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「65歳定年制」が伸びる!?50代は「貯金1000万円」あれば老後は安泰ってホント?

LIMO / 2020年11月14日 20時25分

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「65歳定年制」が伸びる!?50代は「貯金1000万円」あれば老後は安泰ってホント?

定年まであと少しとなった50代。自分の家の貯蓄がどのくらいあるのか、しっかりと把握できていますか?子供が自立しているか否か、住宅ローンが終わっているか否か、その家族の状況によって貯蓄の状況はさまざまかとは思いますが、定年まで残りわずかとなった今、貯蓄ができる期間も残りわずかということになってきます。

「老後2,000万円問題」が叫ばれている今、我が家の貯蓄額で足りるのか、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」を元に検証していきましょう。

50代の平均貯蓄額はいくらか

まず50代の平均貯蓄額は一体いくらなのでしょうか。同調査によると、50代(勤労者世帯)の平均貯蓄額は1,728万円であるそうです。その内訳をみていきましょう。まず預貯金については普通預金などの通貨性預貯金が441万円、定期性預貯金が581万円となっています。預貯金以外の金融資産については、生命保険などが420万円、有価証券が185万円、その他100万円となっています。

さて、貯蓄額を把握するにあたり負債額もしっかりと認識しなければなりません。家のローンなどもまだまだ残っている世帯が多いであろう50代。その50代の平均負債額は661万円です。負債の内訳は、住宅・土地のための負債が595万円にのぼり、負債額のほとんどが住宅関連のローンであると分かります。とはいいつつも、40代の平均負債額が1,120万円であることを考えると、子供の教育費の負担などが一旦落ち着く世帯の多い50代ではしっかりと負債を減らせていることが読み取れます。

これらのデータから貯蓄額から負債額を引いた50代の平均純貯蓄額は、「1,067万円」となります。老後に必要と叫ばれている2,000万円までは1,000万円弱足りない状況ではありますが、今後退職金などがプラスされることを考えると、老後に必要な2,000万円も現実味を帯びてくるでしょう。

退職金に期待できるのか

とはいいつも、本当に退職金だけに期待してよいのでしょうか。東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)(https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/chingin/h30/)」では、企業の大半を占める中小企業の退職金に関する実態が分かります。それによると、大学卒で定年を迎えたモデル退職金(卒業後すぐに入社し、普通の能力と成績で勤務した場合の退職金水準)は「1,203万4千円」であるそうです。1,000万円以上の退職金だと、純貯蓄と合わせて2,000万円にも届く金額となるため、一安心できそうですね。

しかし、退職金は勤続年数や、勤めている会社などによっても大きく変動します。同調査によれば、退職金制度があると答えた中小企業は71.3%、残りの24.2%の企業は「制度なし」と回答しているのです。また、「制度あり」とした企業のうち、「退職一時金と退職年金の併用」は20.6%にとどまり、大半の75.9%は「退職一時金のみ」、さらに3.4%は「退職年金のみ」という結果でした。

こちらは中小企業を対象としているため、大企業に勤めている人、公務員の人などはまた違った統計となってきますが、自身の会社は退職金制度があるのか、ないのか、またどのような支給方法になるのかを、今一度しっかりと把握しておく必要があるといえるでしょう。

「65歳定年制」が伸びる?

今の日本では2013年の「高年齢者雇用安定法」の改正を受けて、希望をすれば65歳まで働き続けることが可能です。それが2025年4月からすべての企業において義務となり、65歳定年制がいよいよ確立されます。さらにそれに先立つ2021年4月、70歳までの就業機会確保が企業の努力義務として課されることとなります。65歳定年が義務化される前に70歳定年の話が出ていることに驚いている人もいるかもしれませんが、人生100年時代といわれている今、努力義務として課される定年70歳制度が、そう遠くない未来にすべての企業で義務化される日がくるかもしれません。

そして定年の引き上げとセットとなってくるのが、年金の支給開始年齢の引き上げです。60歳支給開始とされていた年金は、2013年から段階的に支給開始年齢が上がっており、65歳支給開始へと変更となります。現在も繰り上げ受給や繰り下げ受給が可能となってはいますが、70歳定年制が具体化するとともに、年金の受給開始年齢がさらに引き上げられる可能性も大いにあるでしょう。

社会制度と共に大きく変わる私たちの老後生活。今後の社会制度の変化をしっかり把握し、自分が働いている会社ではいつでまで働くことができるのか、また自分はいつまで働く予定なのか、年金はいつから貰えるのかなど老後に関する労働、貯蓄、そして年金受給の予定をしっかりと把握しておくことが大切です。

老後を安心して暮らすために

50代は教育費もひと段落し、家のローンも終わりが見えてきている世帯が多く、大きく貯蓄を増やせる最後のチャンスともいえる世代です。この機会に貯蓄を頑張り、老後に備えるというも大切なことではありますが、人生100年といわれている今、定年延長などの社会的制度の変更に応じて、体力があるうちはしっかりと働いて老後資金をまかなっていくことも必要になってくるかもしれません。

いずれにしても定年を目の前にした今、家族で今後のお金・働き方についてしっかりと話し合い、どのような老後を迎えるのか考えを明確にしておくことが大切だといえるでしょう。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参照】
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)8-5世帯主の年齢階級別(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html)」
東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)(https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/chingin/h30/)」

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