年収600万円世帯。みんなの貯蓄額はどのくらい?

LIMO / 2020年11月3日 18時45分

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年収600万円世帯。みんなの貯蓄額はどのくらい?

皆さんは「年収600万円世帯」と聞くと、どのようなイメージをもつでしょうか。令和2年9月に国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf)」が発表され、それによると日本人の平均給与は「436万円」であることが分かっています。平均年収よりも高い年収600万円世帯。

もちろん世帯人数、子供の数、住む地域などによってもその生活スタイルは大きく変わってきますが、単身者であれば趣味や外食を十分に楽しめるような裕福な生活ができ、貯蓄もしっかりできるのではと推測できます。2人以上の世帯であっても、富裕層とはいわないまでも十分に生活できる基盤が整っている世帯といえるのではないでしょうか。

さてそんな年収600万円世帯。同じくらいの年収をもらっている人たちは一体どのくらい貯蓄をしているのか、気になりませんか。なかなか他人には聞けない貯蓄額。総務省統計局が発表している「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」をもとにじっくりみていきましょう。

年収600万円世帯の貯蓄額はいくら?

同調査によると、年収600~650万円の勤労世帯の貯蓄額は「1,072万円」だと発表されています。その内訳についてみていきましょう。まず預貯金については普通預金などの通貨性預貯金が324万円、定期性預貯金が403万円となっています。預貯金以外の金融資産については、生命保険などが238万円、有価証券が80万円、その他27万円というデータです。貯蓄額が1,000万円を越えていることを見るに、これくらいの貯蓄ができる年収600万円世帯はやはり十分な生活ができているように思われます。しかし本当にそうなのでしょうか。

「貯蓄1000万円」で足りる?

貯蓄額を把握するにあたり忘れてはいけないのが「負債額」です。年収600万円世帯の負債額は一体いくらなのでしょうか。同調査によると、年収600~650万円世帯の平均負債額は「1,039万円」だと発表されており、その内訳は住宅・土地のための負債が976万円と大部分を占めています。さきほどの平均貯蓄額1,072万円と比較すると、年収600万円世帯では貯蓄額と負債額がほぼイコールとなり、貯蓄額から負債額を引いた純貯蓄額としてはわずか33万円ほどしかないということになります。

負債額を考慮するとほとんど貯蓄ができていないことが判明した年収600万円世帯ですが、同調査を見てみると年収600~650万円世帯の平均年齢は47.5歳。世帯人数の平均は3.40人で、内18歳未満の世帯人員が1.08人いるというデータが出ています。住宅ローンが十分に残っているだけではなく、教育費もまだまだかかる世帯が多いと考えられ、なかなか貯蓄を増やしていくことが難しい世帯といえるでしょう。

貯めるだけでなく、運用に目を向ける

そのような中でも、老後の生活に向けて少しでも貯蓄額を増やしていきたいところですよね。しかしながら、今の時代ただ普通預金として銀行に預けておくだけではお金は増えていきません。ただ貯めるだけではなく、少しずつ「運用」にも目を向け、お金を増やすことを考えるということも大切です。

とはいいつつも、「運用って一体何をすれば良いのかわからない」「お金が減ってしまうのが怖い」などなかなか手が出せない人も多いのではないでしょうか。そのような方はまず、節税をしながら資産運用ができる、iDeCoやNISAから始めてみることをおすすめします。通常、投資などによって得られる運用益には約20%の所得税がかかってくるのですが、iDeCoやNISAは非課税なのが特徴です。

さらに、iDeCoは所得控除の対象となっており、投資した金額に応じて所得税等が軽減されるため、仕事をしていて所得税がかかっている人にとってはそれだけでもやる価値が大きいといえます。またiDeCoでは定期預金・保険などのように元本確保型の商品を選ぶこともできるので、「運用には興味がないけれど、所得税控除のために、iDeCoをしてみたい」という方はまずそのような元本が保証されている商品から始めてみるとよいでしょう。

しかしながらせっかくの運用ですので、元本確保型だけではなく、元本変動型の運用商品に目を向けてみてもよいかもしれません。リスクとリターンのバランスの取れた運用商品から、ハイリスクハイリターンの運用商品まで、選ぶ金融機関によってさまざまな商品が用意されているので一度調べてみてはいかがでしょうか。

ただお金を置いておく時代は終わった

現代はただお金を銀行預金として置いておくだけで利益が出るというような時代ではなくなりました。しかしその代わりに今は多種多様な金融商品が出ています。例えば昔は教育費用を学資保険として積み立てていた人が多いかと思いますが、現在は学資保険以外でも金利の良い積み立て方法がたくさん確立され、つみたてNISAで貯める方法、終身保険の教育費用プランで貯める方法など、さまざまな選択ができるようになっています。

多様な商品が出ている中で、何を選べば良いのか難しいと思う方も多いでしょうが、自分で調べることが難しければファイナンシャルプランナーや保険ショップなどのプロの意見を聞きながら、少しでもお金が増えるような貯蓄の仕方を調べていくことが大切です。

そして運用に目を向けるにあたって大事なのは、家族のそのときの状況に合わせて、流動性のある貯蓄とそうではない長期運用としての貯蓄をしっかり切り分けていくということです。将来のために運用にたくさん回したいという方もいるかもしれませんが、目の前に控える大学入学費用や住宅ローンの繰り上げ返済、急病などに備える費用など、流動性のある貯蓄はいくら必要なのか、どのくらいを運用に回せるのかをしっかりと考え、資産を管理していくことが大切だといえるでしょう。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参照】
国税庁「民間給与実態統計調査の調査概要(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf)」
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」8-2年間収入階級別

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