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老後の備えへの意識はみんなどう変わった? 新型コロナで増す不安…

LIMO / 2020年11月16日 11時0分

老後の備えへの意識はみんなどう変わった? 新型コロナで増す不安…

老後の備えへの意識はみんなどう変わった? 新型コロナで増す不安…

日常生活におけるマスクの着用、お店に入る前のアルコール消毒や体温計測などの新しい生活様式も、当たり前の風景になってきました。コロナ前は名ばかりだった働き方改革も一気に進み、外出自粛期間が終わっても在宅勤務を継続している会社もあります。

このように、新型コロナウイルスは生活を取り巻く環境を一変させましたが、それと同時に私たち自身の考え方にも影響を与えたのではないでしょうか。

そんな中、メットライフ生命保険が10月2日に「全国47都道府県大調査 2020」を発表しました(20歳~79歳までの男女14,100人が対象)。この調査には、「新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)拡大による価値観や意識の変化」という項目があります。どのような結果になったのかを見てみましょう。

新型コロナで約半数の人は老後不安が増えた

同調査の「新型コロナによる影響で、老後不安に変化があったか」との質問には、全体の48.7%の人が「不安が増えた」と回答。また、「新型コロナの影響で老後に新たに不安を感じること」の結果は以下の通りになっています(複数回答)。

第1位「お金」33.6%
第2位「健康」32.3%
第3位「余暇の過ごし方」13.8%
第4位「自身の介護」12.3%
第5位「認知症」11.2%

やはり一番の不安要因は「お金」ですが、新型コロナによる不安もあってか、僅差で「健康」が続いています。第3位には「余暇の過ごし方」がランクイン。緊急事態宣言が出されたすぐの頃は、筆者自身も久々に家族とゆっくり過ごすことができて良かったものの、次第に手持ちぶさたになることも増えました。

世代別で見ると、60代〜70代のみ1位が「健康」、2位が「お金」となり、3位が「自分の介護」となっています。一方、新型コロナによる急激な企業業績の悪化が影響してか、20代と30代では「仕事・学業」が第3位になりました。また、40代と50 代では「両親の介護」が第3位にランクインしています。

新型コロナで、老後に対する考え方や価値観が変化した人は約3割

日本では4月に緊急事態宣言が発令され、海外では多くの国でロックダウンが行われました。こうした前代未聞の事態に、全体の約3割の人が「老後に対する考え方や価値観が変化した」と回答。変化したと回答した人に聞いた、変化の内容は以下の通りでした (複数回答)。

第1位「貯蓄意識の高まり」52.8%
第2位「健康への気遣い」51.6%
第3位「生活費の節約」39.6%
第4位「自宅での趣味を持つ」24.0%
第5位「老後の過ごし方をイメージ」20.6%

貯蓄意識が高まったのは全世代に共通しますが、各世代での割合を見ると20代では73.4%、30代が68.6%、40代が68.0%、50代が56.5%と、若い年代ほど高い傾向になっています。ちなみに60代〜70代では32.5%で第3位でした。

また、第2位の「健康への気遣い」は20代から50代までで第2位、60代〜70代では第1位となりました。さらに、第3位の「生活費の節約」も20代から50代までは同じ第3位で、60代〜70代では第2位となっています。高齢世代にとっては、これまで貯蓄してきた資産でどうやりくりするかがより切実になっているのではないでしょうか。

筆者自身も4月に入って生活費などの見直しを行い、節約した分を貯蓄に回すようにしましたが、やはり先行き不安からできるだけお金を蓄えておきたいと考える人は多かったのかもしれません。

老後の備えを準備している人は 61.4%。

では、資産形成に関する行動はどう変化したのでしょうか。

老後の備えとなる金融資産を「計画的に貯めている」「計画的ではないが少しずつ貯めている」と回答した方は合わせて61.4%となっています。過去の結果では、2018年が54.2%、2019年が56.4%でしたので、コロナ禍で貯蓄を始めた人もいるようです。

ちなみに、調査対象者の現在の保有金融資産(不動産、土地は除く)の平均値と中央値※は以下の通りです。

現在の保有金融資産額の平均値と中央値

(/mwimgs/1/b/-/img_1bf175cc24b1e8ae1b67a5f8dcca455657507.jpg)

拡大する(/mwimgs/1/b/-/img_1bf175cc24b1e8ae1b67a5f8dcca455657507.jpg)

こうしてみると、働き始めて間もない20代だけでなく、住宅ローンや教育費の負担が大きい30代・40代も、金融資産は全体の平均値・中央値をそれぞれ下回っていることがわかります。

※中央値とはデータ全体を小さい順(または大きい順)に並べたときに中央にくる値のこと。

30代以上の3割超は資産運用をしている

最後に資産運用について見てみます。

同調査で「資産運用をしている」と回答した人は全体で32.6%。世代別で見ると、20代は22.0%ですが、30代から50代は3割強、60代〜70代は約4割が資産運用をしています。「お金」について誰かと話す機会は少ないかもしれませんが、しっかり資産運用をしている人は意外と身近にいるようです。

また、20代・30代の約7割が「今後の資産運用意向がある」(「したい」「ややしたい」の合計)と回答していて、全体の56.7%と比べ資産運用に前向きです。

実際、先日コーヒーショップで近くに座って勉強していた大学生風の男性2人が、「iDeCo(個人型確定拠出型年金)」について真剣に話をしていました。しかも、とても詳しい様子で非常に驚かされました。

日本では学校でお金について学ぶ機会がないために、年配であっても資産運用にあまり知識がない人もいます。また、若い年代からすれば、老後なんてまだまだ先の話で、優先順位は低いだろうという筆者自身の思い込みもありました。しかし、調査結果にもあるように、かなり意識や行動が変わってきているようです。

おわりに

新型コロナは、私たちのライフスタイルを大きく変えただけでなく、価値観や考え方にも影響を与えています。今まで経験したことのない出来事に、老後も含めたお金の不安から貯蓄意識が高まったのは当然といえるでしょう。また、コロナ禍では健康維持も大きな関心事になっています。生きていく上で欠かせないものが何か、改めて考えさせられたのではないでしょうか。

【参考資料】「『老後を変える』全国47都道府県大調査2020(https://www.metlife.com/content/dam/metlifecom/jp/corp/pdf/about/press/2020/201002.pdf)」(メットライフ生命保険株式会社)

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