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“お金持ちが多い”は本当か?定年後70歳以上の「貯蓄額」を読む。

LIMO / 2020年11月13日 20時0分

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“お金持ちが多い”は本当か?定年後70歳以上の「貯蓄額」を読む。

厚生労働省の資料によると、生活保護を受ける方人が65歳以上に多いという結果があります。また、現役世代と異なり定期的な収入がなくなり、貯蓄を切り崩すフェーズに入る人が多い世代でもありますね。

その一方で、「日本のシニア世代は、実は結構お金持ち?」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年(令和元年)平均結果(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」をもとに、「定年後の70代以上のお金事情」をながめていきます。


そもそも貯蓄額って?

総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)の用語の解説によると、貯蓄とは、

ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。 なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める。

とあります。

つまり「貯蓄額」とは、「預貯金以外の金融資産」も含まれているわけです。次では、「70代の金融資産」を項目ごとにさらに深掘りしていきます。

70代以上の「貯蓄額」はどのくらい?

「貯蓄額」の総額をみるため、定年後の70代以上の「預貯金以外」の金融資産はどれくらいあるのかをみてみましょう。

70代以上の「預貯金以外」の金融資産

生命保険など:295万円
有価証券:144万円
金融機関外:0円

預貯金の金融資産の合計は439万円ということですね。

次では、70代以上の預貯金額から貯蓄額をみていきます。

70代以上の預貯金額

日本の定年後の70代以上の世帯の預貯金の平均額はどのくらいなのでしょうか。

家計調査報告によると、70代以上の預貯金の平均額は「1,482万円」。ほぼ1,500万円といったところですね。

預貯金はさらに下記のように分類することができます。

通貨性預金:591万円
定期性預金:882万円

なんと、定期預金が900万円近くありますね。

70代以上の平均貯蓄額は?

ここで、「預貯金以外の金融資産」と「預貯金」の額を合計してみると、日本の70代以上の平均貯蓄額は1,912万円となりました。

次に、負債額、つまり借入金についてもみていき、70代以上の純資産額を計算してみましょう。

70代以上の「純資産額」はどのくらい?

70代以上の負債の平均額は「68万円」です。その多くが住宅ローンも完済し、子どもの教育費などがかからない世代であることも影響してか、極めて少ない金額といえるでしょう。

70代以上の「金融資産」の額から「負債」の額を差し引いた、「純資産額」は約1,844万円となります。

2019年、金融庁のレポートに端を発した「老後2,000万円問題」がまだ記憶に新しい人も多いかと思います。私たちの幅広い世代が「老後のお金」について考えるきっかけとなりましたね。

ところが、先のデータからは、70代以上の貯蓄と負債の差し引き合計金額、つまり純貯蓄額は、2,000万円に届いていないということになります。

同調査より各世代の純貯蓄をみてみると、50代は約1,066万円、60代は約1,906万円という結果に。これをみると、70代の純貯蓄額の平均は、定年退職金でまとまった金額を受取る人が多い60代より少し下がっています。とはいえ、50代の約1.7倍。現役世代からみるとうらやましい金額だ、と感じた人も多いのではないでしょうか。

さいごに

「70代以上の貯蓄の平均額は1,844万円」と聞いて、「じゃあ、この世代の大多数の人が2,000万円前後の蓄えはあるってこと?」と疑問に感じた人も多いでしょう。そこで忘れないでおきたいのが、冒頭で触れたとおりの、生活保護を受ける多くの高齢者も存在するという、いわゆる「老後格差」と呼ばれる問題です。

家族構成、現役世代の収入、相続・贈与があるかどうかなど、資産にまつわる事情は、その家庭によって異なります。ただ、この老後格差の背景の一つとして、現役時代の貯蓄・資産運用があると考えることは、あながち間違いではないのかもしれません。

安心できる老後への第一歩は、若い頃からお金を「貯める」「増やす」意識を習慣づけていくことから始まるといってもよいでしょう。

【参考】
「被保護者調査:調査の結果(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/74-16b.html#link01)」厚生労働省
「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」総務省統計局
「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)」金融庁
「定年後の70代が「お金持ち」は本当か。70代の貯蓄額からわかること(https://limo.media/articles/-/19394)」LIMO

 

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