今度は“しわしわネーム”!? 新たな名前トレンド、つけられた子の気持ち、親の思い
LIMO / 2020年11月13日 22時0分
![今度は“しわしわネーム”!? 新たな名前トレンド、つけられた子の気持ち、親の思い](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_20161_0-small.jpg)
今度は“しわしわネーム”!? 新たな名前トレンド、つけられた子の気持ち、親の思い
いわゆる“キラキラネーム”や“DQNネーム”と呼ばれる当て字のような、読む人を困惑させる名前が話題になってからしばらくたった今、新たに注目を集めているのが“しわしわネーム”と呼ばれるもの。
ネットで検索すると、例えば男の子なら「博」のような1文字名前や「X男」「X太郎」、女の子なら「X子」「X美」といった「子」や「美」のつく、昭和の時代に多くみられた名前のことを指すとされています。さらに時をさかのぼった古風な名前も選ばれているようで、うっかり度を超えてしまうケースもあるよう。
今回は、実際にしわしわネームをつけられた子どもはどう感じているのか、また、親目線でその名前をなぜ選んだのかについて、当事者の声をご紹介します。
「漢字」へのこだわりが“キラキラ”増加の背景に
毎年、生命保険会社やベビー用品を扱う企業などによって、赤ちゃんの名づけランキングが発表されています。これから生まれる赤ちゃんの名前を考えるとき、参考にしている人も多いことでしょう。
明治安田生命が行っている「生まれ年別の名前調査」では、2019年に「子どもの名前で振り返る平成30年史」という特別企画を実施。それぞれの年に見られる名づけの特徴や、名づけの傾向の移り変わりなどを分析して公表しています。
平成30年間の人気の名前は、オリンピックやスポーツ関係のブームなどその年を象徴する出来事にちなんだものから、人気芸能人の名前にあやかったものまでさまざま。一方、30年の間に8回もランキング1位となった「大翔(ひろと)」や「美咲(みさき)」のように根強い人気を誇る名前もあり、平成時代らしいお名前として定番化したと言えるのではないでしょうか。
調査結果の分析によれば、“キラキラネーム”が増えた背景には、人気のある名前の漢字表記が多様化したことが一因となっているよう。親の思い入れが、「音(おん)」だけでなく使う漢字にも及んだことで、しだいに当て字っぽくなっていってしまった、というのには納得感がありますね。
そんな傾向になんとなく違和感を感じた親たちが、あえて時代に逆行するような名前に注目した結果が、いわゆる“しわしわネーム”なのかもしれません。
キラキラネームが「良くも悪くも浮いて見えた」のと同じように、昔の定番だった名前を今の時代につけることは、やはり「良くも悪くも浮いて見える」ということ。“しわしわネーム”をつけられた子どもたちは、それが定番化するまで、キラキラネームの子どもたちがそうだったように、いろいろ不便なことや面倒な思いを経験することになってしまうのでしょうか。
「めずらしい名前だね」と言われて…
では、実際に“しわしわネーム”にあたる名前をつけられた子ども自身は、どのような気持ちでいるのでしょうか。名前によって子どもがどんな経験をしているのかに目を向けてみるのも、名づけのヒントになるかもしれません。
「学校の友だちは、“ゆいちゃん”とか“さくらちゃん”とかかわいい名前の子が多いです。私の名前は漢字で書くと読みづらいけど、読み方はちょっとおばあちゃんみたいな名前で。漢字だとみんな読めないからひらがなで書くこともあって、そうすると『めずらしい名前だね』と言われることもあります。別に嫌ではないけど、かわいい名前にも憧れるかな」
今回お話を聞かせてくれた小学6年生のAちゃんは、「暦」の意味合いがある漢字を使った少し古風な名前だそう。(実際の名前はあえて出さないことにしますね。)名前に不満はないもののお友だちから「めずらしい名前」と言われたことを不思議に感じたそう。読み方は古風なのに“漢字は難しい”というのも、イマドキだなと感じました。
音や響きはもちろん、名前をパッと見たときの文字の印象にこだわる人も多いもの。音が古風すぎるのはもちろん、すんなり読めないような難しい漢字も子どもにとって負担になることがあるのかもしれませんね。
キラキラすぎず、普通すぎない名前をつけたかった
一方、Aちゃんの名づけ親である両親は、どんな思いから名づけたのでしょう。そこには、ここ数年の間にママ・パパになった人なら「わかる」と共感してしまう、葛藤があったようです。
「私たち夫婦には『この漢字を絶対使いたい!』とか、『女の子なら…男の子なら…!』という理想は特にありませんでした。いわゆる“キラキラネーム”と言われるものはイヤ。でも普通すぎるのも…というのが夫婦そろっての気持ちでした。そこで思いついたのが娘の名前。音だけ聞くと古風な感じだけど、珍しい漢字を使えば存在感のある名前になるのでは、と思ったんです。ポジティブな意味を持つ漢字だったこともあって夫婦ともに気に入ってつけたのですが…。娘の名前が“しわしわネーム”に該当するとは思いもしませんでした」(40歳/Aちゃんのママ)
しわしわネームかそうでないかは、周りの人が名前を見てどう感じるか次第です。親にそんなつもりはなくても、周りから「しわしわネームだ」と言われたら、“しわしわネームをつけられた子”ということになってしまう…なんだか悲しいような気もしますね。
名前はわが子への初めてのプレゼント
子どもの名前は、親がわが子へ贈る初めてのプレゼント。しかし、その名前のせいで子どもが苦労してしまっては、元も子もありません。
愛情を込めて名づけても、思い入れが強すぎるあまり“読みにくい・呼びにくい・風変わり”な名前になってしまうことも決して少なくありません。親の自己満足や流行りだけではなく、子どもが一生背負っていくものなのだということを忘れずに考えてあげることが大切なのではないでしょうか。
子どもが自分の名前に誇りを持って人生を歩んでくれることが、何よりですよね。
【参考】
「子供の名前で振り返る『平成30年史(https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2018/pdf/20190329_01.pdf)』」明治安田生命
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