賃上げ注視―植田日銀総裁
時事通信 / 2025年1月15日 16時8分
-
3《三菱UFJ銀行》10億円を奪った元行員・今村由香理(46)の夫は“4.5億円資産家”だった 駐車場収入も「奥さんが徴収に来ていましたよ」
文春オンライン / 2025年1月15日 16時0分
-
4裏切られた気持ちでいっぱいです…月収25万円・65歳サラリーマン、毎年「ねんきん定期便」を必ずチェック、年金月19万円のはずが「初めての年金振込日」に知った衝撃事実に撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 8時15分
-
5防犯カメラ増設、幹部処分へ=貸金庫窃盗で追加策―三菱UFJ銀
時事通信 / 2025年1月15日 19時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください