「秘密は墓まで持っていく!」死後の家族バレを回避する「デジタル終活」のススメ。
LIMO / 2020年12月4日 12時35分
「秘密は墓まで持っていく!」死後の家族バレを回避する「デジタル終活」のススメ。
たとえ「ヤバい隠しごと」ではなくとも、家族にだけは見られたくないものがある。
そんな「秘密」の一つや二つ、誰しもが持っているのではないでしょうか。
自分の死後、それらの「秘密」をどうしたいか。
ひと世代前は、「紙のアルバム」や「手紙」といったアナログな姿で残されることが多かった形見。スマートフォンやパソコンを所持している人が増えたこんにち、それらはスマートフォンやパソコンの中に、データとして保存されているケースが増えていることは確実でしょう。
元気なうちに自分の最期のことを考えてエンディングノートにまとめたり身のまわりのものを整理したりする終活が話題となっていますよね。その中には「デジタルデータ」をどうするか、という繊細な問題も含まれます。これは今を生きる私たちすべてが、日頃から意識しておくべき問題であることは確かです。
そんなわけで今回は、「デジタル終活」について考えていきたいと思います。
「自分亡き後、このデジタルデータはどうなるの?」
銀行通帳、クレジットカード明細、契約書…。かつては紙ベースで記録されていた文書などの電子化が進んでいます。ネット銀行や、月額サービスの情報などは、自分に万が一のことがあった場合、家族に知らせておく必要があるといえるでしょう。
その一方、家族にはナイショの趣味、恥ずかしい写真、パートナーを悲しませてしまうであろうメールのやり取り、などとなると話は別。「たとえ自分が死んだあとでも、絶対に見られたくはない」という人のほうが多いはずです。
デジタル終活をする意味
デジタル終活には、遺された家族の負担を減らすため、家族に悲しい思いをさせないため、などいくつかの目的があることは確かでしょう。
ただ、ここで強調したいのは、デジタル終活は「自分のプライバシーを守る最後のアクション」としての位置づけを持っているということ。
絶対に家族にだけは知られたくない創作物や写真、SNS上での人間関係などがある、という人は少なくないでしょう。それらの「秘密」を、自分亡き後、どう守っていくかを考えるのが「デジタル終活」の基本であるといえるかもしれませんね。
やっておきたいデジタル終活
SNSアカウント
TwitterやInstagramなどを利用している方も多いと思いますが、それらのSNSはアカウントを削除しない限りデータが残り続けます。もちろん、死後のアカウント管理や削除を家族に頼んでおくのでもいいでしょう。
でも、家族に隠れてSNSをやっていた場合は、そうはいきません。秘密の趣味やデータ、交流関係などが詰まっているアカウントは、絶対に家族に見せられない!という人は、「ほんとうに」気が許せる友人や共通の趣味を持つ知人を頼るという手もあるでしょう。
「自分になにかあったときは、SNSアカウントを家族には絶対に知らせず、そっと削除してほしい」
こんな風に伝えておくのも手ですね。ただ、パスワードやIDを伝えてしまうと勝手に閲覧や削除も行える状態となりますので、お願いする相手は「本当に信頼できる人」を吟味しましょう。
また、家族には知られたくない趣味や情報を載せているアカウントが不要になった場合は、さっさと削除してしまう、というのもおススメ。
いつか削除しよう、と放置したまま忘れてしまう、という可能性もありますよね。死後に家族に発見されて、後悔するのは「あの世の自分」です。はからずも見てしまった家族にも、気まずい思いをさせてしまうかもしれません。
写真やデータを隠す
家族には見られたくない恥ずかしい写真や家族が知ってしまったら悲しい思いをしてしまう情報は、生前からきちんと管理しておくことが重要です。推測しにくいパスワードをかけて保存しておいたりゴミ箱の中などにさりげなく隠しておいたり、なにかしらの対策を取っておきましょう。
それらの方法を駆使したとしても、それらのデータを「家族バレ」から100%守れるわけではありません。とはいえ、家族や家族の「気持ち」のためだけではなく、そのデータに関係する第三者のプライバシーも守る、という観点でも、対策は必須といえるでしょう。
オタク趣味を封印する
家族や親しい友人にはずっと秘密にしていた創作物や、「オタク趣味」にまつわるデータの管理は難しいもの。準備期間があれば、なんとかなるかもしれません。でも、突発的な事故や病気で…という可能性も大きいですよね。
こんな場合は、「共有項」を持つ仲間に頼んでおくのもおすすめです。信頼できる人であればネット上の知り合いでもよいでしょう。
でも、ネットだけでつながっている相手に、自分の「もしもの事態」を伝えることは難しいですよね。そこで、「こちらからそちらに事情をなにも連絡をしていないまま〇日以上更新が途絶えた場合は、家族には知らせていないオタク趣味のデジタルデータなどをそっと削除しておいてほしい」というメッセージなどといっしょに、パスワードを伝えておくのも1つの方法です。
共通の趣味を持つ友人であれば、心ない形で死後に「カミングアウト」される可能性も低いので、安心できるのではないでしょうか。
「デジタル終活」は、遺された人への思いやり。
家族に知られたくないことは、ひとそれぞれ。趣味やSNSでの活動などといった、「ちょっと恥ずかしい」レベルのものから、浮気の事実や、どうしても話せなかった過去など、重大なものまでさまざまでしょう。
「デジタル終活」は、自分自身のプライバシーと尊厳を守るだけではなく、人生に関わってくれた人たちを「傷つけない」ための、さいごの思いやりのかたちの一つなのかもしれませんね。
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