わかりにくい!? Go To トラベル支援額も県民割引も一時所得。じゃらんや楽天トラベルのクーポンにも要注意

LIMO / 2020年11月25日 19時0分

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わかりにくい!? Go To トラベル支援額も県民割引も一時所得。じゃらんや楽天トラベルのクーポンにも要注意

先日、Go To トラベルのサイト上にあるQ&Aが更新され、「Go To トラベルの支援額である旅行代金の50%(宿泊代金の35%割引分と地域共通クーポンの15%分、上限1人1泊2万円)が一時所得として扱われる」という見解が示されました。この件の報道を見て、”え!課税対象になるの?”と驚かれた方もいるのではないでしょうか。

実際には、Go To関連を含む一時所得の合計額が年間で50万円を超えなければ課税対象にはなりません。しかし、意外と見落としがちなこともあります。その一つは、「じゃらん」や「楽天トラベル」など大手宿泊サイトで取得したクーポンが各自治体の県民割引だというケースもあり、これも一時所得となることです。

この「県民割引」とは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ観光業界を復興させるために各自治体で実施する割引支援のことで、主に宿泊料金を割引する「クーポン」の発行が行われています。

そこで、Go To トラベルや県民割引に関する一時所得額の計算例や2人以上で旅行をした場合の扱いなどについて、税務署や国税局電話相談センターへ問い合わせてみました。以下、要点をお伝えします。

そもそも一時所得とは?

一時所得を簡単に言うと、働いて得たのではない臨時の収入※ということになります。

たとえば、懸賞や福引の賞品金、競馬や競輪などの払戻金、生命保険の一時金、法人から贈与された金品、遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等などが相当します。近年では、ふるさと納税の返礼品も一時所得に当たります。

※国税庁のウェブサイトには「一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます」と記載されています。

Go To トラベル支援や県民割引は「通常の商取引ではない」

もともと、「じゃらん」や「楽天トラベル」など、大手宿泊予約サイトでの利用金額に応じたポイント付与やクーポンを使用することで得た利益は、通常の商取引における値引きと同様の行為とみなされ、課税対象にはなりません。

一方、じゃらんの「ふるさとクーポン」や楽天トラベルの「ご当地クーポン」は、各自治体が発行している「県民割引」を利用したクーポンの可能性もあるので注意が必要です。

税務署に尋ねてみたところ、宿泊予約サイトで取得したクーポンでも、自治体などが発行元である「県民割引」の場合には一時所得の対象となるそうです。県民割引かどうかが不明な場合には、「Go To 関連はすべて一時所得の対象になるとなっているので、申告しておいたほうが無難」とのことでした。

なお、県民割引を利用したクーポンなのかどうかは、宿泊施設に尋ねればわかります。宿泊したときの領収書には、「じゃらんクーポン」や「楽天クーポン」、もしくは社名のあとに「ポイント」と記載されていることが多いようです。領収書ではGo To トラベルと県民割引の割引額が合算されていることもありますので、それも確かめるといいでしょう。

また、県民割引クーポンの割引金額が取得したクーポンの額面より低くなることもあります。たとえば、額面が1万円のクーポンを取得しても、以下のような場合もあるのです。

<県民割引の金額がクーポンの額面より低い例>
宿泊代:1万2,000円
Go To トラベル支援額:4,200円
宿泊代とGo To トラベル支援額の差額:7,800円

この場合、一時所得の対象になるのは県民割引クーポンの額面1万円とGo To トラベル支援額の4,200円を合わせた1万4,200円ではなく、実際の宿泊代(Go Toトラベル支援額の4,200円と県民割引7,800円の合計)の1万2,000円となります。

こうしたこともあるので、宿泊施設に依頼してGo To トラベルでの支援額(35%)と県民割引の金額について、下記のように記載してもらうと一時所得に相当する分がわかりやすくなります。

<Go To トラベルの支援額と県民割引を分けた記載例>
宿泊代:3万円
GoToトラベル支援額:1万500円
県民割引:1万5,000円
現金支払:4,500円

地域共通クーポンが発行されていない場合、上記の「Go To トラベル支援額1万500円+県民割引1万5,000円」の合計2万5,500円が一時所得です。

地域共通クーポンも申告する必要がある

Go To トラベルの対象施設で宿泊し、条件を満たすことでもらえる「地域共通クーポン」も一時所得の対象です。この場合の注意点は、旅行代金の15%ではなく記載された額面が一時所得の対象となることです。

たとえば、旅行代金が1万7,000円だった場合、15%なら2,550円ですが、地域共通クーポンは1,000円未満を四捨五入するので、3,000円が一時所得の対象になるとのこと。つまり、3,000円の地域共通クーポンを使えば実際に3,000円分のお土産や商品を買うことができるので、自分の受けた益がそのまま一時所得となるイメージです。

この地域共通クーポン分をGo To トラベル支援額や県民割引と合算して計算すると、以下の例のようになります。

<地域クーポン、Go To トラベル支援額、県民割引を合わせた計算例>
宿泊代:1万7,000円
Go To トラベル支援額:5,950円
県民割引:1万円
現金支払:1,050円
地域共通クーポン:3,000円

この場合、「Go To トラベル支援額5,950円+県民割引1万円+地域共通クーポン3,000円」で、合計1万8,950円が一時所得となります。

2人以上での旅行の場合はどうなる?

1人だけで旅行をした場合には、Go To トラベル支援額や県民割引の益はすべて自分自身の一時所得です。しかし、たとえば2人で旅行に行った場合には2人とも益を受けていますので、課税対象となる一時所得についても旅行者である2人に帰属します。

つまり、2人で行った旅行代金のうち一時所得金額が3万円だった場合には、1/2の1万5,000円ずつが各自の一時所得となるわけです。2人以上の場合はその人数で割った分が各自の一時所得になります。

わからないときは税務署に聞こう(まとめ)

冒頭に記したように、一時所得には50万円の特別控除があります。そのため、一時所得の対象となる総収入額から収入を得るために支出した金額と控除額の50万円を引いた残金が一時所得となり、その1/2を給与所得などの他の所得と合計した総所得金額で納める税額が計算されます。

Go To トラベル支援額、地域クーポン、県民割引による一時所得が50万円を超えるほど旅行をするケースは少ないかもしれません。ただ、一時所得の対象には、競馬や競輪などの払戻金、生命保険の一時金、ふるさと納税の返礼品なども含まれますので、これらとの合計がいくらになるか把握しておくことが大切です。

税金の計算は素人にはとっつきにくいものです。特に新型コロナウイルスに関する支援金や給付金は、非課税のものもあればGo To トラベルやGo To イートのように課税対象となるものもあります。疑問や不安に思う場合は管轄の税務署に問い合わせてみてください。躊躇せずにわかるまで尋ね、正しい申告につなげましょう。

【参考資料】
「Go To トラベル事業 Q&A集(11月2日時点)(https://goto.jata-net.or.jp/assets/docs/20201104_1555_faq.pdf)」(Go To トラベル 旅行者向け公式サイト)
タックスアンサー No.1907「個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」(https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1907.htm)(国税庁)
タックスアンサー No.1490「一時所得」(https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1490.htm)(国税庁)

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