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「なぜあの時…」過去の選択を後悔する理由とは?~後悔しない決断の仕方~

LIMO / 2020年11月11日 18時45分

「なぜあの時…」過去の選択を後悔する理由とは?~後悔しない決断の仕方~

「なぜあの時…」過去の選択を後悔する理由とは?~後悔しない決断の仕方~

――なぜ、あの時あんな選択をしてしまったのだろう

そう考えたことは誰にでもあると思います。これは、人は今の決断がベストだと信じ、数年後の自分の性格や価値観が変わることなどをあまり想像しないという傾向があるからかもしれません。

今回は、後悔をしない選択をするためにはどうすれば良いか、考えていきます。

「これ以上自分は変わらない」は本当?

ある心理学の研究論文によると(※1)(https://science.sciencemag.org/content/339/6115/96)、人はどの年齢においても、自分の性格・価値観・好みが過去から変わっていることは認めつつも、未来の自分の性格・価値観・好みは現在とそれほど変化はないだろうと、潜在的な変化を過少に予測する傾向にあるというのです。現在の自分は変化の最終時点に達していて、今こそが「本来の自分」であると思い込みがちのようです。

この研究をおこなったハーバード大学心理学教授ダニエル・ギルバート博士と共同研究者たちは、この現象を「The End of History Illusion (歴史の終わりという幻想)」と呼んでいます。

なぜ多くの人は、未来の自分の価値観・性格・好みが変化することについて考えない傾向があるのでしょうか。

ニューヨーク・タイムズがこの研究を取り上げた記事(※2)(https://www.nytimes.com/2013/01/04/science/study-in-science-shows-end-of-history-illusion.html)によると、

現在の自分を過大評価

人は現在の自分が自己進化のピークだと信じることで安心するようです。例えば、「あの時、今の知識があれば…」と過去の自分と比べて、今の自分が優れていると満足するのです。また、どれほど価値観や好みが一時的なことかを理解してしまうと、すべての決断を疑い、不安を抱くようになるからかもしれません。

精神的エネルギーを使いたくない

経験した事を思い返すことよりも、予測のつかない未来を想像することは精神的なエネルギーを必要とするので、単純に自分が想像できないことは起こるはずがないだろうと思い込もうとするのかもしれません。

といった理由をギルバート博士らは述べているようです。

今の行動が後悔になるか、有利につながるか

「The End of History Illusion (歴史の終わりという幻想」」が「後悔」という結果に繋がる場合も少なくない、とギルバート博士らは指摘します。それは将来への想像力の欠如に関係するのかもしれません。

例えば、「入れ墨(タトゥー)」。日本では見かけませんが、アメリカでは体中にタトゥーを入れている若者をよく見かけます。恋人の名前を入れて別れた後に後悔しているという残念な話も珍しくありません。当時はその人への気持ちは変わらないと永遠の愛を迷妄したのでしょう。残念ながら半年後に気持ちが変わってしまい、消すことに一苦労…という人も少なくないのです。

一方、ハーバード・ビジネス・レビュー(※3)(https://hbr.org/2020/08/take-ownership-of-your-future-self?utm_medium=social&utm_source=instagram&utm_campaign=have2haveit&utm_term=tip)では、自分の価値観や性格がこれからも変化していくことを理解し、その変化を自分の望ましい方向へ導いて行くことも可能だと指摘しています。そのためには「将来の理想の自分」を想像し、現在の行動を意識的に変えていったり、今の決断が10年後に理想の自分にどう影響するか考えてみると良いとしています。

人間が幸せになることを研究する「ポジティブ心理学」では、「人は過去に左右されるだけではなく、むしろ自分が自己の未来をどう見るかによって将来は導かれていく」といいます。実は、「自分の未来をどう見るか」によって、今の自分の行動や態度は形成されるともいえるでしょう。

カギは「コンフォートゾーンの脱出」と「未来の自分を公言」

将来の理想の自分を想像し現在の行動を意識的に変える際に、なるべくコンフォートゾーン(ストレスなしでできる行動の範囲)から出てみることが効果的なようです(※3)(https://hbr.org/2020/08/take-ownership-of-your-future-self?utm_medium=social&utm_source=instagram&utm_campaign=have2haveit&utm_term=tip)。

例えば、社交的な性格になりたかったら、休日は家で1人で過ごすだけではなく、積極的に何かのアクティビティに参加してみるなど。

自己変化を望ましい方向へ導くには、今の心地良いレベルから勇気をだして一歩踏みだすことも必要なようです。

また、理想の自分の姿を想像したら、「私は、将来はこういう人間になるのだ」と友人や周りの人に話すことも良いようです。自分がどういう人間かについて話す場合、過去の自分を話していると過去の自分が今の行動を左右してしまいがちになるようです。しかし未来の自分がどういう人間になるのかを周りの人に話すことで、積極的にその理想像に変化できるような行動を取るようになるのだとか(※3)(https://hbr.org/2020/08/take-ownership-of-your-future-self?utm_medium=social&utm_source=instagram&utm_campaign=have2haveit&utm_term=tip)。

今、なるべく後悔する選択をしないためにも、自分の価値観・性格・好みは時間と共に変わることを意識するようにしてはいかがでしょうか。そして、なるべくその変化が望ましい方向に向いていくよう、将来の理想の自分を想像して現在の行動を決めると良いかもしれません。

参考

(※1)Jordi Quoidbach , Daniel T. Gilbert , Timothy D. Wilson “The End of History Illusion”(https://science.sciencemag.org/content/339/6115/96) Science ,Vol339
(※2)The New York Times “Why You Won’t Be the Person You Expect to Be”(https://www.nytimes.com/2013/01/04/science/study-in-science-shows-end-of-history-illusion.html)
(※3)Harvard Business Review “Take Ownership of Your Future Self”(https://hbr.org/2020/08/take-ownership-of-your-future-self?utm_medium=social&utm_source=instagram&utm_campaign=have2haveit&utm_term=tip)

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