苦手な家事の外注は贅沢⁈忙しいワーママを悩ませる周囲の固定観念
LIMO / 2020年11月5日 18時45分
苦手な家事の外注は贅沢⁈忙しいワーママを悩ませる周囲の固定観念
ワーキングマザーが増えた現代では「忙しい家事は週末まとめてやる」といったご家庭も多いのではないでしょうか。平日は仕事や子供の習い事の送迎、宿題のチェックや夕食づくりなどにかくやることがいっぱいのママたち。そんなワーママたちの「苦手な家事」ランキングから、令和を迎えた今でも続くお悩みが見えてきました。
溜まった家事をさばいて終わる週末
働くママたちが少しでも心穏やかに過ごすために必要なことといえるのが「平日の家事をいかにストレスなくこなすか」ということではないでしょうか。
帰宅早々に夕食を作り、子供の話を聞きながら宿題などをチェックしていく。明日の支度やちょっとした毎日のルーティーンをこなしているだけであっという間に夜が更けていくママたちは「平日に完璧な家事など求めていたら心も体も休まらない」といいます。
「子供ができる前は、家の中に凹凸があることすら気になる性格だった私。でも、男の子二人を産んで以来、家の中が心からスッキリしていると感じる日はなくなりました。
最初のうちは私も仕事から帰るたびに『ちゃんと片づけなさい!』と怒りながら一緒になって掃除をしていたのですが、それを繰り返すうちに息子たちも私も疲弊してしまって。お互い笑顔がなくなってきたので『週末、みんなでちゃんとしようね』と話し合い、平日は片目をつぶることに。徐々に整理整頓だけでなく細かな家事を週末に回すことにしてみました。前より家の中は汚くなりましたが、その分ストレスの軽減と親子で何気ない遊びをする時間の確保という副産物できました。
ただ、平日の家事を諦めた分の負担が週末にどっさりきてしまったことで、遠方へのお出かけなどの頻度は圧倒的に減ったのも事実。週末はちょっと真剣に水回りや浴槽を掃除して終わるなんてことが結構あり、子供たちをどこかへ連れて行ってあげるためには何を切り捨てればいいのかいうのが今の悩みです」
毎日子供にガミガミ言ってしまうのは自己嫌悪に陥ることも多く、そんなストレスをなくすためワーママたちはさまざまな工夫をしています。とはいえ、マンパワーや時間には限界があり、何かを取捨選択しなければならないのが現状のようです。
ワーママたちの嫌いな家事1位は「浴室の掃除」
それでは、ワーキングママたちの嫌いな家事とはいったい何なのでしょうか。株式会社ビズヒッツが2020年9月におこなった「嫌いな家事に関する調査(https://media.bizhits.co.jp/archives/6331)」によりますと、働く主婦の87.7%が「嫌いな家事がある」と回答しました。中でも上位にランキングしたのが「浴室掃除(18.2%)」「キッチンや換気扇・コンロの掃除(15.3%)」「料理(14.9%)」です。
上位2つは手間がかかる上、定期的におこなわないと汚れがひどくなってしまうため長期放置すると後々が大変なことになるので、いつも頭の片隅で気になってしまうものです。また、料理はとにかく毎日やらなくてはいけない…という日々追われるところが「嫌い」と考えている人もいることから上位にランクインしたのかもしれません。
時代的に「家で自由に使える時間は貴重」だからこそ、これらの作業時間がもったいなく感じ、なおさら「嫌い」という結論になってしまうのもうなずけます。ただ、これらの作業は本当にワーママが時間を割いてやらなければならない必須の作業なのでしょうか。
家事代行利用したことがある人はわずか7.3%
近年、増えてきた「家事代行」サービス。現在は独身の方や高齢者を中心に利用され、今後ますます需要が増える業界として注目が集まっています。一方のワーママたちですが、今回おこなった調査によりますと、「家事代行サービスを利用したことがある」と答えたのはわずか7.3%という結果に。忙しいことで有名なワーママさんたちにもかかわらず、利用しない理由はどこにあるのでしょうか。
・一番はお金。自分でやればタダだけどプロに頼んだら高いイメージがある。
・家に入られるのに抵抗がある。
やはりこの二つの理由は多くの方に共通する心理状態なのかもしれません。防犯上家の中に入れたくない、もしくは荒れ果て過ぎていて人に見せられる状態ではない。ただ、自分でやる時間や体力が足りていない状態であるにもかかわらず「自分が頑張ればお金はかからないんだから」という呪縛にかかっている方がまだ多い可能性もあります。
筆者が以前耳にして驚いたのが「家事代行サービスの話題をテレビでやっていたので『便利そう』とつぶやいたところ『こんな怠けるためにお金払う必要ある?』とご主人にいわれてしまった」というワーキングママのお話です。
普段から家事や育児、仕事まで全く手を抜かない彼女。ご主人に手伝ってもらうことなくこなしてきたのはひとえに彼女が「無理をしてきたから」。それでこそ成り立っていたにもかかわらず、ご主人は当たり前と思い外注を「怠け」と思っているようでした。家事を外部に頼むことで彼女が精神的にも肉体的にも自由になるのであれば、賛成するのが本来のパートナーではないか?と思ったものでした。
こういったすぐそばにいる人の「贅沢だ」といった感覚が働くママたちを潜在的に追い詰めている可能性もあります。妻が仕事を持っているのであれば、その分家事に参加すべき人間は誰なのか。そういったことに早く気づき、「そもそも自分の家でもあるのだから夫である自分も本来なら家事をやるべきだ」といった考え方になっていかなければ、社会進出だけが進んでしまうことでママたちはいつかパンクしてしまうかもしれません。
「生活の質」を向上させることこそ家族の幸せにつながる?
怒っているママ、疲れているママを毎日のようにそばで見ている子供たち。家庭が殺伐としていてうれしいわけがないですよね。
ママが「家族のために頑張る」のであれば、同じく家族の一員であるママが快適に暮らすために外部のサポートを受けることは悪なのでしょうか。「贅沢だ」「頑張ればできる」確かにそうかもしれません。厚生労働省の「平成30年賃金構造基金統計調査 結果の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/)」によると、正社員女性の一年間の賃金平均は265万3000円。正職員以外であっても平均賃金は187万9000円です。
これだけ外で活躍しながら、ママたちだけが家の中でも同じように活躍をしなくてはならないのでしょうか。また、誰かの犠牲で成り立っている家庭は、本当に健全な家といえるのか。一度考えてみてもいいかもしれません。
【参照】
株式会社ビズヒッツ「嫌いな家事に関する調査(https://media.bizhits.co.jp/archives/6331)」
厚生労働省「平成30年賃金構造基金統計調査 結果の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/)」
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