「後日葬・セルフサービス葬」とは?コロナ元年、お葬式の新常識を徹底調査。
LIMO / 2020年12月11日 0時30分
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「後日葬・セルフサービス葬」とは?コロナ元年、お葬式の新常識を徹底調査。
これまでお葬式といえば、故人と関係のある人が参加する一般葬が基本でした。しかし、ライフスタイルの変化や価値観の多様化、さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、お葬式のかたちも変化しています。そこで今回は、家族葬、直葬などといった新時代を代表する葬儀や、コロナ時代の「ニューノーマル」に対応したお葬式をご紹介していきます。
親しい人だけでおくる家族葬
家族葬とは親族や、故人とごく親しかった人だけで執り行う葬儀のことです。
基本的な葬儀の流れは、通夜を行った翌日に葬儀・告別式と火葬というように一般葬と同じです。身内だけで葬儀を執り行えることから、マナーや宗教的なこだわりを気にせず、比較的自由な内容で故人の希望になどに沿った葬儀ができます。
また、家族葬は10名程度の少人数で行うことが多いので、一般葬に比べて費用が抑えられるというメリットもあります。一般葬に比べて、準備や参列者への対応などに追われることもないので、遺族の負担も少なく、親しい人だけでゆっくりと故人と最期の時間を過ごせます。
鎌倉新書が、2020年6月に公表した「お葬式に関する全国調査(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/7935/)」の結果によると、2020年に執り行われた葬儀のうち、家族葬の占める割合は40.9%でした。2015年の同調査で31.3%、2017年が37.9%だったことからも家族葬が年々増えていることは明確。少子高齢化や核家族化の進行に加え、感染症対策という社会背景からも、この割合は今後も増加すると予想されます。
お通夜を省いた一日葬
一日葬とは、通夜を行わず、告別式と葬儀を一日で行うお葬式のかたちです。家族や親族だけでひっそりとお別れがしたいという場合や参列者が少ない場合に向いている葬儀です。
参列者が多くなる通夜を省略することができるので、家族や親族が故人と過ごす最期の時間をたっぷりと取ることができ、通夜振る舞いなどの費用や参列者への対応の負担などが少ないのがメリットです。
一日葬は、通常午前中から告別式を行い、その後火葬という流れが一般的ですが、葬儀会社によっては、遠方の人や会社勤めの人でも参列しやすい夕方からの式を執り行ってくれるところもあります。
直葬・火葬式
直葬・火葬式とは、通夜や告別式といったセレモニーを行わない葬儀のかたちです。病院や施設などから火葬場に直接搬送して、火葬場でお別れをするといった流れになります。
故人に身寄りがない、親族と疎遠、故人の希望などで執り行うことが多く、以前はあまり選ばれることがなかった葬儀ですが、鎌倉新書の調査によると、2020年4月~5月の緊急事態宣言中、最も選ばれていたのがこの直葬・火葬式。
なんと緊急事態宣言中に執り行われた葬儀のおよそ67.5%が直葬・火葬式だったそうです。緊急事態宣言が解除された後も50%以上の人が直葬・火葬式を選んでおり、新型コロナウィルス感染者がいまだに増え続けている状況からしても、今後も需要が高まる葬儀のかたちだと考えられます。
ニューノーマルに対応した葬儀サービス
ここからは、コロナ時代に需要の増加が考えられそうな、新しいスタイルのお葬式スタイルをいくつかご紹介していきます。
新しい火葬式
通夜や告別式は自粛したいけれど、直葬ではあまりにも味気ないという遺族の声を受けて、様々な葬儀会社が提案しているのが、新しい火葬式のかたち。通夜や告別式を行わないのは、従来の直葬・火葬式と同じですが、霊安室に一日安置したあとに納棺と出棺、火葬式を行うというもの。故人との最期の時間を過ごすこともできるので、今までの直葬・火葬より満足度が高いお別れができます。
セルフサービス葬
ご遺体を搬送し火葬を済ませたうえで、自宅で葬儀を遺族自身の手で執り行ってもらおうというのがセルフサービス葬。
遺骨、葬儀用具、戒名授与などを自宅に届けてもらい、遺族が自分で設置をして葬儀を執り行います。僧侶に訪問してもらうのが心配なら、スマートフォンによる読経サービスもあるので、感染拡大を心配せずに家族だけでゆっくりと故人をおくることができます。
デジタル葬儀
葬儀の様子をオンラインで中継してくれるデジタル葬儀。
遠方に住む人や高齢で葬儀場まで足を運ぶのが心配という人もリモートで葬儀に参列することができます。中継だけでなく、弔問や会葬、供花、弔電の受付、香典の預かりといった内容がすべてオンラインででき、クレジットカードや電子マネーでの決済も可能。故人の写真や思い出の品をスライドで見られるサービスなどもあり自宅や会社にいながら、故人を偲ぶことができます。
後日葬
まず火葬だけを行い、感染拡大が収まってからあらためて葬儀を行うというのが後日葬です。
一周忌に合わせて偲ぶ会を開催したり、親族だけを集めて、会社関係の人だけを集めて、など個別にお別れ会を開催したりといったやり方があります。参列者数が読めない葬儀に比べ、偲ぶ会やお別れ会は人数を把握しやすいのもメリット。会の内容もゆっくりと決めることができるので、故人らしさの詰まった会を開くことができ、親しい人たちと思い出を共有することができます。
たいせつなのは「故人を偲ぶ気持ち」
価値観の多様化や社会背景により縮小傾向にある葬儀のかたち。コロナ禍では、望んでいないかたちでの葬儀を余儀なくされている遺族の方もいることと思います。しかし、どんなかたちであれ、大切なのは一人一人が故人を偲ぶ気持ち。故人に寄り添う葬儀をすれば、それが一番の供養になるはずです。
新しいサービスなども取り入れて「3密」を避けながら、悔いのないお見送りをしたいものですね。
【参考】
「家族葬と一般葬の違いとは?それぞれの特徴や費用の違いを詳しく紹介(https://syukatsulabo.jp/funeral/article/10205)」終活ねっと
「【家族葬の割合推移】調査データと統計で見た近年の葬儀の傾向を解説!(https://xn--u9jz61krbgpna41ce31d6rp.com/knowledge/wariai/)」家族葬の教科書
「コロナ禍における葬儀の実態調査(https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/7935/)」鎌倉新書
「セルフサービス葬(https://kakuyasuso.jp/originalso/sss/)」涙そうそう
「スマート葬儀(https://smartsougi.jp/)」ライフエンディングテクノロジーズ株式会社
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