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仕事に家事に育児、毎日クタクタなのは私だけ? なぜ妻は疲れ、諦めてしまうのか…

LIMO / 2020年11月10日 6時30分

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仕事に家事に育児、毎日クタクタなのは私だけ? なぜ妻は疲れ、諦めてしまうのか…

夜、家事を終えて、ようやく一息つけるという女性は多いでのではないでしょうか。

筆者も仕事が終わると大忙しで夕飯の支度をして、子供が寝るまで息をつく間もない生活。その寝顔を見ながら、ちょっと怒りすぎたかなと反省することも…。このように、仕事・家事・育児に忙しい毎日を送っている女性が増えてきているようです。

働く女性・共働き世帯は年々増加

総務省の「明日への統計2020」によると、女性の就業者数は2009年の2649万人から2019年の2992万人へ、10年間で343万人増えています。ところが、その中身を見てみると、男性はほとんどが正規の職員・従業員なのに対して、女性の場合、25~34歳以外は非正規で働いている人が半分以上います。

結婚を機に退職して専業主婦になることが当たり前だった時代からすれば、結婚後や出産後に女性が働ける会社は増えてきています。ただ、多くの女性がパートや契約社員などで働いているという現実からは、家事や育児をしながら女性がフルタイムで働くことの厳しさがうかがえるといえそうです。

また、内閣府の「男女共同参画白書 平成30年版」に掲載されている総務省「労働力調査」のデータでは、共働き世帯の数は平成9年(1997年)の949世帯から平成29年(2017年)には1188世帯へと年々増加。

一方、「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」は同時期に921世帯から641世帯まで減少しました。このように今では共働き世帯が多数派になっています。

家事で疲れている女性は6割超、でも家事分担には「諦め」?

そんな中、2020年4月〜6月にパナソニックがCLUB Panasonic会員を対象に行った調査によると、「コロナ禍で増えた時間は?」という質問に、30代と40代の共働き世帯は家事時間が約4割増加したと回答。

また、その後6月末〜7月初旬に行われた「2020年 家事に関するライフスタイル調査・第4弾」では、家事で疲れている女性の比率が昨年の調査より増えたことがわかりました。

「家事で疲れている」という人の割合

男性 2019年8月調査:30.2% → 2020年7月調査:26.5% 

女性 2019年8月調査:60.4% → 2020年7月調査:63.7%

こうした家事をどう分担するか、共働きの家庭では避けて通れない問題です。どの家庭でも一度くらいは夫婦げんかに発展したことがあるのではないでしょうか。

同じパナソニックの調査の中にある「共働きなら家事も夫婦で分担するべきだと思う」との質問では、「家事を分担するのに賛成」だと回答した人の割合は以下の通りでした。

「家事を分担するのに賛成」という人の割合

男性 2019年8月調査:75.6% → 2020年7月調査:58.4%
女性 2019年8月調査:88.4% → 2020年7月調査:75.6%

コロナ禍で家事負担は増えたはずなのに、なぜか男女ともに「家事の分担に賛成」の意見が減少。同調査ではその要因について、分担を諦めた「諦め妻」が増えたのではないか?としています。

たしかに、妻が家事で忙しくしていても夫が積極的に家事をしてくれない家庭や、今までに何度となく家事分担について話し合ってきた夫婦は多いでしょう。「もう家事分担で夫と揉めるのが面倒くさい」と、諦める妻は多いのかもしれません。

忙しい妻は夫に家事の大変さを理解してほしい

家事分担は夫婦間でお互いが納得できる形にできるのが一番です。ただ実際は、帰りが遅い夫や家事が苦手な夫と分担をするより、自分でやってしまった方が早いと考える妻も多いでしょう。その代わり、働きながら家事をすることの大変を、自分の夫には理解してほしいと思うのは自然なことではないでしょうか。

筆者が子供の頃、母が父に洗濯物を畳むのを頼んだことがありました。進んで家事をするタイプではない父に、母が満足する畳み方ができるとは思えませんでしたが、案の定、畳まれた洗濯物に注文をつける母を見て、子供ながらに「文句を言うくらいなら頼まなければいいのに」と思ったものです。

今考えれば、母は父に家事の大変さの一端を知ってほしかったのかもしれません。時間をやりくりして一生懸命やっていても、家事は普通にできるのが当たり前だと思われがちです。クタクタになりながらも仕事に家事育児に頑張っていた当時の母の気持ちが、同じ立場になってようやく理解できるようになりました。

家事の大変さの理解が深まった夫婦は仲がいい

パナソニックの調査では、「新型コロナウイルス流行前に比べて家事の大変さの理解が深まった夫婦」のうち「仲がいい」と回答した夫婦は88.5%。「家事の大変さの相互理解が深まっていない夫婦」の66.9%と比べると、20ポイント以上の差があります。

また、「家事に関する相手の大変さが以前よりわかった」男性は、そうでない男性より「家電を利用して家事負担を減らす」ことに前向きです。最近では、掃除ロボットや時短できる調理家電などの便利家電が充実しているので、忙しい妻にとっては夫より頼りになるかもしれません。

おわりに

専業主婦が多かった時代と異なり、共働き世帯で家事をどう分担するかは切実な問題です。長時間働いている多くの男性から見れば、パート勤務などで短時間しか働いていない妻は、当然家事もできるだろうと考えがちです。しかし、男性が思う以上に家事の負担は重く、それをこなしながら育児や仕事をする女性には疲れが溜まっているものです。

家事の分担が難しいようなら、妻が少しでも楽ができるように便利家電を購入したり、家事や育児と仕事を毎日こなしている妻に感謝を伝えることも、夫婦が仲良くいられる秘訣の1つだといえるかもしれません。

【参考資料】
「明日への統計2020(https://www.stat.go.jp/info/guide/asu/2020/index.html)」(総務省)
「平成30年版 男女共同参画白書(概要版)(http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/gaiyou/index.html)」(内閣府)
「2020年 家事に関するライフスタイル調査・第4弾(https://panasonic.jp/life/housework/100054.html)」(パナソニック株式会社)

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