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60歳以上の無職世帯「貯蓄2000万円超」はどのくらい?

LIMO / 2020年11月18日 0時5分

60歳以上の無職世帯「貯蓄2000万円超」はどのくらい?

60歳以上の無職世帯「貯蓄2000万円超」はどのくらい?

2019年に金融庁のレポートで「老後2000万円問題」が話題となりました。これをきっかけに、老後に向けた貯蓄の目標に「2000万円」を設定されたご家庭もあるのではないかと思います。

なぜ「2000万円」なのかというと・・・

夫65歳、妻60歳の時点で夫婦ともに無職の世帯が、その後30年間2人とも健在であることを前提に、毎月5.5万円の赤字が続いた場合を想定して算出されたものです。

月5.5万円×360カ月(30年)=1980万円

これが、夫95歳、妻90歳までに、公的年金以外に必要となるであろう、とされる金額。「人生100年時代」といった感がありますね。

この2000万円という金額は、現役世代からみるとそう簡単に手に入る金額ではない場合がほとんどでしょう。では、定年退職や相続を経験した人も多いシルバー世代にとっては、どれくらいの位置づけなのでしょうか。

「お金持ちが多い」というイメージを持たれることも多い日本の高齢者。特に、今回は「60歳以上・無職世帯」にフォーカスを当ててみていきます。

高齢者世帯、どれくらい貯蓄があるの?

まず、二人以上の世帯のうち、世帯主が60歳以上の世帯について、貯蓄額の分布を見ていきます。

100万円未満・・・8.5%

100万~200万円・・・3.9%

200万~300万円・・・3.4%

300万~400万円・・・3.7%

400万~500万円・・・3.2%

500万~600万円・・・4.1%

600万~700万円・・・3.5%

700万~800万円・・・2.8%

800万~900万円・・・3.1%

900万~1000万円・・・2.3%

1000万~1200万円・・・6.0%

1200万~1400万円・・・4.8%

1400万~1600万円・・・4.0%⇐中央値(1506万円)

1600万~1800万円・・・3.8%

1800万~2000万円・・・3.3%

2000万~2500万円・・・7.5%⇐平均値(2285万円)

2500万~3000万円・・・6.2%

3000万~4000万円・・・8.5%

4000万円以上・・・17.3%

なお、貯蓄保有世帯の中央値は1506万円、平均値は2285万円です。

※ 貯蓄保有世帯の中央値とは,貯蓄「ゼロ」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べたときに,ちょうど中央に位置する世帯の貯蓄現在高のこと。平均値は一部の「お金持ち」層によって引っ張り上げられますので、「中央値」を参考にするとよいかもしれません。

無職の高齢者世帯の貯蓄は?

さて、2019年時点の全世帯を対象とした平均貯蓄現在高は1755万円でした。ここでは、「無職の高齢者世帯」に絞ってみていきましょう。

高齢無職世帯の貯蓄現在高の推移をみていきましょう。

2014年・・・2372万円

2015年・・・2430万円

2016年・・・2363万円

2017年・・・2348万円

2018年・・・2280万円

2019年・・・2244万円

2019年前年に比べ36万円のマイナス、かつ4年連続減少しています。次では、2019年の無職の高齢世帯の貯蓄について、その種類の内訳を見ていきたいと思います。

高齢無職世帯の貯蓄の種類別貯蓄現在高(二人以上の世帯)

金融機関

通貨性預貯金・・・552万円(24.6%)

定期性預貯金・・・948万円(42.2%)

生命保険など・・・374万円(16.7%)

有価証券・・・361万円(16.1%)

金融機関外・・・8万円(0.4%)

「通貨性預貯金」とは自由に入出金可能な普通預金など、「定期性預貯金」とは金融機関に一定期間預ける定期預金などが含まれます。「生命保険など」とは生命保険会社の養老保険やこども保険などで、掛け捨ての保険を含みません。

さいごに

60代以降の無職世帯の貯蓄額。ここ数年、減少傾向にはあるものの、平均額は毎年2000万円以上であることが分かりました。

冒頭でも触れた「老後2000万円問題」。とはいえ、リタイヤ後の生活にどれくらいの資金が必要となるかは人それぞれです。現役時代の働き方などによって、もらえる年金額にも個人差があるでしょう。

これを読んでくださった現役世代のみなさんのなかには、住宅ローンやお子さんの教育費といった目前の出費が多く、老後のお金について考える余裕がない、という人も多いでしょう。とはいえ、老後はあっという間にやってきます。人生100年時代を見据えた資産形成・運用を、少しでも早い時期からスタートされることをおすすめします。

【参考】
家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)総務省統計局
「報道資料(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2019_yoyaku.pdf)」「Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2019_gai4.pdf)」
 

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